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各種清楽譜における九連環 1880年代篇

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[大清楽譜(1880)]  [清楽雅譜(1882)]  [月琴はや覚(1882)]
[清風雅唱(1883)]   [清風柱礎(1884)]   [清風雅唱・第貳輯(1884)]   [洋峨楽譜(1884)]   [清楽詞譜(1884/1885)]
[弄月余音(1885)]  [袖珍月琴譜めくら杖(1885)]   [月琴俗曲爪音の余興]   [清楽譜(1887)]   [清風歌唱(1887)]
[月琴雑曲清楽の栞(1888)]   [月琴雑曲清楽の栞続篇(1888)]   [清楽意譜(西奏楽意譜 巻之上)(1888)]   [清風雅唱 外編(1888)]
[明清楽譜(松本藤七、1889)]   [月琴俗曲今様手引草(1889)]   [雅俗必携 月琴自在]

大清楽譜(1880)
山下松琴(水和堂)著,小林松堂校
東京:川流斎,明13.12



村田きみ『清楽雅譜』明治15年(1882)2月
編輯兼出版人 村田きみ 静岡県平民
近代デジタルライブラリー
明清楽,月琴,楽譜,清楽


藤林美納『月琴はや覚』明治15年(1882)12月11日御届 同・15日出版
編輯兼出版人 東京木挽町三丁目三番地 藤林美納
発売人    同 芝口壱丁目六番地  泉村銀二

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国立国会図書館デジタルコレクションのこちらの頁にも収録

 
清風雅唱
明治16年(1883)11月出版御届 著者 静岡県士族 富田 寛

坂田古典研究所蔵本


明治中期
清風柱礎(1884)
明治16年11月30日版権免許、同17年出版、同31年1月5日求(ママ)版
編輯者 清風舎富田 寛静岡県士族 神田区三崎町2丁目13番地
発行者 井上藤吉

※「九連環」は収録無し。


富田寛『清風雅唱』第貳輯 明治17年(1884)6月出版御届 著者 静岡県士族 富田 寛
収録曲は「雷神洞 林冲夜奔 孟浩然」。[
清風雅唱(1891)]と同様の内容。


洋峨楽譜(1884) 乾之巻・坤之巻
九十四曲収録
明治17年7月4日御届、同年同月廿日出版、編輯人 石川県士族 高柳精一 富山県越中国射水郡高岡 片原町四十四番地書留、出版人 富山県平民 国本勝治郎 富山県越中国射水郡高岡 三番町四十三番地

長崎明清楽の故・中村キラ氏が所持していた『洋峨楽譜』はこれである(山野誠之氏の論文「長崎明清楽『金線花』演奏に関する音韻論的研究」を参照)。同名異本に
沖野勝芳(竹亭)編『洋峨楽譜』(1898)がある。


袖珍月琴譜めくら杖(1885)
野村正吉編
東京:蔓霄堂,明18.7



清楽詞譜・巻一(1884)
明治17年5月14日版権免許 同年6月出版
輯人 東京府平民 長原梅園 ・ 同府平民 坂上半七
出版人 同府平民 宮田六左衛門
清楽,明清楽,月琴,長原梅園

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清楽詞譜・巻二(1885)
長原梅園 著。明治18年8月出版、東京。
【奥付=右の画像より】
清楽詞譜巻二
明治十七年五月十四日版権免許
同 十八年八月 出版
            定価金五拾銭
輯人 出板人
 東京府平民 長原梅園 麹町区富士見町壱丁目廿七番地
 同 府平民 坂上半七 日本橋区本市町十軒店
 同 府平民 宮田六左衛門 呉服町拾壱番地
弘通書肆
 大坂 梅原亀七 岡島真七 文学社支店
 長野県 青雲堂呈十郎
 東京 北畠茂兵衛 稲田佐兵衛 丸家善七 吉川半七
其他清楽教授家ニ於テ売捌仕候



弄月余音(1885)
長原松隣(長原彌三郎)著
長野県松本,明治18.3

序文を読むと、地方でも清楽の演奏を楽しむ文化が浸透していたことがわかる。

この写真のように、木刊印刷本や手抄本の清楽譜本には、朱筆でリズムを加筆したものがある。 例えば、工尺譜の漢字と漢字をタテ棒で結んであるのは、五線譜でいえば八分音符にあたる短い長さの音であることを示す。
こうした朱筆の書き込みの有無を見てゆくと、初心者もよく演奏していた曲目と、本に収録されていても実際にはあまり演奏されなかった (上級者向けに限られていた)曲目と、同じ清楽曲でも差があったことがわかる。
別の『弄月余音』





