渡辺恒夫 東邦大学理学部(千葉県船橋市三山2-2-1/tel. 0474-72-3512)
小松 明 帝京大学医療技術学部
石川幹人 明治大学情報コミュニケーション学部(ishikawa[アットマーク]kisc.meiji.ac.jp)
水本正晴 北見工業大学(mmizumot[アットマーク]hotmail.com)
荒川直哉
参加者には、毎年1000円(学生500円)程度のカンパ(年会費相当)をお願いしております。会場費や、遠隔地からの講演者の旅費の補助に当てています。
日時:2011/12/18(日) 午後1:30〜5:30
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟4階第2会議室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
の「キャンパス案内」をご参照ください。
(話題提供1)森田邦久(早稲田大学・科学哲学)
【タイトル】世界は不確定なのか−量子力学の新しい解釈
【要旨】量子力学の古典力学とは大きく異なる特徴として「不確定性関係」というものがある。たとえば、古典力学では、ある時刻のある物体の位置と運動量が正確にわかれば、ほかの任意の時刻でその物体がどのような位置と運動量をもつかが正確に予測できる。ところが、量子力学では、位置と運動量を正確に予測することができないのである。これを「不確定性関係」と言うのであるが、アインシュタインが最後まで認めることのできなかったものである。本発表では、まず、簡単に不確定性関係と、それを反駁しようとするアインシュタインらの議論を説明して、その後、現在の状態が過去の状態だけからではなく、未来の状態によっても決定されているとする考えかたをとることで不確定性関係が避けられるという議論を紹介する。
【指定討論】石川幹人(明治大学・認知科学)
(話題提供2)玉地雅浩(藍野大学・理学療法学,臨床哲学)
【タイトル】空間知覚は身体表現と共になされるものである-半側空間無視を呈する人に現れる現象から考える
【要旨】脳卒中後遺症としての半側空間無視を呈する人に現れる現象を通して、私たちが普段何気なく行っていると考えられている「今、ここから」世界を知覚するという事について、主として哲学者のメルロ=ポンティの記述を参考にしながら考察していきたい。
半側空間無視を呈する人は左の世界に注意が向きにくい、向ける事ができても上手く情報を処理できないと医学の世界では考えられている。今回の発表ではそもそも「左側の世界に注意を向けることができない、あるいは向きにくい」状態で生活していく事がどういう状態であるのか、この事について根本的に考えてみたい。
半側空間無視を呈する人に現れる現象の中には非常に奇異に感じられたり、異質なものとして扱われるものがある。患者が示す現象は特徴的なものとして周囲の人たちには目につきやすい。
しかし今回の発表では半側空間無視を呈しない人たちとの差異の部分のみに着目して考察するのではなく、半側空間無視を呈する人を含めて私たちはいかにして上下・左右・前後という方向性を持つ事ができるのか、あるいはパースペクティブを失うという事態はありえるのかなど、私たちがこの世界で生きていく上で知覚世界とどのような関係をきり結んでいるのか、そのあり方を丁寧に記述していきたい。そして知覚世界が変容しているかもしれない半側空間無視を呈する人たちが、その状況をいかに乗り越えようとしているか、その契機は何かという事について考察していく予定である。
【指定討論】田中彰吾(東海大学・心理学)
日時:2011/10/1(土) 午後1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟2階第8会議室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
の「キャンパス案内」をご参照ください。
(話題提供1) 小松 明(帝京大学・神経科学)
【タイトル】臨床におけるプラシーボ治療の現在
【要旨】プラシーボ(偽薬)は治験で実薬に対する対照として使用され、現在では被験者からインフォームドコンセント(I.C.)を得た上で行われる。一方、臨床現場ではプラシーボ効果をねらって「薬」として患者に与薬する、治療を目的とした使用法がある(プラシーボ治療)。プラシーボ治療は患者本人に知られると意味を失う処置であるためI.C.の取得が困難である。I.C.の取得なしでプラシーボ治療を行えば生命倫理の四原則の中の『自立性の原則』と『正義の原則』に抵触する。反面、患者を治療するので『善行の原則』に則り、薬理学的に不活性な物質を与薬するので『無加害の原則』に抵触しない。このようにプラシーボ治療は倫理的な問題をかかえた医学的処置である。 臨床現場におけるプラシーボ治療の現状を医師、看護師を対照に全国調査した結果を報告し、プラシーボ治療の問題点を考察する。また、日本の生命倫理学において前提視されているビーチャムとチルドレスの四原則の基盤をなす直感主義を反省的に考察したい。
【指定討論】水本正晴(北見工業大学・哲学)
(話題提供2) 福田敦史(慶應義塾大学・哲学)
【タイトル】自我であることのミニマルな条件を巡って
【要旨】G.ストローソンによって考えられているMinimal Selfとは、1)経験の主体であり、2)ものであり、3)心的存在であり、4)単一であるような存在者である。本発表では、このMinimal Selfという概念をとりあげ、自我であるために必要な条件とは何かという問題(の一部)について検討したい。まず、Narrative Selfという概念と対比させてMinimal Selfについての概略を示し、その後、条件1)の「経験の主体」であるためには、どのようなことが必要なのか考えたい。
