Research

Human sleep-wake rhythm

私たちのチームでは、ヒトの睡眠覚醒リズムと光環境、月経周期の影響などにについて探求しています。  

大学生における睡眠の量・質と日光浴量・時間との相関関係の検討

我々人間の睡眠は生活環境や生活習慣、行動、食事などのさまざまな要素に影響されます。また、現代人の中には社会に要求される時間軸に合わせて生活することで、質の良い睡眠をとることが出来ていないと感じている人が多く存在します。そのため、睡眠の質に直接的な影響を及ぼす要素を特定することは、人々の睡眠向上に繋がります。先行研究では睡眠に関わるホルモンであるメラトニンの分泌と日射曝露時間に関係があることが明らかにされており、日光が睡眠に影響することが予想されます。しかし、現段階で日光を浴びることと睡眠の直接的な関係は明らかにされていません。本研究では、ウェアラブルデバイスを用いて被験者の睡眠データと日射データを取得し、解析することで両者の関係性を統計学的に明らかにします。日射量と睡眠の質に強い関係性が認められれば、睡眠に満足できない人に対して日光浴という観点から睡眠改善方法を提案することができるようになることが期待されます。


図1左
図1. 
健常女性における睡眠覚醒リズム及びMRIの月経周期変動解析

 ヒトの生活は概日リズムや季節リズムなどの様々な生物学的リズムが関わって営まれています。さらに女性では個人差の大きい月経周期が加わった、複数のリズムが作用することで生殖機能やストレスの強度、気分などが制御されます。これまでの研究で概日リズムの変調が様々な疾患の原因となることが解明されていますが、概日リズムとその他のリズムの相互作用のシステム、特に季節周期や女性の性周期に関連したシステムは明らかになっていません。そのため複数のリズムの相互作用によって制御される、生理機能や行動についても正確に把握できていません。生殖医療が発展する一方で揺らぎのある性周期を正確に予測する技術は未だになく、妊娠を望む女性の足枷となり少子化は進行し続けています。本研究では、MRIによって脳の各部位の活動を記録し、季節リズムと月経周期が睡眠覚醒リズムに対して及ぼす作用を解析しています。そして、概日リズムと季節リズム・性周期を複合的に捉えたリズムから、生理機能の変化の仕組みを解明し、月経前症候群などの生体不調の予測技術を開発することを最終的な目標としています。

図2
図2. 


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