「心の科学の基礎論」研究会

1997年の活動履歴


第7回研究会

1997年11月8日(土) PM3:00-

明治大学研究棟4階第2会議室

佐藤達哉(福島大学/心理学史)

--「通史 日本の心理学」で見る日本の心理学 --

私たち著者一同は、「心理学の今」を知るために心理学史に取り組み、論文・著書 を準備してきた.「通史 日本の心理学」(北大路書房・1997/11月刊予定)は一体なに を目的に作られ、何を語っているのか.目次と主な図表をたどることで、その内容を 述べたい.その際には、最近の科学論で注目をあびている「モード論」の考えも援用 して、日本の心理学の進展過程を基礎―応用ではなく、学問と社会との関係という観 点から考えてみたい。


第6回研究会

1997年9月13日(土)PM2時〜5時

明治大学11号館地下1階1番演習室

1 崎川 修(上智大学大学院/言語哲学、他者論)

「言語ゲームと他者」

我々の実践のあらゆる意味秩序が、他者によって脅かされつつも、同時に他者なし には保たれえないような形式を持っているということを、ウィトゲンシュタインの言 語ゲーム論を批判的に検証しながら明らかにし、そこから他者の「心」について語る 言語の可能性を探究する。

2 石川幹人(明治大学文学部/知能情報学)

「物理学は認知科学に貢献するか---ペンローズの思想から」

ペンローズは、知能には非アルゴリズミックな過程が存在するので、それを物理的 に実現する人工知能には、大局的過程を理論内に正しく取り込んだ、量子重力理論が 必要であると説く。(1)量子力学の観測問題を中心に、ペンローズが論拠とする概 念の入門的な解説を行う。(2)次のような点について参加者で討論する。「知能は アルゴリズムではないのか」、「大局的物理過程によって心的活動は説明できるか」、 「ペンローズのプラトン的世界観は妥当か」。


第5回研究会

1997年7月12日(土) PM1:30-5:00

早稲田大学文学部 第2研究棟(39号館)5階第6会議室

1 1:30-3:00 月本 洋(東芝/人工知能)

「記号的人工知能の限界(2)」

記号的人工知能の限界が、一人称的意味の理解の形式であることを述べる。この形 式は経験の形式であり、経験を可能にするようなメタファーである。したがって、メ タファーに基づく人工知能が記号的人工知能の限界になる。

2 3:10-4:40 渡辺恒夫(東邦大学/心理学基礎論)

「討論:心の観測問題」

9月の日本心理学会自主シンポジウム「心理学の科学基礎論2:心の観測問題」の 趣意書(實川幹郎氏作成)を材料に、他者の心は直接観測できず、自分の心は公共的 観測にかからないという心理学の前提を巡って自由討論を行う。

3 4:40-5:00  今後の活動予定など


第4回研究会

1997年5月10日(土) PM2:00-5:30

明治大学研究棟4階第2会議室

1 2:00-3:30 臨時討論会

2 3:30-5:00 小沢一仁(東京工芸大学/発達心理学)

「アイデンティティ概念から『心』を考える」

精神分析を背景にE.H.エリクソンによって、提出されたアイデンティティ概念は、 曖昧なまま置き去りにされてしまっているのではないか。これを、どのように捉えれ ば、生き生きと甦るか。このことが、「心」を考える上で有益な何をもたらすのか。

3 5:00-5:30  今後の活動予定など


第3回研究会

1997年3月1日(土) PM12:00-4:00

学士会館(本郷分館)9号室

1 12:00-1:00 昼食会

*部屋で昼食を取ると会議室使用料が安くなるので設けます。

2 1:00-2:25 月本 洋(東芝/人工知能)

「記号的人工知能の限界」

記号的人工知能の限界が、一人称的意味の理解の形式であることを述べる。この形 式は経験の形式であり、経験を可能にするようなメタファーである。したがって、メ タファーに基づく人工知能が記号的人工知能の限界になる。

3 2:30-3:55 渡辺恒夫(東邦大学/心理学基礎論)

「心理学基礎論と心の科学の根本問題」

心理学基礎論=metatheoretical psychology の意義を明らかにし、Searle の中国 語の部屋、Wellman の心の理論などの重要問題に関し、人称的視点のメタパラダイム 分析という心理学基礎論の方法を用いて批判的に考察する。

4 3:55-4:00  今後の活動予定


管理者:明治大学文学部 石川幹人