「東アジア・海のシルクロードと“福建”」 日時:2009.5/8(金)開場12:30 13:00 ─ 17:00 会場:明治大学アカデミーホール (JR御茶ノ水駅下車徒歩3分。 「アカデミーコモン」3階) 司会・コーディネータ:氣賀澤保規 (明治大学教授) 講演1 世界遺産・福建土楼と客家の世界 加藤千洋(朝日新聞編集委員 ・明治大学兼任講師) 講演2 琉球使節団の「唐旅」と福建 渡辺美季(東京大学助教) 【注意:村井章介先生から渡辺先生に変更になりました】 講演3 近世福建系音楽の日本伝来と演歌の誕生 ──楽曲の実演も交えて 加藤徹(明治大学教授) 受講料:一般1,000円 明大生・関連会員は無料 受講されると同時開催中の「特別展」の入場料(500円)が無料になります。 お問い合せ・お申し込み等 リバティアカデミー事務局 電話 03-3296-4423 詳しくは 同講座のチラシ http://academy.meiji.jp/ccs/pdf/S0915.pdf ※PDFなので少し重いです。 [当日配布予定のプリント原稿(htmlテキスト)] |
名 称 | 俗称 | 信 徒 | 創建 | 備考 |
興福寺(こうふくじ) | 南京寺 | 「南京人」(浙江省・江蘇省出身者) | 1624 | |
福済寺(ふくさいじ) | 漳州寺 | 閩南系(漳州・泉州出身者) | 1628 | 原爆で消失 |
崇福寺(そうふくじ) | 福州寺 | 閩東系(福州出身者) | 1629 | 魏之琰、僧一圭 |
聖福寺(しょうふくじ) | 唐寺3ヶ寺の目付寺 | 1677 |
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「福建会館・天后廟」(長崎市館内町)。 海外叙郷情、難得扶桑如梓里 天涯崇廟祀、況承慈蔭到蓬瀛 カイガイにキョウジョウをのぶれば、えがたし、フソウはシリのごとし。 テンガイにビョウシをあつくすれば、ここにジオンをうけてホウエイにいたる。 |
陸明斎、浄瑠璃を習う 『長崎名勝図絵』より |
唐人と遊女の合奏 『長崎名勝図絵』より | 左の拡大図 |
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![]() 南方の小型の箏を弾く唐人と、 三味線を弾く遊女。 |
明・唐寅「吹簫仕女図軸」![]() |
ドー | レ | ミ | レー | ドー | レー | ソーラ | ソー |
紗 | 帳 | 裡 | 飄 | 蘭 | 麝 | 哨 | 卟、 |
サア | チヤン | リイ | ピヤウ | ラン | ジユイ | シヤウ | ヤ |
ドー | レミ | レー | ド | そ | らー | ド | ド | ドそ | らー | ドー | ド | そ | らー |
我 | 負 | 慣 | 把 | 簫 | 吹、 | 玉 | 臂 | 忙 | 揺 | 金 | 蓮 | 高 | 挙 |
ゴウ | フウ | クワン | パア | スヤウ | チユイ | ヨ | ヒ | マン | ニヤン (ヤウ) | キン | レン | カウ | キユイ |
らー | ドー | らー | そー、 | ミソ | ミレ | ドー | レー、 | みそ | みれ | どー | れー |
南 | 南 | 燕 | 燕 | 嚦 | 嚦 | 鶯 | 声 | 好 | 似 | 君 | 瑞 |
ナン | ナン | ヱン | ヱン | リ | リ | イン | シン | ハウ | スウ | キユン | スイ |
ミソ | ミレ | ドードそ レーレミ ソー |
過 | 鶯 | 娘 |
コウ | イン | ニヤン |
らーらド ドら ドら ドらそ、 みーみー そみそら ドードそ レー レミ ソー、ミソミレ ドードそ レーレミソーー |
![]() | ←『月琴楽譜』(1877) 「漳州曲」は18世紀初めから日本でも歌われていた。 左の楽譜は、明治10年に刊行された『月琴楽譜』の一部。 歌詞の「唐音」による発音をカナで、音階を「工尺譜」で書いてある。 左の歌詞には一部、誤字も含まれている。 |
中国各地の茉莉花→(福建)→ | 長崎・清楽「茉莉花」→長崎民謡「紫陽花」「水仙花」 |
琉球王国「打花鼓」→沖縄県「伊集の打花鼓」 | |
プッチーニのオペラ 「トゥーランドット」挿入曲 |
