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![]() 右端の遊女は京胡を、左端の後ろ向きの唐人は長棹型の月琴(阮咸)を弾いている。 クリックすると拡大。 |
参考 「長崎の夜景が最も美しく見える宿矢太樓」 mp3で「九連環」の歌と演奏が聴ける。 |
(1)中国(民歌) | →(2)日本への渡来(清楽) | →(3)日本国内での演変(俗曲、演歌、新民謡、歌謡曲) |
九連環系歌曲群 | 「我的」系九連環→遠州(漂着唐船) | …→「看看」系と合流? |
「看看」系九連環→長崎→全国 |
鄙俗化:かんかんのう系→梅ヶ枝の手水鉢、野球けん(?)など 通俗化:法界節系→新法界節→サノサ節→むらさき節・鴨緑江節など |
![]() 下記の五線譜はD調です。 ![]() |
上人為少女宗、言「九連環」首章。宗低首良久、曰、不是剛(ママ)鉄、必純金。不然、能勝刀撃邪。上人笑曰、
季蘭与礼法家、率然得未曾有佳対。(『文集初編』巻二「送一圭上人序」) 一圭から「九連環」の歌を教わっていた四女宗は、第一章の「双手拿来解不開。 拿把刀児割。 割不断了」というくだりの説明を聴いては、しばらく考え込んだ後、真面目な顔で 「是れ鋼鉄ならずんば、必ず純金ならん。然らざれば、能く刀撃に勝(た)へんや」と言うのである。 ──中尾友香梨「亀井昭陽を魅了した清楽」、『南腔北調集 中国の伝統と現代 山田敬三先生古稀記念論集』1997,p.168 |
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看看也。 賜奴的九連環。 九呀九連環。 双手拿来解不開。 拿把刀児割。 割不断了也也呦。 誰人也。 解奴的九連環。 九呀九連環。 奴就与他做夫妻。 他門是个男。 男子漢了也也呦。 |
カン カン エエ スウ ヌ テ キウ レン クワン キウ ヤ キウ レン クワン シャン シュ ナア ライ キャイ ポ カイ ナア バア タウ ルウ カ カ ポ ドワン リャウ エエ エエ ユウ ジュイ ジン エエ キャイ ヌウ テ キウ レン クワン キウ ヤ キウ レン クワン ヌ ジウ イュイ タア ツヲ フウ ツイイ タア メン ズウ コ ナン ナン ツウ ハン リャウ エエ エエ ユウ |
「カンカンノー」の歌詞 (落語「らくだ」他) かんかんのう きうれんす きゅうはきゅうれんす さんしょならえ さあいほう にいかんさんいんぴんたい やめあんろ めんこんふほうて しいかんさん もえもんとわえ ぴいほう ぴいほう |
「九連環」の歌詞 カン カン エエ スウ ヌ テ キウ レン クワン キウ ヤ キウ レン クワン シャン シュ ナア ライ キャイ ポ カイ ナア バア タウ ルウ カ カ ポ ドワン リャウ エエ エエ ユウ |
工四上尺工上四合々。ミラ,ドレミドラ,ソ,ー 上'上'合四。ド'ド'ソラ 四上'四上'四上'合々。ラド'ラド'ラド'ソー 四上'四上'合々。ラド'ラド'ソー 工々尺工六五六工尺上尺上。ミミレミソラソミレドレド (最後の一行はリフレイン) リズムや絶対音高を補い、ネット上の世界標準である「ABC記譜法」でメロディーを示すと、右のようになる。 |
X: 1 T:kyuurenkan(1) M:2/4 L:1/4 K:D D D/F/ | E2 | F B,/D/ | E/F/ D/B,/ | A,3/2 z/ | d d/A/ | B2 | B/d/ B/d/ | B d | A3/2 z/ | B/d/ B/d/ | A3/2 z/|: z/ F F/| E/F/ A | B/A/ F/E/ | D3/2 E/ |D2 :| ![]() |