【指定討論】渡辺恒夫(東邦大学・心理学)
第60回に引き続き、第62回研究会も人文死生学研究会(第9回)との合同研究会になります。
日時:2011/7/23(土) 1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟3階 第10会議室
(趣旨)かって死はタブーでしたが、近年は死生学の研究も盛んになっており、その多くは臨床死生学です。しかし、自分自身の死についての洞察が臨床死生学の基礎には必要と思われます。人文死生学研究会は、そうした一人称の死に焦点を当て、哲学、倫理学、宗教学、心理学、人類学、精神医学から宇宙論にまで及ぶ、学際的な思索と研究の場として発足しました。今回で九回目になりますが、これまで「刹那滅」「輪廻転生」「死の非在論証」「人間原理」などがテーマとして取り上げられました。これらのテーマは、死に対する洞察が、哲学や科学において古くから問題にされている自我と時間の探求を、おのずから要請していることを明らかにしています。今回は、哲学的時間論の問題として、「現在主義」。理論物理学と自我の問題として、「量子自殺」を話題に取り上げます。
人文死生学研究会のテーマに関連する討論については、以下のHPで読むことができます。
http://homepage1.nifty.com/t-watanabe/academic_meeting_4.htm
日時:2010/7/17(土) 1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟4階第2会議室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
の「キャンパス案内」をご参照ください。
(話題提供1) 田中 彰吾(東海大学,心理学)
【タイトル】身体知における心と身体
【要旨】身体知を題材に、心と身体の関係について考えます。
身体知とは、いわゆる「身体が知っている」タイプの知識を指します。キーボードの打ち方、自転車の乗り方、などに見られるように、非−意識的、非−言語的、非−表象的でありながら、身体が確かに知っているような知識です。
デカルトの古典的な心身二元論では、知識が帰属するのは心(意識)であり、身体ではありません。身体知の問題を「手続記憶」や「運動スキル」として取り上げてきた心理学や認知科学の研究も、そうした心身二元論の伝統を色濃く受け継いでいるように見えます。
この発表では、哲学者メルロ=ポンティの身体図式に関する議論を参照しながら、身体知の概念を整理します。また、ボールジャグリングの学習を事例として、身体知が形成される過程を検討します。以上の作業を通じて、心と身体の関係が、古典的な二元論とはどのように異なって見えてくるのか、考察する予定です。
(話題提供2) Gereon Kopf (Luther College, 宗教学, Editer of "Merleau-Ponty and Buddhism")
【タイトル】「身体、心、道徳 ー 修行と心身論」"Body, Mind, and Morality: Self-Cultivation and Body-Mind Theory"(講演は日本語の予定です)
【要旨】よく知られているように、多くの仏教哲学者と仏教経典では、身体と精神の二元論を
否定している。こうした不二元論は、デカルトの心身二元論を克服するだけでなく、
モーリス・メルロ=ポンティが考えたような身体図式を意味し、さらに、形而上学、
心理学、倫理を含んだ新たな心身論を提供する。特に、湯浅秦雄は仏教と道教の瞑想
論における修行という概念に基づく心身哲学のパラダイムを提唱した。この論文では、
メルロ=ポンティの身体図式と湯浅の修行説を使い、いくつかの仏教哲学者の論文の
中から新たな身体精神論を発展させる。
It is well known that a lot of Buddhist thinkers and texts propose a
mind-body non-dualism. Such a non-dualism not only overcomes Descartes'
mind-body dualism and implies a body-scheme not unlike Maurice
Merleau-Ponty's, but further introduces a paradigm that allows philosophers
to re-conceptualize the mind-body relationship as well as the intersection
of metaphysics, psychology, and ethics. Especially Yuasa Yasuo has argued
for a new paradigm for mind-body philosophy based on Buddhist and Daoist
theories of self-cultivation. This paper will utilize the Merleau-Ponty's
body-scheme and the philosophical insights of Yuasa to develop such a
mind-body philosophy from the writings of selected Buddhist philosophers.