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![]() | 1832年、琉球の「江戸上り」で、芝白金の島津邸で上演された中国語劇「打花鼓」。 劇中「茉莉花」も歌われる。 |
沖縄県中城村に今も残る琉球王国時代の芸能 「伊集の打花鼓」。2009年3月撮影。 |
中国演劇の「打花鼓」。20世紀初めの京劇脚本集の挿図より。 劇中劇的に芸人夫婦が「茉莉花」も歌う。 |
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【楽譜二】![]() ![]() 好一朶美麗的茉莉花、 好一朶美麗的茉莉花。 芬芳美麗満枝椏、又香又白人人誇。 譲我来将你摘下、送給情郎家。 茉莉花呀茉莉花、茉莉花呀茉莉花。 hao yi duo mei li di mo li hua , hao yi duo mei li di mo li hua ! fen fang mei li man zhi ya, you xiang you bai ren ren kua. rang wo lai jiang ni zhai xia, song gei qing lang jia, mo li hua ya mo li hua, mo li hua ya mo li hua ! |
【楽譜三】![]() ![]() [五線譜の頁] [ABC譜] |
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『月琴楽譜』(1877)より。 「茉莉花」は中国各地で今も歌われているが、地方ごとに歌詞やメロディーに違いがある。 日本で江戸時代から明治まで歌われていた茉莉花は、福建省に現存するバージョンに近い。 |
A.Farsari,1886![]() |
中国の小調「九連環」 | → 長崎・清楽「九連環」 → | 法界節→新法界節→サノサ節→サノサくずし→紫節→ 鴨緑江節→… |
かんかんのう→とっちりとん→梅ヶ枝の手水鉢→ もしも月給が上がったら→… | ||
↓ 北京の「福建調」 |
九連環。Chinese rings 中国の伝統的な知恵の輪。 | 『長崎古今集覧名勝図絵』より。 九連環の歌舞を楽しむ唐人と丸山遊女。 |
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長原梅園『月琴俗曲今様手引草(1889)』明治22年(1889)5月刊 | 『東京朝日新聞』明治21年(1888)12月2日号 |
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詳しくはこちらの頁。 |
渡辺霞亭の小説「三人同胞」(さんにんきょうだい)の挿絵。 月琴を弾く書生。 この小説と挿絵は「近代デジタルライブラリー」でも読める。 |
『滑稽新聞』明治40年(1907)2月20日号 | 『団団珍聞』明治17年(1884)3月12日号 |
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「此絵は堕落の男女が法界節をやッて渡世する様を描いたもの」。 女が月琴を弾き、男が法界節を歌っている。 |
「新陳盛衰流行物首ッ引」。 擬人化された月琴と三味線の首相撲。新興の月琴が旧来の三味線を圧倒。 |
『新版引札見本帖』 明治36年(1903) ![]() 1903年の引札(当時のチラシ広告)の見本。 詳細は国会図書館のこちらの頁 |
『滑稽新聞』第102号 明治38年(1905)8月25日 ![]() 「現今女学生の遊戯 通れ通れ角帽お通りなされ角帽 行きはよいよい戻りもよくッて」 |
【楽譜十二】![]() ![]() 参考 『日本のうた 第1集明治・大正』野ばら社、1998年 |
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時代 | 江戸〜大正 | 昭和前期 | 昭和中・後期 | 平成 |
![]() 1923年 明治大学予科入学 1926年 同・商学部に進学 1929年 明大マンドリン倶楽部の演奏会で『影を慕いて』発表 →YouTube「影をしたいて」 |
呼称 | 流行り唄 |
流行歌 国民歌謡 戦時歌謡 | 歌謡曲 | J-POP | |
媒体 | 口承・唄本等 | 蓄音機・ラジオ等 | テレビ・レコード等 | CD・ネット等 |