T:kyuurenkan(2) M:2/4 L:1/8 K:D D>E FA | E-E/F/ E/F/ E/D/ | F F/D/ B,D | E E/F/ D/E/ D/B,/ | A,>F A/F/ A/B/| d>d dA | B B/d/ F/E/ F/A/ | B d B d | B/B/ A/B/ d/e/ d/B/ | A A,/A,/ AA | BA Bd | A A, A A/A/ |: z F2 D| EF A d/d/ | BA FE| D>D D E |D3 z :| ![]() |
日本・清楽 明治10年刊『月琴楽譜』 |
看看也 | 賜奴的九連環 | 九呀九連環 | 双手拿来解不開 | 拿把刀児割 | 割不断了也也呦 | 備考 楽譜有り | |
日本『唐舶漂着雑記』 | 我的吓 感郎的、呀呀呦 呀吓、呀呀呦 看看吓 | 送奴個九連環 | 九呀九連環 | 双手拿来解不開 | 奴把刀児割 | 割不断了、呀呀呦呦 | 備考 楽譜無し | |
日本・滝沢馬琴 『著作堂一夕話』 |
我的吓、 感郎的、呀呀有 呀吓、呀呀有 看看吓 |
送奴個九連環 | 九吓九連環 | 双手拿来解不開 | 奴把刀児割 | 割不断了、呀呀有有 | 備考 楽譜無し | |
日本・俗謡 かんかんのう |
かんかんのー | きうのれす | きゅーわきゅれんす | さんしょならえー | さーいほー | しーかんさん | 備考 楽譜有り | |
中国・北京 李家瑞編『北平俗曲略』 <乾隆年間『百本張抄本』 |
奴的[口夜]干郎児、 [口亦]呀児喲、 [口亦]呀[口亦]呀児喲、 情人児喲 | 送了奴把九連環 | 九哇九連環 | 双双手児解不開 | 拿把刀児割 | 割不断児来[口亦]呀児喲 | 備考 工尺譜有り。 [詳細はこちら] | |
中国・浙江省(1)金華市 『中国民間歌曲集成・浙江巻』1993年384頁 |
親哥哥 | 送奴一根九連環 | 九連環([口阿]) | 十指尖尖解不開 | 拿把刀児割 | 割也割不動、(呀、[口伊]得児[口阿]・・・[略]) | 備考 [詳細はこちら] | |
中国・浙江省(2)麗水市 『中国民間歌曲集成・浙江巻』1993年384-5頁 |
情哥哥 | 贈把奴九連環 | 九[口伊]九連環([口阿]) | 十指尖尖解不開 | 拿把刀来割 | 割呀割不断、(呀、呀得児・・・[略]) | 備考 数字譜 | |
中国・浙江省(3)楽清県 『中国民間歌曲集成・浙江巻』1993年385-6頁 |
到春来 | 又到春上来 | 牡丹花開 | 一朶花児開 | 紫燕成双飛 | 飛来飛去成双、作対飛。 | 備考 数字譜 | |
中国・福建省 『中国民歌集成・福建巻』1996年1112頁 |
有情人 | 送奴麽一把九連環 | 九呀九連環([口阿]) | 十指尖尖解不開 | 拿把刀来割 | 割(也)不断、(呀[口那]呀[口那]呀) | 備考 数字譜/五線譜 | |
中国・陝西省 歌手:杜錦玉、採録:1961年 『声音博物館』2005年1月刊 |
情人喲哎哎 | 送奴一个九哇連的環 | 九呀九連環 | 双双手児解不的開 | 拿上把刀児割哎 |
割呀哎哎、 割呀哎哎、 割呀割不断来麼呀得児咿得月得児月 | 備考 数字譜有り [詳細はこちら] | |
江蘇民歌 九連環 張前『中日音楽交流史』 | 胡蝶呀 | 飛来又飛去呀 | 飛来又飛去呀 | 飄飄蕩蕩進花園呀 | 小妹妹上前撲 |
撲呀撲勿到呀 咿得児呀得児喲哎、 得児喲哎、 得児咿得児呀得児喲哎、 得児喲哎 | 備考 五線譜有り |
![]() 「百本張抄本」の工尺譜を張仲樵氏が訳譜したもの ![]() 以下略。 |
