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KATO Toru's concertina page
コンサーティーナ入門(4)

最初の公開2011-10-23 最新の更新2017-4-22
[指の名前] [まず「おへそ」のボタンを探そう] [運指はさまざま] [西塚式音名表記(ドデレリ)]
[ボタンの配列表] [40ボタンの配列] [配列表の見かた] [各ボタンの音の高さ]
[W-40-M音域表] [ボタンの番号のふりかた] [ボタン数と弾ける曲]


左から、バスターリの40ボタン、30ボタン、20ボタン。30ボタンだけやや小さいことに注意。


【まず自分の指の名前を確認しよう。左手も右手も同じ】
 楽器や楽譜では、1から5までの数字(ピアノ等で使う)や「p i m a ch」(ギター等で使う)などの略号を使います。

第一指(1の指)pthumb親指、とうさん指、母指(ぼし)、拇指、大拇指、大指、…
第二指(2の指)iindex finger人差し指、かあさん指、食指、…
第三指(3の指)mmiddle finger中指、にいさん指、長指、…
第四指(4の指)aring finger薬指、ねえさん指、無名指、べに指、紅さし指、…
第五指(5の指)chlittle finger小指、あかちゃん指、小拇指、季指、…
【参考】漢字で「母指」と書くと、「かあさん指」(第二指)ではなくて、「とうさん指」(第一指)の意味になります。

【ピアノは親指も使うけれど、親指を使わない鍵盤楽器も多い】
portative organ,portatif organ,portativ organ  第一指は、他の四本の指と向きも長さも違うため、昔のヨーロッパの鍵盤楽器奏者のあいだでは「悪魔の指」と呼ばれ、演奏では第一指を使いませんでした。また第五指も他の指より極端に短いため、昔の鍵盤楽器では敬遠されました。
 例えば、15世紀末の絵に画かれている「ポルタティフ・オルガン」(近代の蛇腹楽器のルーツの一つ)の鍵盤は、長さが寸づまりで、最初から親指が使えない構造になっています。

 鍵盤楽器の演奏で、
 「2 3 4」の三本の指を使うのを「三指法(さんしほう)」
 「2 3 4 5」の四本の指を使うのを「四指法(よんしほう)」
 「1 2 3 4 5」の五本の指を使うのを「五指法(ごしほう)」
と呼びます。
 近現代のピアノ式鍵盤楽器では五指法が普通になっていますが、数百年前のヨーロッパの鍵盤楽器では三指法や四指法が標準でした。
 ボタン式鍵盤のアコーディオンやコンサーティーナは、数百年前の古い時代の鍵盤楽器の影響もあり、今も三指法や四指法が普通となっています。


【まず「おへそ」のボタンを探そう Search the bellybutton!】
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【ボタンの配列表】
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40ボタンのC/G調アングロ・コンサーティーナ
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上記の図の左右中心部拡大版
右手(高音部)
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左手(低音部)
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概念図表 左手は低音側。
左手 1 2 3 4 5 6 7
上押
上引
E3 A3 C♯4 A4 A♭4 F♯4
F3 B♭3 E♭4 G4 B♭4 C♯4
中押
中引
C3 G3 C4 E4 G4 B♭4
G3 B3 D4 F4 A4 C♯5
下押
下引
B3 D4 G4 B4 D5 F4
A3 F♯4 A4 C5 E5 A♭4
外押
外引
C4
C4
右手は高音側。「上段7」は私の機種はたまたま「押C7引D6」だが、反対の「押D6引C7」のほうが普通。
右手 1 2 3 4 5 6 7
上押
上引
F♯5 C♯5 A5 A♭5 C♯6 A6 C7
C♯5 E♭5 G5 B♭5 E♭6 F6 D6
中押
中引
F5 C5 E5 G5 C6 E6
G4 B4 D5 F5 A5 B5
下押
下引
B♭5 G5 B5 D6 G6 B6
A♭5 F♯5 A5 C6 E6 F♯6
外押
外引

E♭5
D5

A4 E5

【初心者は、ボタンに番号をふっておくと便利】
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【アングロ・コンサーティーナの弾きかたは、さまざまである】
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【西塚式音名表記】
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【配列表の見かた】
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【各ボタンの音の高さ】
五線譜と比べてみましょう。
例えば、左手の中段の左端(中段・I行)にあるボタン(1)は、蛇腹を押した時はC3の高さの音が、引いた時はG3の音が出ます。
この他、(2)(3)(10)(9)(10)(40)の各ボタンを選んでそれぞれの音高を五線譜で書くと、以下のとおりです。
concertina,コンサーティーナ
筆者が使っている「W-40-M」というコンサーティーナの場合、最も低い音はボタン(1)を押さえて、蛇腹を押した時に出るC3。最高音は、ボタン(40)を押さえて、蛇腹を押した時に出るC7です。
最低音のC3から、最高音のC7まで、4オクターブという広い音域です。
「常用音域」であるC4からG6までの2オクターブ半は、半音も含めて全ての音を鳴らせるようになっています。
B3以下の低音域と、G6以上の高音域は、音域拡張のため飛び石的に音が出る(半音等を省略する)、いわゆるショート・オクターブ(short octave)的な配列になっています。

繰り返して言いますが、上記の表を記憶する必要は全くありませんので、ご安心ください。
ただし、上記の表の「意味」を理解することは、おすすめします。コンサーティーナのボタン配列の「考えかた」を理解すれば、ずっと弾きやすくなるからです。


【ボタン番号のふりかた】
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【ボタン数と弾ける曲】
アングロ・コンサーティーナの「潜在的演奏能力」は、ボタンの数と比例する。
無いボタンの音(特に半音)は出せない(当たり前の、シビアな現実)。
右手(高音部)で主旋律を、左手で伴奏(和音伴奏や対旋律など)を弾く場合、弾ける曲目例は、下記のとおり。
練習曲「人間みな兄弟 〜夜がくる」
「ハ短調」での演奏例。

和音伴奏コード
Cm,Fm,Cm,Eb,Fm,G.
Cm,Fm,Cm,G,Cm,Gm(繰り返し)
20ボタン・C/G調
実際は10ボタン(一番上の列だけ)で弾ける
「山の音楽家」「かえるのうた」
20ボタン
20ボタンで「河は呼んでいる」
L'Eau Vive (1957)
40ボタンで、「天空の城ラピュタ」より「君をのせて」。

ボタン数が40ボタンにもなると、
頻繁に押し引きしなければならぬ20ボタンと違い、
蛇腹の押し引きはイングリッシュ・コンサーティーナ並に
なめらかにできる。


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