月琴俗曲爪音の余興(1886)
明治19年2月26日 板権免許、同年6月 出板、明治21年10月2日 印刷、同年10月12日 再板
定価金20銭、編輯人 東京府平民長原梅園麹町区富士見町1丁目27番地、…(以下略)
※「九連環」等の清楽曲は収録せず。


同じ発行日なのに、印刷人の名前が違う。↓


清楽譜(1887)
一色親子等編
名古屋:片野東四郎〔ほか〕,明20.10



清風歌唱(1887)
秋山鹿園著,石川松仙校 東京:井口松之助,明20.5 題簽の書名:清楽韻歌詞譜




月琴雑曲清楽の栞(1888)
東京・岡本純(著者)、東京・井ノ口松之助(発行者)、明治21年5月5日出版、正価金30銭

あらかじめ工尺譜にリズム(各音符の長さ)を印刷した清楽譜本は、このころから普及しはじめる。
それまでの清楽譜本の工尺譜は、リズム表記が不完全であるため、師匠(ないし中間教授者)から音符の長さを習って自分で加筆しないと、演奏を完全に再現できなかった。
本書は、工尺譜の各字(音符)の長さだけでなく、装飾音(いわゆる「手」)の工尺譜までもが小字で印刷されている。
江戸から明治前期までの清楽教習システムが、明治中期から、独学も可能なシステムへと移行しはじめたことをうかがわせる。
歌詞の意味を日本語で解説しているが、知恵の輪である九連環を「指輪」と勘違いしているなど、間違いが多い。


月琴雑曲清楽の栞続篇(1888)
東京・岡本純(著者)、東京・井ノ口松之助(発行者)、明治21年8月30日出版、明治23年(1890)7月18日三版

奥の日本婦人は三味線を、手前の三人の唐人は左から提琴、清笛、月琴を奏でている。



『清楽意譜 附 端唄大津絵節』(西奏楽意譜 巻之上)
明治21年(1888)8月20日印刷
明治21年(1888)8月20日御届
明治21年(1888)9月2日発行
編輯人 冨樫悌三 白山公園地平民 ※「悌」の字の一部が虫食い
発行所 桜井産作 新潟区本町六番町十二番戸平民
印刷人 竹見米吉 古町通一番町十二番戸平民

【収録曲名】 算命曲 九連環 四季 櫓歌 脚魚売 尼姑思還 鳳陽調 紗窓(原本では「砂窓」と誤記) 親母閙 補矼 抹梨花(「茉莉花」と同じ)  将軍令 月花集 巧韻 魚心調 南京四季 金銭花  林氏流水 厦門流水 金銭花初引 遊板 朝天子 莫命 流水 銀紐糸  平板串 哈々調(原本では「哈」の字は、口へんの右横に「命」) 嗩吶皮(原本では「鎖納皮」) 西皮 平板 日日有  霜降郎 行板 西皮断 断板
春雨 大津絵節 松尽し 仙台節






清風雅唱 外編(1888)
「九連環」は収録せず。





明清楽譜(1889)
編輯・出版:松本藤七(岐阜県平民)
 工尺譜のみ。序文(上掲写真)あり。「天地人」三巻、小型本。
 九連「還」と記すなど誤字多し。
 収録曲目は
こちらも参照
 長野県の『弄月余音』と同様、地方の出版なので珍しい本であり、研究者や図書館が作成した清楽譜の刊行リストなどでも本書の存在は未収録であることが多い。
 奥付より
 明治廿二年五月廿日御届 / 岐阜県美濃国安八郡 / 南寺内村壱番地平民 / 編輯出版人 松本藤七 / 定価四拾銭


長原梅園『月琴俗曲今様手引草』 明治22年(1889)5月24日印刷・出版
清楽譜ではなく、日本の俗曲の歌詞と工尺譜を収録した本であるが、参考までに掲げる。
明清楽,月琴,楽譜,清楽 明清楽,月琴,楽譜,清楽
雅俗必携 月琴自在(1889)
明治22年4月28日印刷 明治22年5月3日出版 定価二十五銭
著作者 群馬県上野国碓氷郡原市百四十八番地 平民 山本有所
発行者 東京京橋区新湊町四丁目一番地 寄留平民 高塚兼太郎
印刷者 東京深川区東方町十六番地 士族 東条鶴吉




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