![]() ![]() 『中国民間歌曲集成・福建巻(下)』(中国ISBN中心出版、1996年・北京)p.1112-p.1115に載せる数字譜(「周雪花唱 鄭一源記」)の一部を、加藤が五線譜に直したもの。 原譜は歌詞の三番まで載せる。ここでは、歌詞の一番の部分と、その前後の前奏と間奏の部分のみMIDI化した。 原譜では、yaは「口へんに牙」、durは「口へんに都」、yiは「依」という漢字で表記してある。 原譜の注には「ya dur は、歌うとき舌を震わせる」とある。 |
![]() ![]() 『中国民間歌曲集成 浙江巻』(人民音楽出版社、1993年)p.384に載せる数字譜(「陳素蓮唱 方康明・呉根林記」)を加藤が五線譜に直したもの。 |
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![]() 【歌詞】大([口牙])雪児飄飄、飄来飄去三十六丈高、 送奴家([口牙])一箇九連環、解([口牙])解不開([口牙]) [口×(伊牙伊)]得[口約] [口×(伊牙伊)]得 [口×(約艾艾亥約)] (杜観慶唱 張道興記) 『中国民間歌曲集成・安徽巻』通番「599.九連環」に載せる歌詞付きの数字譜を加藤がMIDI化に直した。 |
![]() 【歌詞】有情我的郎、 | 相送奴家九連環、 | 九是九連環(口×[艾亥約]) | 十指我的尖尖 | 解不脱、 | 拿把菜刀割、 | 割[口牙]割不断([口羅][口伊]) | 洋得児[口伊]得児[口約]、 | 洋得児[口伊]得児、洋得児[口伊]得児、 | 洋得児[口伊]得児[口約]、 | 洋得児[口伊]得児[口約]、 | 洋得児[口伊]得児、洋得児[口伊]得児、 | 洋得児[口伊]得児[口約]得、 | [口約]得児[口約]。 || (岑子明唱 潘名揮記) 『中国民間歌曲集成・貴州巻』通番「150.九連環」に載せる歌詞付きの数字譜を加藤がMIDI化に直した。 |
![]() ![]() 中国・陝西省 歌手:杜錦玉、採録:1961年 王洗平主編『声音博物館』(中国水利水電出版社、2005年1月刊)pp301-303に載せる歌詞付きの数字譜を加藤が五線譜に直した。 |
(クリックすると拡大) ![]() ![]() |
清朝時代の中国 | →江戸・明治期の日本 | →江戸〜昭和の日本 |
俗曲「九連環」 | 清楽「九連環」 |
○江戸時代の「かんかんのう」・唐人踊 cf.落語「らくだ」死人(しびと)のかんかん踊り ↓替え歌 ○明治時代「ホーカイ節」「さのさ節」「むらさき節」「くれ節」「鴨緑江節」「満州節」「とっちりちん」「梅ケ枝節」 ○昭和12年「もしも月給が上ったら」(林伊佐緒、新橋みどり・歌) ○大正13年「野球拳」 |
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日本唄 | かんかんのふ | きうのれんす | きうれんす | きうはきうれんす | さんちよならへ | さあいほう |
漢字 | 看看阿 | 久阿恋思 | 久久恋思 | 久阿久恋思 | 三叔阿 | 財副 |
発音 | かんかんのう | きうのれんすう | きうれんすう | (原欠) | さんしょのう | (原欠) |
和解 | ミヨミヨ | 久敷恋思ふ | 久々恋思ふ | 同上 | 他人を叔父分にて尊み申す言葉也、三男を三叔と申候、女より恋思ふ人をさして、尊みし言葉也 | 藩方役人の事 |
日本唄 | にいくわんさん | いんひいたいたい | へんあろ | めんこうふはうて | しんかんさん | もへもんとはいいひいはうはう |
漢字 | 二官様 | 戒指大大 | 送你 | 面孔不好的 | 心肝 | 男根大陰門はうはう(ママ) |
発音 | にいくわんさん | きやそうたあ | そんにい | めんこんふはうて | しんかん | もへもんとはいい ひい よしよし |
