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各種清楽譜における九連環 1890年代篇

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1895年=明治28年  1896年=明治29年  1897年=明治30年  1898年=明治31年  1899年=明治32年
[音楽初歩(1890)]
[手風琴独習之友(1890/1900)]
[明清楽詞譜(写本)]
[清楽独稽古(1891)]
[清風雅唱(1891)]
[独習自在月琴端唄集(1891)]
[手風琴曲譜集第二集(1891)]
[月琴雑曲ひとりずさみ(1891)]
[月琴秘訣(1891)]
[三味線/月琴曲/箏曲独稽古(1891)
[清楽指南(1892)]
[手風琴独稽古(1892)]
[清楽曲譜(1893)]
[清楽十種(1893)]
[月琴独習自在(1893)]
[清楽独稽古(1893)]
[明笛清笛独稽古(1893)]
[和漢楽器独稽古(1893)]
[手風琴速成独習自在(1893)]
[手風琴独案内(1893)]
[明笛 清笛 独案内(1893)]
[八雲琴独習之友(1893)]
[清楽横笛独時習(1893)]
[物識天狗(1893)]
[明清楽之栞(1894)]
[西洋楽譜流行端歌俗曲集(1894)]
[秘曲明清楽譜(1894)]
[手風琴独案内征清歌曲集(1895)]
[手風琴独まなび(1896/1904)]
[月琴雑曲清楽速成自在(1897)]
[独習自在 月琴雑曲独稽古 (1897)]
[明清楽譜(1898)]
[吹風琴唱歌軍歌俗曲清楽独案内(1898)]
[洋峨楽譜(1898)]
[清楽速成月琴雑曲自在(1898)]
[月琴雑曲集(1898)]
[横笛独まなび(1898)]
[尺八独稽古(1898)]
[手風琴独奏第一集(1899)]
[手風琴新曲独案内(1899)]
音楽初歩(1890)
北条芳三郎編 大阪:前川善兵衛〔ほか〕,明23.1

五線譜の書き方が稚拙であるだけでなく、五線譜上の音符の位置も間違っている。

第三小節の「四」は正しくは「ラ」、 第四小節の「上」は正しくは「ド」、第五小説の「合合」は正しくは「ソソ」であるのに、それぞれ五線譜上の 「ファ」「レ」「シシ」の誤った位置に音符を書いてしまっている)。
当時の日本人が、著者も読者もまだ五線譜を見慣れていなかったことが想像される。

五線譜が工尺譜を駆逐するまでには、まだまだ歳月が必要であった。


手風琴独習之友(てふうきんどくしゅうのとも 1890/1900)「第一集」、明治23年(1890)9月25日印刷、明治23年9月26日出版、明治33年(1900)8月30日 13刷
著作者兼発行者・四竈訥治 発売元・共益商社書店(東京京橋区竹川町13番地)
「清楽の部」に、九連環、茉莉花、算命曲、紗窓、十二紅、柳雨調、厦門流水、如意串、燕子門、久聞歌、漫板流水、徳健流水、を収録。
手風琴,清楽,九連環
手風琴,清楽,九連環
手風琴,清楽,九連環
※『手風琴独習之友』「第二集」(1890/1900)には「西皮調」が収録されている。


明清楽詞譜(写本)、「維時明治二十三年初夏 明清楽詞譜 田島 寿」→[
写本の頁のこちら]


清楽独稽古(しんがくひとりげいこ,1891)、明治24年12月10日出版、明治27年5月24日三版。
編輯者 吉沢富太郎、発行者 小林喜右衛門・榊原友吉、印刷者 中西安右衛門
角書き「曲譜ハ清国 歌曲ハ日本」







清風雅唱(1891)、明治25年6月刊行。第三巻(残念ながら第一、第二は未入手)。
見返しに「東京 渓蓮斎 富田寛 編輯」。奥付に「明治廿四年六月廿一日印刷同月廿日出版/明治廿五年五月十五日求板印刷出版」「著者 神田区仲猿楽町六番地富田 寛」。
収録曲は「雷神洞 林冲夜奔 孟浩然」。



独習自在月琴端唄集(1891)
明治24年10月25日出版、「高井月松輯」「発行者 井ノ口松之助」

月琴譜の本ではあるが、清楽譜の本ではない。



手風琴曲譜集第二集(1891)
三谷種吉著 京都:村上書房,明24.12


2台の手風琴(押引異音式の小型アコーディオン)のための編曲。
楽譜を読むと、旋律は「かんかんのう」であり、九連環ではない。

著者の三谷種吉(1868-1945)は、キリスト教の音楽伝道者。本書の刊行後の1893年には、ドイツ製のアコーディオンを持って北海道から沖縄まで全国を伝道して歩いた。


