これまで生体機能の一部あるいは全部を代替する目的で開発されている「バイオマテリアル」は人工材料であるため、免疫による拒絶がないことが一つのメリットでした。しかしながら、もし材料と免疫系を司る細胞とをin vitro系で培養し、それらの相互作用を通して、免疫系を司る細胞を活性化させることができれば、高額なサイトカインを利用することなく、患者さんの回復力を増強させて、病気を治癒させることが可能となります。 本研究では、バイオセラミックス表面を2つの方法、すなわち表面修飾(イノシトールリン酸の固定化)および固溶体形成(ホウ素含有アパタイトの合成)により免疫系を向上させるデザインについて検証するとともに、その免疫系の発現をフローサイトメーターで評価しています。