教員/研究室
有機化学・高分子化学
先端機能材料研究室
明治大学大学院修了後、信越化学工業株式会社シリコーン電子材料技術研究所、米国ノースカロライナ州立大学工学部、オーストラリア政府研究機関CSIROを経て、2002年明治大学理工学部応用化学科に助教授として着任。2007年より現職。永井研究室は国際交流を盛んに行い、高分子新素材を用いて常に世界をリードした研究に取り組むことで、新たな産業の創出を目指しています。
キーワード
- 高分子化学
- ガス分離膜
- ガス透過膜
- バリア膜
- 国際標準化
主な研究テーマ
- CO2分離膜、H2分離膜
- スマートコンタクトレンズ材料
- バイオマスプラスチック、包装材料
精密有機反応制御研究室
当研究室では,歴史の1ページに我々が見つけた反応を刻むべく「世界に一つだけの有機触媒反応の開発」を目指して研究活動をしています。世界に一つだけの反応からは,誰も合成したことがない魅力ある化合物が得られる大きな特長があるほか,反応によっては,抗がん剤に利用されている医薬品を合成したり,有機 EL 材料のような電子材料の合成に応用・展開するような境界領域の研究にも積極的にチャレンジしています。
キーワード
- ルイス酸
- 新反応開発
- 医薬品合成
- 電子材料合成
主な研究テーマ
- 芳香族複素環を構築する,あるいは用いる新触媒反応の開発
- 各種有機化合物の脱水素カップリング
- 有機ホウ素化合物の新規変換反応の開発
機能有機化学研究室
当研究室では、構造が新しくかつ特異な性質を示すπ電子を持つ有機分子の設計と合成や、π電子豊富なグラファイトやグラフェンの化学修飾を行い、得られた分子や物質の物性検証に基づいて、革新的な有機材料開発に役立つ新しい方法や概念の確立または理論体系の構築を目的とした基礎研究に取り組んでいます。
キーワード
- 有機合成化学
- 有機機能性材料
- π電子共役系
- グラフェン
- 走査型プローブ顕微鏡
主な研究テーマ
- 特異な光電子的性質を示すπ共役化合物の合成と性質調査
- 表面や固液界面における有機分子の集合体や化学反応性に関する研究
- グラファイトやグラフェンの表面化学修飾と応用
天然物化学研究室
天然化学研究室では,古くから使われてきた天然資源の中でも高分子化合物に着目した研究を進めています。天然の高分子化合物は,漆,膠,松脂やフノリなどが塗料や接着剤として広く使われてきました。しかし,具体的に「どのような技術を用いて」使っていたのかは未だ不明な点が多いのも事実です。この「技術」を解き明かすべく,日々研究しています。また,天然物を原料とした新規材料の開発も行っています。
キーワード
- 天然物化学
- 有機分析
- 文化財科学
主な研究テーマ
- 種々高分子の劣化機構分析
- 文化財の科学分析
- 天然資源を材料とした材料合成・利用法開発
合成有機化学研究室
私たちの研究室では,ヒトや植物,微生物などがごく微量に産生する多様な生理活性物質(例えば,抗がん活性,抗菌活性,抗アレルギー活性など)や香料,色素などを有機化学を利用して合成しています。そして,これらをベースとして自ら分子をデザインして,天然より優れた機能を持つ人工分子の創製し,医農薬品や新しい香料の開発を行っています。
キーワード
- 生理活性物質の全合成
- 医農薬化学
- 香料合成
- 不斉合成化学
主な研究テーマ
- 生理活性化合物の全合成
- 医農薬品の創製研究
- 香料の設計と合成,香気評価に関する研究
無機化学
無機錯体化学研究室
長尾 憲治 教授
金属イオン(特にルテニウム)に有機物が配位した無機錯体化学に興味を持って実験(研究)してます。生物化学的応用に結びつく可能性のある常温から低温の錯体形成反応や、これからの光エネルギー利用を目指した光化学反応に注目して、錯体の合成、構造解析、反応解析などの基礎的な研究を行っています。
キーワード
- ポリピリジンルテニウム錯体
- 光化学反応
- 異性化反応
主な研究テーマ
- 光機能性(ポリピリジン)ルテニウム錯体の開発
- 分子機械(ポリジアジン)ルテニウム錯体の創生
- 自己組織化指向(ポリピリジン)ルテニム錯体の創生
無機材料化学研究室
①環境に役立つ材料の提案
太陽光からの水素製造用水分解光触媒の開発に注力。NEDOの国家プロジェクト、人工光合成プロジェクト」に参加中。
②環境にやさしい、材料の創り方の提案
環境にやさしいモノとは、モノを作る、モノを使う、モノを維持する、モノを廃棄する、それぞれに必要とするエネルギーの合計が小さいモノを指します。モノを作るときのエネルギーを最小にすべく研究をしています。