和解 | 二男の事、総領を一官、二男を二官と申す。跡は右に准ず、二官の二を唐音はルウと申候得ども、所なまりてニイとも申候 | わ(ママ)びがね大分 | おくること、是は唐館門にての和語にて指金の事をいんひいと申候、大分のことをたいたいと申、おくるをやろうと申候、遊女のことば也 | 顔のよくない | 色黒きと云事(以下省略) | 右男根をもへんもんと申候、ヒイもへもんと申は唐音にても和語にてもなく、唐館の遊女の言葉也、トハイイと申は唐福州の俗語にて、大なる事をトハイイと申候(以下略) |
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著作堂雑記抄 (文政期) | かんかんのう | きうのれんす | きうれんす | きうはきうれんす | さんちよならへ | さあはほう | にぃくわんさん |
遊歴雑記 (文政期) | かんかんのう | きうれんす | きゆわきゆです | ── | さんじよならえ | さいほう | にいかんさん |
かんかんぶし (江戸後期) | かんかんのふ | きうのれんす | きうハきうれんす | きふハきうれんれん | さんちよならへ | さぁいほう | にくハんさん |
甲子夜話 (文政五年以降) | かんかんのふ | きうのれんす | きうはきうれんす | きうはきうれんれん | さんちよならへ | さァいほう | にいくわんさん |
視聴草 (天保期) | かんかんのう | きうれんす | きうハきうれんす | ── | さんじよならえ | さいしゃう | にいくはんさん |
守貞謾稿 (嘉永六年) | かんかんのう | きうのれす | ── | きうはきうれんれん | さんしよならへ | さあいほう | にいくわんさん |
上野村文化財 (現在) | かんかんのう | きゅうのりす |
きはきです (きゅはきゅれす) | ── |
さんしょならえ (さんしょならい) | さあいほおい | みいかんす |
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著作堂雑記抄 (文政期) | いんひいいたいたい | へんあろ | めんこんふはうて | しんかんさん | もへもんとはいい | ひいはうひいはう |
遊歴雑記 (文政期) | いつぴんたいたい | やあんろ | めんこがしはうで | しんかんさん | もえもんとはえ | ひいはうひいはう |
かんかんぶし (江戸後期) | いんぴいだいだい | やんあぁろ | めんこんほはうで | しんこんさん | もへもんとハいゝ | ひいはうひいはう |
甲子夜話 (文政五年以降) | いんひいたいたい | やんあァろ | めんこんほほらて | しんかんさん | もへもんとはいゝ | ひいはうはう |
視聴草 (天保期) | いつぴんたいたい | やああんろ | めんかうをはうて | しんかんさん | もえもんとはいて | ひいはうひいはう |
守貞謾稿 (嘉永六年) | いんぴんたいたい | やぁあんと | めんこがこかくて | しいくわんさん | もへもんとは□ | ひいほうひいほう |
上野村文化財 (現在) |
いっぴんだいだい (いっぴんらいらい) | やははんろ | ちんぴがからくて | すいかんす |
とてつらしゃんしゃん (すてつるしゃんしゃん) |
とてつらしゃんしゃん (すてつるしゃんしゃん) |
↓クリックすると拡大![]() 合奏曲「漢々能」KANKAN-NO 永井岩井撰曲、小畠賢八郎調曲『日本歌曲集』(付:手風琴独習譜、和漢洋楽器使用法) 三木書店(大阪)、明治25年(1892)10月 2台の手風琴(アコーディオン)と打楽器による合奏譜。 ![]() ![]() (2)のほうがポピュラーな旋律である。 |
