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【番外編】サーキュラーエコノミーを発展させ新しいビジネスチャンスを創出するポリ乳酸包装

今回は「時事問題の解説」の番外編として、「TOKYO PACK 2026」(開催日:2026年10月14日-16日、会場:東京ビックサイト)の出展ポスターを紹介します。このサイトでは、当研究所所属の「明治大学永井一清研究室」の取り組みをご説明します。

日本でもサーキュラーエコノミーが浸透してきておりますが、これを新しい仕組み作りで大きく発展させることができましたら世界に日本のプレゼンスを示していけるのではないでしょうか。国や地方自治体等からの公的投資とともに新しいビジネスチャンスの創出により、成熟し硬直した日本社会に活気をもたらす波及効果もあります。本発表では、コンポスト化処理が可能なポリ乳酸を用いた容器包装等の生分解性プラスチック製品を活用した私たちのサーキュラーエコノミーへの取り組みをポスターでご紹介します。

【関連資料】「TOKYO PACK 2026」ポスター発表資料

現在の日本では、プラスチック包装のあり方が既存の社会システムの中で考えられています。確かに現状のアップデートは大切ですが、社会システム自体を新しく作り替えるという切り口があってもよいのではないでしょうか。新しいことを始めるときには、まとまった資本が集中投下されます。このときに国や地方自治体等からの公的投資とともに民間での新しいビジネスチャンスの創出により多くの人々が呼び込まれ、経済が活気づくことでしょう。

私たちは、その1つのアプローチとして、ポスターのイラストで描きましたように、ポリ乳酸包装を用いた地産地消型サーキュラーエコノミーを提案しています。リサイクルでプラスチック製品を永遠と循環させていくのには限界があり、必ず廃棄するときがきます。その手段としてエネルギー回収や埋立処分に頼るのではなく、新しく日本にコンポスト化処理を取り入れるという内容です。

ポリ乳酸には生分解性があり、微生物のはたらきにより最終的に二酸化炭素と水に分解できます。ポリ乳酸製品単独で回収したものはマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルによる再利用に、ポリ乳酸製品と生ごみを一緒に集めたものはコンポスト化処理する考えです。後者では、例えば、各自治体の資源ごみの回収日に「生ごみの回収日」を導入すれば、家庭ごみの約3割を占める厨芥類のコンポスト化処理による有効利用ができるようになります。つまり一般廃棄物に対して新しい資源回収ルートをつくることにより、食品ロスとなるものをうまく活かす対策にもなるということです。

ポリ乳酸の特性と有用性は明らかになっており、国際的に増産計画が立てられ設備の新設が進んでおります。包装用途だけでなく、様々な工業用途のポリ乳酸製品の市場拡大が期待されてのことであります。

日本では、基本的に国内の現行システムの中で考えていることから、PETボトルとプラスチック製容器包装の2系統でのリサイクルがクローズアップされております。これは即効性のある対策として大変重要です。

一方、投資を呼び込むためには新しいこと、そして日本国内だけでなく海外でも成長性が見込めることが大切であると考えます。また、日本でのコンポスト化処理の普及は、国際的にフェードアウトしていく流れのエネルギー回収や埋立処分からの移行を全世界に対してアピールできます。

現実的には日本国内での社会実装には時間がかかることから、私たちは、コンポスト化処理が普及しているヨーロッパ諸国、新興国や途上国にこのシステムを展開したいと考えており、世界知的所有権機構(WIPO)の環境技術活動WIPO GREEN等のネットワークを利用してこの活動を進めております。

私たちと一緒に活動してみてもよいかなと思われましたら、代表者の永井一清(ながい かずきよ)の電子メール「nagai@meiji.ac.jp」にご連絡ください。

ポリ乳酸に関する論文は現在までに国際ジャーナルに14報公開されております。詳細は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する研究者情報データベースResearchmapをご覧ください。


永井一清 (KAZUKIYO NAGAI)

https://researchmap.jp/kazukiyonagai

(TOKYO PACK 2026の説明メンバー:五十音順)
大学院生:相生朋輝、阿佐美諒汰、阿部結妃、井山未来、上原菜々果、大西黎、田村亮太、長嶋隆平、西田麻人、古川光彩、村上綾、山口遼
4年生:荒木洸平、井原音寿、大澤優奈、田中康喜、田中莉緒、野本琉生、林沙織、山崎祐輝、渡邊将人

(2026年10月13日アップロード)