月琴雑曲ひとりずさみ(1891)
井上輔太郎編  前橋:黒田矩鎮,明24.8
明治中期の工尺譜なので、リズム(各音符の長さ)も記され、独習が可能な楽譜本となっている。
この日本語の歌詞は、修身の教訓じみていて、原曲の中国語の歌詞とは関連がない。



俗曲早学月琴秘訣(1891)
内田喜三郎(編輯兼発行者)、吟松堂(発売所)、明治廿四年十一月四日出版
九連環の日本語歌詞は『月琴雑曲ひとりずさみ』(1891)の一番と同じ。
「あすありと おもひたのむな 老(おい)てのち く(悔)ゆにくゆとも 既にはや やまのはに をつる日かげをいかにせん」




三味線/月琴曲/箏曲独稽古(1891)
明治24年7月28日印刷 同年8月1日出版
発行者 井ノ口松之助、著作者 岡本純、印刷者 高田重助
日本の曲を収録。清楽曲は無い。三味線、月琴、「十三絃筑紫箏」のそれぞれの楽器の絵図と奏法の解説もある。







独習自在清楽指南(1892)
明治25年12月20日印刷 明治25年12月27日出版
編輯印刷兼発行者 東京市本所区東森下町23番地 花井 信
発売人 同 市本所区松井町三丁目十番地 吉澤 富太郎
[「吉」は、原本では「土」の下に「口」]

 『月琴雑曲ひとりずさみ』(1891)と同様の「打点法」でリズムを明記している。
 この本は国会図書館の「近代デジタルライブラリーに入っていないので、以下、やや詳しく紹介しておく。




 本書の「緒言」は、自信あふれる書き方であるが、誤記も目立つ。
 表記を読みやすいように変えたうえで、以下に転記しておく。

 輓近、清楽譜本の著書続出し、その種その類、数、多ありといえども、みないたずらに懸揆を加え、あるいは独習を名として世間に発行す。これを購うて実際に試むるに、その実なきこと、往々、一として完全なる良書あるを見ず。ここにおいて、余輩の著あるゆえんなり。該書は、かの凡俗なる懸揆はすべからく好者の熟練に一任し、もっぱら初学者の導きをのみこれ勤め、独習を策りてここに点打法を施したり。実に串全無欠[完全無欠]の良書と揚言するを憚らざるなり。看官この書を座右に備えて独習せば、大に得る所あるべし。
 この点打法は、ある譜[音符のこと]より次の譜までの間取り[リズムのこと]にして、左右の指先にてその点をかわるがわる膝または卓上を打ちて間取りを計るなり。
 たとえば(上尺工六)[点打法略。写真参照。原本の「尺工」は「尺ー工」の誤刻か]のごとき場合の(上)[点打法略。写真参照]は右星ゆえ「ジャアン」と唱い[唱え]ながら「ジャ」のとき右指にて打ち、「アン」を言い終わりて次の譜(尺ー工)[略。写真参照]に移る。これは左星にて、一星中、二字あるゆえ、左指にて「チェーコン」と唱えながら「チェ」のとき左指にて打ち「コン」を唱え終わりて、次の譜 六 [点打法略。写真参照]に移る。これは一字左右星ゆえ「リューウウウ」と唱えながら「リュー」のとき右指に初リ[?]「ウウウ」のとき左指にて打つ間取にて、「ヂャーン チェー コン リューウウウ」となる。
 すべてかくのごとく、一字一声は普通の間[四分音符]。一字二星はその二倍[二分音符]。二字一声はその半[八分音符]なり。以下これに準ず。即ち左のごとし。
 一字一声は(六リュー[点打法略。写真参照])と響き、一字二声は(六リューウウ[点打法略。写真参照])と、一字四声は(六リューウーウ)ー[この長音符「ー」は「ト」の誤りか。点打法略。写真参照]、二字一声は(六ー工 リュウコン[点打法略。写真参照])と、三字一星は(六ー工 尺 リウコチェ リュウコチェ[点打法略。写真参照。])、四字一星は(六ー五ー尺ー上 リュ ウー チェ ジャ)と響くなり。すべて短響は(ト)の印を附す。