![]() レレ レド、レーー ド、ミレ ドら、そーー そ、ら[ドド] らそ、らーー そ、ら[ドド] らそ、らーー ド、 レーー ド、レーー ド、レミ ドら そー (休)。 れー ミー、レー ドー、レーー ミ、レー (休)、ドレ ミミ、レミ ドド、レレ ドら、そー (休) |
![]() ![]() この楽譜は、参考サイト[(群馬県)上野村商工会・文化財「カンカンノー(かんかん踊り)[乙父]」]で聴ける「唄」の歌唱部分を、加藤が五線譜に起こしたもの。(この旋律は、鍵盤楽器の黒鍵部分だけで弾くとちょうど良い高さになります)。 上記サイトによると、上野村に伝わる文化財「かんかん踊り」は、昭和35年(1960)12月13日、NHK主催の群馬県民俗芸能大会に出演してから広く知られるようになった。 踊りは行列式で、赤い襦袢に三尺をしめ、頭にシンモスの草色の鉢巻をして手踊り形式で踊り、足も良く使う。囃子方は音頭取りがいて、太鼓と笛で賑やかにやる。最近は乙父神社祭典余興の一つとして披露されている。 |
「…(前略…)そのなかで変っているのは唐人飴(とうじんあめ)で、唐人のような風俗をして売りに来るんです。これは飴細工をするのでなく、ぶつ切りの飴ん棒を一本二本ずつ売るんです」 「じゃあ、和国橋(わこくばし)の髪結い藤次の芝居に出る唐人市兵衛、あのたぐいでしょう」 「そうです、そうです。更紗(さらさ)でこしらえた唐人服を着て、鳥毛の付いた唐人笠をかぶって、沓(くつ)をはいて、鉦(かね)をたたいて来るのもある、チャルメラを吹いて来るのもある。子供が飴を買うと、お愛嬌に何か訳のわからない唄を歌って、カンカンノウといったような節廻しで、変な手付きで踊って見せる。まったく子供だましに相違ないのですが、なにしろ形が変っているのと、変な踊りを見せるのとで、子供たちのあいだには人気がありました。いや、その唐人飴のなかにもいろいろの奴がありまして……」 ──岡本綺堂『半七捕物帳』「唐人飴」より |
![]() 明治11年(1878) ![]() 【元歌】梅ヶ枝の手水鉢 叩いてお金が出るならば もしもお金が出たならば その時ゃ身受けを それ頼む 【替唄】この頃の米相場 当って儲けになるならば もしも儲けになるならば その時ゃ芸者衆を それ頼む 【替唄】青柳(あおやぎ)の風の糸 結んで縁(えにし)になるならば もしも縁になるならば 桜の色香(いろか)を それ頼む |
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「かんかんのう」(![]() X:1 T:kankannoo M:4/4 L:1/8 K:A B2 B>A B4 | c>B A>F E2 z2 | F>A F>E F2 z2 | F>A F>E F2-F>A | B2-B>A B4 | B>c A>F E2 z2 | |
![]() ![]() 春風に、庭に綻ぶ梅の花。鶯、止まれや。あの枝に。ささ、ホーカイ。 そちが囀りゃ、梅が物言う心地する。ホーカイ、ホーカイ。 (最後の「ホーカイ」を「ホケキョ、ホケキョ」と歌う場合もある)。 |
![]() 明治26年(1893)10月刊、東京・東雲堂。折本。 |
![]() 明治26年(1893) ![]() 春風に、庭に綻ぶ梅の花。鶯、止まれば、ホーホケキョ、ささホーカイ。 お前が止まれば、梅がもの言う心地する。ホーホケキョ。 一日も、早く年明(ねんあ)け 主(ぬし)のそば。縞(しま)の着物に繻子(しゅす)の帯、ささホーカイ。 似あいますかえ、素人(しろうと)じみたか見ておくれ、上等、舶来(はくらい)。 |