キーワード
- 人工光合成
- 環境調和型合成プロセス
- アンモノサーマル合成
- 窒化物
- 酸窒化物
- 光触媒
主な研究テーマ
- 可視光分解水分解光触媒の開発
- リチウムイオン電池用高性能負極材料の開発
- 白色LED用窒化物蛍光体の開発
固体化学研究室
石川 謙二 教授
固体化学研究室では、イオン伝導性固体物質の相図、結晶構造、電気的性質を調べています。イオン伝導性固体物質が存在している理由を解明しようと試みています。研究室の特徴は、自分達で製作した世界で唯一の装置を使って、実験・研究することです。実験データの解析に、Rietveld解析、MEM解析、第一原理計算などの計算手法を多用するのも特徴です。例年、女子が多いのも特徴かもしれません。
キーワード
- Nd2NiO4+δ
- 相図
- 結晶構造
- 電気的性質
- 中性子回折
主な研究テーマ
- Nd2NiO4+δの相図
- Nd2NiO4+δの欠陥構造
- Nd2NiO4+δの電気的性質と理論計算
無機結晶化学研究室
我田 元 准教授
本研究室では無機結晶育成と、それらの環境・エネルギー材料応用について研究しています。地球上では、マグマや熱水中での化学反応により鉱物が生成しますし、水溶液を利用して人間が作ることのできない複雑な形状の無機物質を形成する生物も存在します。このような自然界のものづくりを学び・応用することで、さまざまな新規材料創成に挑戦します。
キーワード
- 無機結晶
- 結晶成長
- 溶液法
- 透明電子材料
- 触媒材料
主な研究テーマ
- 低環境負荷プロセスによる透明導電性薄膜の作製と評価
- 自然に学ぶ結晶育成手法の開発と成長メカニズムの調査
- フラックス法による光触媒結晶の育成と基礎物性の評価
考古化学研究
村串 まどか助教
化学の視点で文化財から過去を知る
現代に伝えられた文化財には、過去の人々の生業を知るための情報が詰まっています。可搬型分析装置を使って各地の文化財を調査し、それがいつ、どこで生み出されたのかを調べることで、人類の歴史を明らかにすることに貢献します。
分析化学・生物化学
生体関連材料研究室
当研究室では、次世代の医療技術に貢献する「バイオマテリアル」の研究を行なっており、主な対象は骨や歯の無機成分である「アパタイト」などのリン酸カルシウムです。これらの素材をもとに新しい材料を創製し、「培養細胞」や「実験動物」を用いて生物学的評価を行ない、材料特性と細胞・生体組織との関連性を明らかにするとともに、その知見を「医療用デバイス」として応用します。
キーワード
- バイオマテリアル
- バイオセラミックス
- 人工骨
- 再生医療
主な研究テーマ
- アパタイトの合成・形態制御とその機能
- 組織再生を促進する生命機能マテリアルの開発と医学応用
- 自家骨に匹敵する骨形成能を備えた生命機能マテリアルの開発
- 生体防御機能を備えた生命機能マテリアルの創製とその評価
生物化学研究室
本田 みちよ 教授
生物化学研究室では、細胞やタンパク質、遺伝子を利用して、組織のタネを作製したり、機能性を有する歯科材料、化粧品材料を創製したりすることにより、様々な医療分野において応用できる技術を確立するための研究を行っています。「バイオの力で医療に貢献」できるような研究を展開していきます。
キーワード
- 再生医療
- 抗菌性タンパク質
- 細胞生物学
- 骨組織
主な研究テーマ
- 血管新生を利用した組織再生技術の構築
- 抗菌性タンパク質の作用機序解明とその応用
- 新規遺伝子デリバリーシステムの構築
放射化学研究室
小池 裕也 准教授
「放射性同位体で地球環境を化学的に分析する」をテーマとした研究室です。放射性同位体をひとつの対象として化学的な分離法及び分析法により地球環境の解析を進めています。環境試料を主に対象とするなかで実測による分析を大切にしているため、野外サンプリングに積極的に取り組んでいます。
キーワード
- 放射化学
- 分析化学
- 環境放射能
- 放射線安全
主な研究テーマ
- 多摩川集水域での放射性セシウムの動態評価
- 環境試料中の放射性核種の存在形態を解明
- 迅速かつ簡便な放射性核種分析方法の確立
生命機能工学研究
鈴木 来 助教
生体組織の再建に貢献する材料の開発
病気や事故で傷ついた組織を効率的に再建するには、その組織を構築する細胞が機能を発揮するための基盤となる材料が必要です。材料工学の視点から、再生医療(組織工学)に活用できる材料を開発しています。
物理化学・化学工学
応用物理化学研究室