手風琴独稽古(1892)
林乃爾編  大阪:林乃爾,明25.12
 手風琴は、アコーディオンの訳語。当時の日本でアコーディオンと言えば、小型の
押引同音式アコーディオンを指した。ピアノやオルガンのような鍵盤を備えた鍵盤式アコーディオンが日本で普及するのは、ずっと後のことである。
 漢数字でアコーディオンのボタンの位置を、漢数字の上の記号(●と横棒)で押引の別を示す。
 当時の西洋楽器の入門者用の練習曲には、邦楽や洋楽と並んで、清楽曲も採られていた。その理由は、一般人も清楽のメロディーを聴き慣れていたため練習曲として最適だったこと、 当時まだ流行曲のレパートリーはまだ比較的少なく、邦楽や洋楽だけでは練習曲が足りなかったこと、などによる。


清楽曲譜(1893)
沖野勝芳編
高田:洋々館,明26.6

 清楽は、明治27年に日清戦争が勃発すると「敵性音楽」視され、一時、下火になる。
 本楽譜本は、その直前に出版された清楽譜本である。明治中期の工尺譜本なので、各音符の長さも記されている。



独習自在清楽十種(1893)
山本有所(奥付には「山本所有」)編著、明治26年3月25日出版、明治29年10月15日四版



月琴独習自在(1893)
鈴木孝道編。専売所:中村鍾美堂。この本については
こちらの頁を参照
「不」とあるべきところを「木」と誤刻している。



月琴 清笛 胡琴清楽独稽古
明治26年(1893)9月11日初版発行 同28年7月1日再版印刷 同28年7月5日再版発行
著作者 東京市京橋区南伝馬町2丁目 箸尾寅之助
 
坂田古典音楽研究所蔵本。
工尺譜のリズムの表しかたは、沖野勝芳編『清楽曲譜』と似ている。
ジヤ ーン ジャ コ|チヱ ー ● ○|コン ー スイ ジヤン|チヱ コン ジヤン スイ|ホー ホー|
ジヤ ーン ジヤ ホ|ス ーイ ● ○|スイ ジヤ スイ ジヤ|スイ ー ジヤ ー ン|ホー ホー|
スイ ジヤン スイ ジヤン|ホー ホー|コーン コーン|チヱ コ(ママ) リウ ー|ウ リウ コン チヱ|
ジヤ ーン ● チヱ|ジヤ ーン ● ○|



明笛清笛独稽古(1893)

明治26年7月8日印刷 明治26年7月13日発行
著者 玉笛道人
発行者 西村寅二郎 東京市日本橋区通4丁目7番地
印刷者 堀井安太郎  同 京橋区卅間堀2丁目1番地
発行所 東雲堂    同 日本橋区通4丁目7番地
印刷所 明教印刷所  同 京橋区卅間堀2丁目1番地
【収録曲目】
明清楽之部
1算命曲 2九連環 3砂窓(ママ) 4茉莉花 5四季曲 6十二紅 7厦門流水 8平板調 9将軍令 10漫板流水 11徳健流水 12西皮調
日本俗楽の部
1数へ歌 2忠臣蔵一っとせー 3梅が枝 4宮さん 5高い山から 6五十三次 7武士で忠義 8十日戒 9金比羅船々 10我が恋 11越後獅子 12宇治は茶所 13よさこい節 14権兵衛種蒔 15我もの 16夕ぐれ
増補
13剪々花 14如意串 15三国史碧破玉(ママ) 16お竹どん節 17鶴の声 18大津絵節



和漢楽器独稽古(1893)
明治26年8月3日印刷、同年8月8日発行。町田久著。 日本の曲を収録。清楽曲は無い。

月琴、清笛、胡琴、「琴」(十三絃)、尺八、八雲琴、横笛、手風琴の各楽器について図と文字による説明あり。
また工尺譜や拍子の説明あり。
曲譜は「琴曲の部」「端唄の部」「上方唄の部」「長唄の部」「雑曲の部」「唱歌の部」「琴曲譜の部」「尺八曲譜の部」「横笛の部」に分かれる。


手風琴速成独習自在(1893)
三田村楓陰著  大阪:和田安治郎,明26.11

西洋伝来の数字譜、手風琴の操作譜(押すボタンの位置を漢数字で、押引の方向を●と○で表す)、工尺譜を三段重ねで表示している。



日清欧楽譜大全
手風琴独案内第一集(1893)
明治26年7月23日初版発行 明治30年12月30日14版発行
著作者・箸尾竹軒 発売所・青木嵩山堂 定価30銭
手風琴,清楽
手風琴,清楽
手風琴,清楽
手風琴,清楽