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明治32年(1899) 上記の「その1」の楽譜 ![]() 花づくし 山茶花 桜に 水仙花 寒に咲くのは梅の花 牡丹 芍薬 ネ 百合の花 おもとの事なら南天 菊の花 サノサ 月づくし 三笠の山では春の月 四条がわらの夏の月 石やまでらのネエ秋の月 田ごとさらしな冬の月 サノサ |
夏目漱石『坊っちゃん』(明治39年=1906)より、「うらなり」の送別会のシーン 向うの方で漢学のお爺さんが歯のない口を歪めて、そりゃ聞えません伝兵衛(でんべい)さん、お前とわたしのその中は……とまでは無事に 済したが、それから? と芸者に聞いている。爺さんなんて物覚えのわるいものだ。一人が博物を捕(つら)まえて近頃こないなのが、で けましたぜ、弾いてみまほうか。よう聞いて、いなはれや――花月巻(かげつまき)、白いリボンのハイカラ頭、乗るは自転車、弾くはヴァイオリン、半 可(はんか)の英語でぺらぺらと、I am glad to see you と唄うと、博物はなるほど面白い、英語入りだねと感心している。 ![]() ![]() |
![]() ![]() 参考 『日本のうた 第1集明治・大正』野ばら社、1998年 |
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![]() 歌詞(取扱注意) | |
一、 | 朝鮮と、ヨイショ
支那の境のアノ鴨緑江
流す筏は、アラよけれども、ヨイショ
雪や氷にヤッコラ、閉ざされてヨ
明日も又、新義州に(或は「安東縣」に)
着きかねる、チョイチョイ |
二、 |
朝鮮と、ヨイショ
支那の境のアノ鴨緑江
架けし鉄橋はアラ東洋一、ヨイショ
十字に開けばヨ、アラ真帆方帆ヨ
行き交ふ又戎克(じゃんく)の
賑はしさ、チョイチョイ |
三、 | 朝鮮で、ヨイショ
一番高いはアノ白頭山
峰の白雪 アラ 解くるとも、ヨイショ
解けはせぬぞへ、アラわしが胸ヨ
あけくれ又
あなたの夢ばかり、チョイチョイ |
四、 | 鳥ならば、ヨイショ
飛んで行きたや彼の家の屋根に
木の実茅の実 アラ食べてでもヨイショ
駆れて泣く声ヨ、アラ聞かせたらヨ
よもや又
見捨てはなさるまい、チョイチョイ |
五、 | 新世帯、ヨイショ 駆れぬ竈(かま)に生薪くべて セリフ甲「おい馬鹿に煙いぢゃないか」 セリフ乙「だって燃えないんですもの」 叱らず教へてアラ頂戴な、ヨイショ 三味線持つ手にヤッコラ火吹竹ヨ ほんに又 あなたは罪な人 チョイチョイ |
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↓西尾治郎平・矢沢保編『増補改訂版日本の革命歌』(一声社、1974年初版、1985年増補改訂版)p.138より引用 「教労かあるいは演劇同盟から出たものかよくわからない。市川元はもともと声楽家だが作曲もし、新築地劇団で劇団の音楽をしばしば担当している。」 【注意】戦時中の国策アニメ映画『桃太郎 海の神兵』(昭和20年4月公開)の挿入歌「アイウエオの歌」(サトウハチロー作詞、古関裕而作曲)とは、全く別の曲である(国策アニメ版の「アイウエオの歌」のほうは、戦時中にこれを見て感動した手塚治虫が、後にテレビアニメ『ジャングル大帝』の中で動物たちに言葉を教える「アイウエオの歌」としてオマージュしたことで有名)。 【著作権について】「革命歌」(プロレタリア童謡)である本曲の著作権は、日本音楽著作権協会の「作品データベース検索」(こちら)によると「無信託」となっております。 |
九連環 | 看看 ドードミ | 拿把刀児割 ラーどーラーどーソー | 割不断了也也呦 ミーミレミソ、ラソミレドーレドー |
アイウエ オの歌 |
アイウエ ドドドミ | カキクケコ ラーラシどーラーソー | (コド)モハピオ(ニー)ロ、ピオニーロ ミーミーレーミ(略)ミーソ、ラソミレドー |