「水の物理化学」をキーワードに、水分子が関連するさまざまな物質の物性と機能を原子・分子レベルのミクロな視点から研究しています。特に、惑星科学・エネルギー工学の分野で注目されるクラスレートハイドレート、環境科学の分野で重要な氷、医用材料等として応用性の高いハイドロゲルを中心に研究を展開しています。
キーワード
- 水
- 氷
- クラスレートハイドレート
- ハイドロゲル
主な研究テーマ
- アモルファス氷の構造と物性
- クラスレートハイドレートの形成機構
- ハイドロゲル中の水の構造と機能
材料化学工学研究室
大竹 芳信 准教授
バイオマテリアルからカーボン材料への創製や新規多孔質カーボン開発の基礎研究を行っている。特に、 化石燃料に代わる代替エネルギー、ポーラスなナノ材料、有害物質除去のための環境浄化剤の開発をターゲットとした研究を行っています。
キーワード
- 炭素材料
- 活性炭
- アクティブサイト
- メソポアー
- ミクロポアー
主な研究テーマ
- 活性炭に存在する活性炭素原子の生成と消滅機構に関する研究
エネルギー変換化学研究室
当研究室では,光触媒を用いた人工光合成に関する研究を行っています。光触媒を用いた人工光合成はホンダーフジシマ効果で知られるように日本発祥の科学技術である点から非常に魅力的です。また,人類が避けて通れないエネルギー・環境問題の解決へ貢献できる可能性が高いという点から重要な研究テーマです。
キーワード
- 水分解
- 二酸化炭素の資源化
- 光触媒反応
- 光電気化学
主な研究テーマ
- 光触媒を用いた水分解および二酸化炭素還
- 光電極を用いた水分解および二酸化炭素還元
- 半導体特性評価
データ化学工学研究室
コンピュータの中で化学実験をして、それに基づいて新しい材料・化学構造を設計したり、それらをつくるためのプロセスを提案したりする研究をしています。コンピュータは計算速度がとても速いので、簡単な実験なら1秒間に1万回もできるため効率的です。詳細については、日々充実させているこちらのウェブサイトをご覧ください。
キーワード
- 材料設計
- 化学構造設計
- プロセス設計
- プロセス管理
- 化学工学
- 人工知能
- データサイエンス
主な研究テーマ
- 高機能性をもつ新しい化学構造をコンピュータで設計する
- 次に行うべき実験の内容を計算で提案する
- 未来の化学プラントおよびその効率的な運転方法を開発する
デバイス化学工学研究室
石飛 宏和 准教授
太陽光・風力といった再生可能エネルギーを上手に使うためには電池などの「電気化学デバイス」が必要ですが、電気化学デバイスの性能が不十分なため社会での利用が広がっていません。当研究室では化学工学や電気化学の観点から電気化学デバイスの高性能化に挑戦します!私たちは材料から電気化学デバイスまでを見渡して、全体が最適となるような「構造」と「性能」の関係を明らかにすることにより、電気化学デバイスの合理的な設計指針の確立を目指します。
キーワード
- 電池
- 電気化学ポンプ
- キャパシタ
- 化学工学
- 電気化学
- 材料設計
- デバイス設計
主な研究テーマ
- レドックスフロー電池の高効率化
- 電気化学水素ポンプの高効率化
- フローキャパシタの流れやすさの解析
卒業論文テーマ例・修士論文テーマ例
卒業論文テーマ例
- 抗菌性タンパク質の作用機序の解明とその医療応用
- 希少な天然有機化合物の効率的合成法の開発
- 有機光電子材料を指向した新たな有機分子の開発
- グラフェンの化学修飾と電子材料への応用
- 溶液を反応場とする結晶成長の解析と学理構築
- 高度医療に貢献するバイオマテリアルの開発
- 環境にやさしい超高選択的有機合成を目指した新反応及び触媒の開発
- 超臨界CO2中の有機物の吸着の研究
- 吸着シミュレータ開発の研究
- ポリピリジンルテニウム錯体の合成、構造と光機能性
- 有機EL・太陽電池用フレキシブル透明薄膜の研究
- 水素製造光触媒(人工光合成)の研究
- イオン伝導性固体物質の相図、結晶構造、電気的性質に関する研究
- ポリマーハイドロゲル中の水の構造と機能
- ルイス酸を炭化水素官能基の活性化剤や脱水素カップリングの触媒として用いた革新的な有機触媒反応の開発
- 生体鉱物(農業廃棄物)の吸着・イオン交換特性の評価
- 環境試料中の放射性核種濃度の観測
- 文化財保護材料の劣化解析
- 血管新生を利用した組織再生技術の構築
修士論文テーマ例
- 未分化間葉系幹細胞の分化に及ぼすアパタイトセラミックスの結晶面(a面)の影響
- 漆膜の消臭性と膜内成分に関する研究
- 軽量化を目的とする ITO - PET を用いた光電極の作製