[明笛 清笛 独案内(1893)]
町田久『明笛 清笛 独案内』明治26年(1893)10月
著者 町田 久 日本橋区北嶋町壱丁目十三番地、発行者 西村 寅二郎
印刷者 町田宗七、印刷所 町田活版所、発売所 東雲堂 日本橋区通リ四丁目七番地
明清楽,月琴,楽譜,清楽


八雲琴独習之友(1893)
土岐達編 大阪:吉岡宝文軒,明25−26



清楽横笛独時習(1893)
明治26年4月15日印刷 同年4月30日出版 編輯者 東京市牛込区納戸町八番地 広川正
印刷兼発行者 同 本所区松井町三丁目拾番地 吉沢富太郎







僧正坊 閲[他]『物識天狗』藍外堂 明26.8(1893年)
(近代デジタルライブラリー 書誌ID 000000522949)



瑞穂主人 百足登編述 『明清楽之栞』 東京・博文館 明治27年(1894)3月23日印刷 3月26日発行
(参考 国立国会図書館 永続的識別子 info:ndljp/pid/856135 保護期間満了)

以下、WIKIMEDIA COMMONS にアップした関連画像
  1. 表紙・月琴を持つ女性
  2. 月琴
  3. 笛(明笛・清笛)
  4. 琵琶(唐琵琶)
  5. 胡琴(京胡)
  6. 大胡琴(四胡)
  7. 提琴(板胡)
  8. 蛇皮線(三線)
  9. 阮咸(げんかん)
  10. 木琴
  11. 太鼓
  12. 工尺譜の読み方
  13. 九連環



西洋楽譜流行端歌俗曲集(1894)
池田武次郎著 神戸:熊谷久栄堂,明26.7


日清戦争開戦の年の楽譜。
旋律はややアレンジされている。
五線譜の書き方は、相変わらず雑である。


秘曲明清楽譜 天地人
1894年3月 京都府平民 植西鉄也









手風琴独案内征清歌曲集(1895)
箸尾竹軒著
東京:青木嵩山堂,明28.4

曲は九連環ではなく、「かんかんのう」である。

歌詞を転記すると、以下のとおり。
「段々の敗北で、気が気でない。どうしたらよい、さりとは情ない、いっぺん勝ちたい大勝利、償金欲しさに嘘をつく。

盛京(しんきん)の九連城、大将は宋、最初からえー、[雲愛]河でしくじりて、日本兵には勝てないと、 夜(よ)の間(ま)に逃げ出しかげもなし」

盛京、九連城、[雲愛]河は地名。[雲愛]は、雲の右横に愛と書く一文字。
宋慶(1820-1902)は清の軍人。



手風琴独まなび
著作者・新井省五郎 発行者・鈴木槇 発行所・書籍楽器店十字屋(東京市銀座3丁目2番地)
【上の巻】明治29年(1896)8月20日発行、明治37年(1904)7月3日訂正増補13版発行
手風琴,清楽,九連環,オルガン
手風琴,清楽,九連環
手風琴,清楽,九連環
[上記の手風琴譜の「楓橋夜泊」のメロディーのMIDI]


『手風琴独まなび』【下の巻】明治30年(1897)3月20日初版発行、明治37年(1904)7月3日訂正増補8版発行
 「清楽の部」に九連環、平和調、算命曲、燕子門、茉梨花、月花集、漫板流水、西皮調の8曲を収録。九連環のみ【上の巻】にも重複収録(上の写真)
手風琴,清楽,九連環
「訂補3版 明治31年10月」の写真↓



明治後期
月琴雑曲清楽速成自在(1897)
明治30年 東京、著者 静琴楽士、発行者 林 甲子太郎、印刷者 岩部元雄、売捌所 山田楽器店
明清楽,清楽,月琴
明清楽,清楽,月琴
明清楽,清楽,月琴


独習自在 月琴雑曲独稽古 
明治30年(1897)7月30日 印刷
同年 8月3日 発行
編輯印刷兼発行者 鈴木萬次郎 日本橋区橘町三町目十一番地





明清楽譜(1898)
柚木友月(初次郎)編 山本喜六校
高岡 柚木初次郎 明治31年3月 和54丁

国会図書館所蔵本だが「近代デジタルライブラリー」には未収録である(2008.12現在)。
工尺譜の右横の点の数で、音の長さを表す。
珍しく[水章]州曲([MIDI])の音符の長さが書いてあるなど、有用な資料である。


