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『声に出して読みたい日本語』 齋藤孝 著 |
(草思社,2001,\1,200) |
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生涯の宝物になる日本語 〜鍛え抜かれ、滋養にみちた言葉を 暗誦・朗誦すると心と身体が丈夫になる〜
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いま、暗誦文化は絶滅の危機に瀕している。かつては、暗誦文化は隆盛を誇っていた。小学校の授業においても、暗誦や朗誦の比重は低くなってきているように思われる。・・・・・・歴史のなかで吟味され生き抜いてきた名文、名文句を私たちのスタンダードとして選んだ。声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。そして身体に活力を与える。それは、たとえしみじみしたものであっても、心の力につながってくる。
はじめに
一 腹から声を出す
「知らざあ言って聞かせやしょう」 …【歌舞伎】弁天娘女男白浪(白浪五人男) 河竹黙阿弥 「どっどど どどうど どどうど どどう」 …風の又三郎ほか 宮沢賢治 「てまえ持ちいだしたるは、四六のがまだ」 …【大道芸】がまの油 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」 …平家物語 「赤城の山も今夜を限り」 …【新国劇】国定忠治 行友季風 他
二 あこがれに浮き立つ
「まだあげ初めし前髪の」 …初恋 島崎藤村 「不来方のお城の草に寝ころびて」 …啄木歌集 石川啄木 他
三 リズム・テンポに乗る
「驚き桃の木山椒の木」 …付け足し言葉 「生麦生米生卵」 …早口言葉 「あらまあ、金ちゃん、すまなかったねえ」 …【落語】寿限無 「痩蛙まけるな一茶是に有」 …一茶俳句集 小林一茶 他
四 しみじみ味わう
「牀前 月光を看る」 …【漢詩】静夜思 李白 「此の世のなごり。夜もなごり」 …【文楽】曾根崎心中 近松門左衛門 「ゆく河の流れは絶えずして」 …方丈記 鴨長明 他
五 季節・情景を肌で感じる
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ」 …雪 三好達治 「春はあけぼの。やうやうしろくなり行く」 …枕草子 清少納言 「春すぎて夏きにけらし白妙の」 …百人一首 他
六 芯が通る・腰肚を据える
「真人の息は踵を以てし」 …荘子 「秘すれば花なり」 …風姿花伝 世阿弥 「千日の稽古を鍛とし」 …五輪書 宮本武蔵 他
七 身体に覚え込ませる・座右の銘
「子曰わく、学びて時に之れを習う」 …論語 孔子 「少年老い易く学成り難し」 …【漢詩】偶成 朱熹 他
八 物語の世界に浸る「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に」 …伊豆の踊り子ほか 川端康成 「いまは昔、竹取の翁といふもの有けり」 …竹取物語 他
おわりに[身体をつくる日本語] |
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