研究会活動成果の出版第1号 

■書 名:心とは何か−心理学と諸科学との対話−

■著 者:足立自朗・渡辺恒夫・月本 洋・石川幹人 編

■定 価:本体5200円+税

■判型等:A5判・上製・356頁

■出版社:北大路書房

目次

イントロダクション

第1部:心は脳かコンピュータかそれとも…

間奏曲:対談ツーソン会議と東京'99(石川幹人+渡辺恒夫)

第2部 研究会(心の科学の基礎論研究会)討論の記録

人工知能と心理学:心はコンピュータ(西川泰夫)/記号的人工知能の限界(月本洋)/対論(西川泰夫+月本洋)
心の科学-物理学からのアプローチ(石川幹人)
進化論と心理学:進化心理学と人類学(蛭川立)/生理学的心理学の歴史(高砂美樹)
エスノメソドロジーと心理学:心的イメージはどれくらい「心的」か(西阪仰)/心の概念を正しく使うための3つの基準(小松栄一)
ヴィトゲンシュタインと心理学:ヴィトゲンシュタインの色彩論(奥雅博)/心、他者、言語ゲーム(崎川修)
あとがき 足立自朗

「イントロダクション」より

 人間の心を研究する科学としての心理学が,一見,隆盛をきわめているように見えるにもかかわらず,その背後多くの原理的な問題を抱えていることは多くの人びとの目に明らかになってきたように思われる。心理学に関して,いくつかの疑問を提起することができる。……

・「科学的」方法が自然科学的の方法を意味する限り,心を物質的自然の一部としてとらえることに徹底するこれら自然科学的人間科学に,曖昧さを残す心理学は対抗しえないのではないか。……

・そもそも心の科学とは何か。自然科学と区別される人間科学独自の方法はあるのだろうか,等など。……

 これらの疑問は,とどのつまり「科学的認識の主体たる人間が自己を科学的に認識するとはどういうことか」という,科学史上の根源的問題から派生している下位問題であって,それらに解を与えるためには学際的,包括的,かつ厳密な議論の場を必要とするであろう。にもかかわらず,日本にあっては,そのような場にあまり恵まれなかったのが実情である。

 私たちが,科学哲学や人工知能の研究者を交えた学際的な研究会「心の科学の基礎論」研究会を1996年に発足させたのは,そのような場の創出を目指してのことであった。本書「心とは何か−心理学と諸科学との対話−」は,この研究会の中から生まれ,その成果の一端を表現したものである。……



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