アパタイトは六方晶系であり、a面とc面の二つの結晶面を持っています。このアパタイトの結晶成長を制御することで、a面やc面が多く露出した配向性を備えたアパタイト粒子を合成することができます。この研究では、a面を多く露出したアパタイト単結晶ファイバーやc面を多く露出した板状アパタイトを合成しています。a面は「正」、c面は「負」に帯電していることから、これらの配向性アパタイトをタンパク質などの生体関連物質の吸着材として利用すると、タンパク質の吸着特異性を向上させることが可能であり、実際にa面を多く露出したアパタイトファイバーは負に帯電している酸性タンパク質を、c面を多く露出した板状アパタイトは正に帯電した塩基性タンパク質を特異的に吸着します。