第57回に引き続き、第60回研究会も人文死生学研究会(第8回)との合同研究会になります。
また明治大学意識情報学研究所とも共催です。
日時:2009/3/29(月) 1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟3階 第10会議室
(趣旨) かって死はタブーでしたが、近年は死生学の研究も盛んになっており、その多くは臨床死生学です。しかし、自分自身の死についての洞察が臨床死生学の基礎には必要と思われます。人文死生学研究会は、そうした一人称の死に焦点を当て、哲学、倫理学、宗教学、心理学、人類学、精神医学から宇宙論にまで及ぶ、学際的な思索と研究の場として発足しました。 今回で八回目になりますが、これまでに「刹那滅」「輪廻転生」「死の非在論証」「人間原理」などがテーマとして取り上げられました。前回は、哲学者・三浦俊彦氏の「戦争論理学」の合評会 を著者をまじえて行い、はじめて歴史問題に論及しましたが今年は、それに続き、「歴史の哲学」という観点から、新たな問題提起が行われる予定です。また、「臨死体験と死生観の変容」についての話題提供も予定されています。
人文死生学研究会のテーマに関連する討論については、以下のHPで読むことができます。
http://homepage1.nifty.com/t-watanabe/academic_meeting_4.htm
日時:2009/11/14(土) 2:30〜5:30
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟4階第2会議室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
の「キャンパス案内」をご参照ください。
[話題提供者] 岡田美智男 (豊橋技術科学大学/社会的ロボティクス・認知科学)
[タイトル] 社会的ロボティクスとコミュニケーション研究の接点を探る
[要旨] 「コミュニケーション研究にロボットが使えないだろうか」との漠然とした思いから、ここ数年、小さなロボットたちと格闘してきた。Talking
Eye、「む〜(Muu)」、弱さをチカラとする「ごみ箱型ロボット」、目玉ジャクシの原初的サッカー、「コンコン」インタフェース、トウフのようなロボット、Table
Talk Plus (http://www.icd.tutkie.tut.ac.jp/project.html )。これらのロボットやクリーチャたちを題材に、社会的ロボティクスとコミュニケーション研究との接点について議論してみたい。
指定討論:
荒川直哉(本会世話人)「ロボットの現象学」
水本正晴(本会世話人)「「心の部屋実験」、ロボット、身体イメージ」
日時:2009/7/25(土) 1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス ★14号館6階A会議室
(★注意)会場がいつもとは異なる建物です。
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
JR駅から坂を下ってきた場合、リバティタワーの手前を右に坂を上り、
山の上ホテルに沿って坂を下り、正面に見える10号館を右に少し坂を
上ったところに、渡り廊下がある。それを渡ると14号館!!
(話題提供1) 荒川 直哉(本会世話人)
【タイトル】自由意志の問題を「ふりかえる」
【要旨】自由意志の問題について、歴史的な概観とともに討論を行います。この問題は、自由意志を認める論者と決定論者、自由意志論と決定論を両立させようとする両立論者の間で古来より議論が続いてきました。具体的にとりあげるトピックとして、Libetの実験、デネットの両立論、行為と責任に関する議論を挙げておきます。
(話題提供2) 内藤 淳(一橋大学国際共同研究センター/倫理学)
【タイトル】進化倫理学の現代的展開
【要旨】進化生物学において人間を含めた生物の性質や行動の分析が進む中で、人間の「道徳」や「道徳性」がいかに説明できるかは、進化理論が登場して以来の論争の的である。こうした議論は、当初、「進化」現象についての事実的議論と道徳的・規範的議論の区別があいまいなまま論じられたため、「誤ったアプローチ」として厳しく批判された。しかし、20世紀の後半になり、進化生物学の基本理論が改めて整理され、それに基づく人間行動や心理の分析が進むと、そうした「心理学」的成果をメタ倫理学に活用する形で「進化倫理学」が展開する。
現在のところ、そこでの議論は乱立的で整理不十分な状況だが、おおまかな潮流としては、人間が「本性」として備えた「道徳感覚」を基盤に道徳・倫理を説明する説とそうでない説と、2つの方向性が指摘できる。こうした区分に即して、現代進化倫理学の特徴を示しつつ、その可能性と問題点を探る。
第57回研究会は人文死生学研究会(第7回)との合同研究会になります。
日時:2009/3/30(月) 1:30〜5:45
場所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟4階 第1会議室
(趣旨) かって死はタブーでしたが、近年は死生学の研究も盛んになっており、その多くは臨床死生学です。しかし、自分自身の死についての洞察が臨床死生学の基礎には必要と思われます。人文死生学研究会は、そうした一人称の死に焦点を当て、哲学、倫理学、宗教学、心理学、人類学、精神医学から宇宙論にまで及ぶ、学際的な思索と研究の場として発足しました。
今回で7回目になりますが、これまでに「刹那滅」「輪廻転生」「死の非在論証」「人間原理」などがテーマとして取り上げられています。今回は、渡辺恒夫氏による心理学からの話題提供を第一部とし、後半は、哲学者の三浦俊彦氏の「戦争論理学」の合評会を著者をまじえて予定しています。
人文死生学研究会のテーマに関連する討論については、以下のHPで読むことができます。
http://homepage1.nifty.com/t-watanabe/academic_meeting_4.htm