吹風琴唱歌軍歌俗曲清楽独案内(1898)
吉武常吉著
久留米:吉武常吉,明31.9

吹風琴は、真鍮製の玩具の笛で、ハーモニカに似た音色を出す。 明治30年ごろ平岡藤助が考案し、爆発的に流行。中国大陸や朝鮮半島にも輸出され、 最盛期の明治40年には年間四百万個も生産されたが、ブームは急速に去り、今日では 幻の楽器となった。

1999年7月、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」で、考案者の孫にあたる 平岡了一氏(福岡県久留米市合川町)が全国に呼びかけて、ようやく現物との対面を果たしたほどの 希少楽器になってしまった。
参考HP 探し求めた幻の笛”吹風琴”平岡 了一さん


洋峨楽譜(1898)
沖野勝芳(竹亭)編
高岡:知音会,明31.4


工尺譜ながら、リズムも正確に表記されている。
これより古く、明治17年(1884)刊の高柳精一編『洋峨楽譜』という同名異本がある[こちらを参照]。
長崎明清楽の故・中村キラ氏が所持していた『洋峨楽譜』も、明治17年刊のほうである(山野誠之氏の論文「長崎明清楽『金線花』演奏に関する音韻論的研究」を参照)。
国会図書館の「近代デジタルライブラリー」で閲覧できるのは、沖野による明治31年版である。



清楽速成月琴雑曲自在(1898)
明治31年4月1日発行 著者・静琴楽士 発行者・林甲子太郎 彫刻者・遠藤芳松
※「九連環」等、清楽曲の楽譜は無い。








新譜 月琴雑曲集(1989)
明治三十一年八月廿三日印刷 明治三十一年九月一日発行
編輯者 岡村榮彌
発行者 東京市日本橋区通四丁目七番地 西村寅次郎
印刷者 東京市神田区小川町壱番地 愛善社
発売所 東京市日本橋区通四丁目 東雲堂
月琴・清笛・胡琴・提琴・瑶琴の説明、拍子点の説明(ルビ ときあかし)、月琴感所之図、目録(月琴、調子、音符、調子合せ方、三弦及箏との合せ法、弾法、速度符号の事)、 曲目(二上りばやし、ちやかぱこ節、とん〱節、高い山から、正月せし、潮来てじま、惚れて通ふ、我がもの、和歌の浦、書きおくる、浅くとも)、 長うたの部(高尾、初音の日、喜せん)、箏歌地唄の部(くろかみ(三下り)、菜のは(二上り)、江の島(三下り))、 唐韻(鳳陽調、親母鬧、富貴双聯、湘江浪、補矼匠、魚心調、武鮮花。三国志:碧破玉、桐城歌、双碟翠)
月琴,清楽,明清楽
月琴,清楽,明清楽
月琴,清楽,明清楽


横笛(ハーモニカ)独まなび(1898)
倉田初四郎編  東京:十字屋,明31.11
実際はホーカイ節である。



尺八独稽古(1898)
後藤露渓(新吉)著  大阪:岡本偉業館,明31.10
「清楽」に「せいがく」とルビがふってある。



手風琴,清楽 正則 手風琴独奏 第一集(1899)
明治32年4月10日印刷 明治32年4月15日発行
編者・桃井静軒 発行兼印刷者・又間安次郎 発売元・又間精華堂

正則 手風琴独奏 第二集(1897)
明治40年8月1日発行 明治40年8月10日再版
編者・桃井静軒 発行兼印刷者・又間安次郎


第一集より
手風琴,清楽



手風琴新曲独案内(1899)
甲賀夢仙・著 修文館、明治32年=1899年
手風琴,清楽 手風琴,清楽
収録曲は、唱歌、軍歌、欧州曲、清曲、日本俗曲。
「清曲」の部には九連環、蕪子門、紗窓、月花集、漫波流水、算明曲(ママ。本文中で正しく「算命曲」と書いてある箇所もある)、西皮調、月宮殿、将軍令を収録。
定価金20銭
明治32年(1899)10月25日印刷
明治32年(1899)10月30日発行
明治41年(1908)8月25日印刷第7版印刷
著者 甲賀良太郎
発行者 東京市神田区錦町1丁目10番地 鈴木種次郎
発行者 大阪市南区鰻谷仲之丁23番地 鈴木常松
印刷者 大阪市西区立売堀南通2丁目54番地 田中松之助
発行所 東京市神田区錦町一丁目 修文館
発行所 大阪市南区鰻谷仲之町 修文館

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