- 水と共存するフォルステライトガラスの相転移機構
- ベンゾシクロブタ[b]チオフェンとその類縁体の合成に関する研究
- 抗菌性および抗ウイルス性を兼ね備えた繊維強化プラスチックの開発とその材料科学的および生物学的評価
- 機械学習によるポリマー特性のオンラインセンシングおよびポリマー重合プロセスの設計
- Partial Pressure Dependence of Dissolved Gas Permeability of Hydrophobic Polymer Membranes
- Structure and dynamics of forsterite coexisting with interstitial water
- Estimation of Microstructure and Gas Diffusivity of Polymer Membranes Using Molecular Simulation
- 芳香族求核置換反応による電子豊富な芳香族複素環上でのルイス酸触媒脱アルコキシ化反応
- 固液界面で溶媒およびゲスト分子に適応して構造と超分子キラリティーが変化する分子集合体
- 多孔性分子集合体の形成に与える修飾炭素表面の影響
- 銀イオンを固定化したアパタイト被覆チタン基板への塩基性線維芽細胞増殖因子の担持と得られた材料の物性および生物学的評価
- アリル基やビニル基を持つカルダノール誘導体と環状シロキシシランによる光硬化型塗膜の開発
- 機械学習を用いたエポキシ樹脂の誘電率予測モデルの構築と低誘電率を実現するモノマー構造の提案
- 間葉系幹細胞におけるFGF-2の過剰発現が血管新生と骨分化に与える影響
- (22R,29S)-Dihydroxytetratriacontahexaenoic acidの全合成
- シクロデキストリンとアリールジアゾニウム塩の超分子錯体形成が与える炭素表面の化学修飾への影響
- 血管弛緩作用を持つ(11R,12S,15S)-THETA の合成研究
- Effects of Thermal History on Structures of Silica Compound Rubber and Coexisting Water
- 二酸化炭素を用いたカシューナッツシェルリキッド (CNSL) 由来ポリウレタン樹脂塗料の開発
- C(sp2)̶-B(dan) 結合の直接鈴木̶宮浦クロスカップリング反応
- 漆塗膜への封管熱分解物回収法の適用
- Effect of Chemical Structures and Higher-Order Structures on Water Vapor Sorption in Polysaccharides
- 免疫系に働きかけるイムノセラミックスの創製と悪性黒色腫モデルによる抗腫瘍効果の検証
- アルコキシ基とヒドロキシ基の置換パターンが異なるトリフェニレン誘導体の固液界面における自己集合構造に関する研究
- 分光学的手法に基づく水熱反応過程のリアルタイム評価
- Effect of Functional Groups of Cinnamic Acid Derivatives on the Degree of Cross-Linking and Gas Barrier Properties of Diacetylene-Containing Polymer Membranes
- 機械学習により設計した多孔質リン酸カルシウムセラミックスの材料特性とその生体硬組織反応の検証
- 固液界面において四、五、六および七角形大環状化合物が形成する二次元分子集合体
- Molecular Design of Harp-Like Structure Membrane Derived from ABA-Type Triblock Copolymers for Gas Separation Membranes Using Molecular Simulation
- 有機分子を添加した湿式法による水酸アパタイトの合成とそのキャラクタリゼーション
- Analysis for Molecular Arrangement and Estimating Higher-Order Structure of Poly(lactic-coglycolic acid) Membranes with Marine-Degradable Using Molecular Simulation
- 機械学習および画像解析によるバイオマテリアルの骨形成率予測に関する研究
- アパタイトファイバースキャフォルドを利用した血管を含む肝オルガノイドの構築およびその機能評価