超心理学講座

―「超能力の科学」の歴史と現状―

明治大学情報コミュニケーション学部教授
メタ超心理学研究室 石川 幹人

 まず、超心理学・超能力にかんする7つの誤解を解いたうえで、以下へ読み進んでください。

 本講座は筆者が,2002年度のライン研究センター(RRC)夏期研修プログラム(SSP)で受講した内容をもとに,「メタ超心理学」の観点から記述を追加し,大幅に再構成したものです。SSPは第一線の超心理学者を養成することを目標に編成されたカリキュラムであり,大学院レベルの内容を多く含んでいます。従って,それを基盤に作成した本講座も,少なくとも部分的には,かなり高度な内容になっています。初学者の方は他の超心理学の概論書を1冊,ひと通り読まれたあとで,本講座を閲覧されることをおすすめします。
 比較的安価で優れた概論書(ただし現在品切中)―笠原敏雄著『超心理学読本』(講談社プラスアルファ文庫)
 上よりやや難しいが現代の話題も充実―ラディン著『量子の宇宙でからみあう心たち』(徳間書店)

 本講座を閲覧するにあたっての注意:以下の内容は2003年1月時点で筆者が知り得た超心理学の研究動向をもとに作成しました。とくに断り書きがない限り,情報はその時点のものです。筆者は,内容の正確さに努めましたが,誤りがないことを保証するものでありません。また,この講座を読んだ方がそれによって不利益を得ても補償することもありませんので,自己責任でお願いします。本講座に誤りを発見された方や追加情報のある方は,それについて筆者に一報を入れていただければ幸いです。

 なお,文中の括弧内に記した(1-2)などの番号は,該当項目ページに関連情報があることを示しています。そのため,興味ある事項からたどって読むことも可能です。けれども全体としては,先頭から順番に読まれることを想定して書かれています。

目次
0. まえがき:RRCとSSP
1. 超心理学の社会学
1-1 超心理学とは何か
1-2 超心理学の歴史
1-3 研究コミュニティ
1-4 懐疑論争
1-5 奇術トリック研究
1-6 メディア研究
1-7 詐欺的行為
1-8 倫理規範
2. 超心理実験研究法
2-1 PSI実験研究法
2-2 ESPの実験
2-3 PKの実験
2-4 生体効果の実験
2-5 生理学指標の利用
2-6 古典的器具の利用
2-7 コンピュータの利用
2-8 統計的分析法の使い方
2-9 メタ分析
3. 超心理実験の実際
3-1 ドリームテレパシー実験
3-2 ガンツフェルト実験
3-3 リモートビューイング実験
3-4 予感実験
3-5 乱数発生器実験
3-6 動物PSI実験
3-7 地球意識プロジェクト
4. PSIの特性研究
4-1 態度との相関研究
4-2 性格との相関研究
4-3 意識状態との相関研究
4-4 発達との相関研究
4-5 地球物理指標との相関研究
4-6 知覚心理の研究
4-7 認知心理の研究
4-8 無意識のPSI
4-9 実験者効果
5. PSIの理論的検討
5-1 隠蔽効果の理論
5-2 進化適応の理論
5-3 PMIR理論
5-4 DAT理論
5-5 特異的場の理論
5-6 量子的観測理論
5-7 情報システム理論
5-8 シンクロニシティ
6. 超心理事例調査研究法
6-1 文化人類学的方法
6-2 臨床心理上の研究
6-3 現象学的方法
6-4 質問紙調査法
6-5 特異能力者の研究
6-6 信じやすさの心理学
7. 超心理事例調査の実際
7-1 偶発的PSI事例の研究
7-2 体脱体験と臨死体験
7-3 生まれ変わり事例の研究
7-4 ポルターガイストの研究
7-5 ゴーストバスター
8. 超心理学の哲学
8-1 事実と知識
8-2 科学論
8-3 心的世界
8-4 意識の探究
8-5 研究方法の問題と展望
X. 用語解説
Y. 演習問題
Z. 著作権と引用について


以上の概要をまとめた論考をPDFで公開しているので、ご覧ください。

 「超心理学の哲学的背景」明治大学教養論集第374号(2003)

また、超心理学や超能力の研究活動に興味をもたれた方は、メタ超心理学研究室のトップページをご覧ください。


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