Localization & Mapping of AMSL Racing

How do you know your position?

Absolute? or Relative?

 ロボットが正しく安全に移動するためには位置が —特に周りにある障害物との相対的な位置関係が— 重要になります.なぜなら,ロボットが動くときは「座標」が重要なのではなく,そこにある障害物にぶつからないか,穴に落ちないかが重要なのであること,また,(GPSなどによる)絶対位置は常に計測できるわけではなく,全く計測できない場所も数多く存在し,状況によっては甚大な誤差を生じる(全く計測できないよりもタチが悪い)からです.そもそも,常時そのようなセンサデータに頼るやり方はロボットの可用性を狭めてしまうという理由で好ましくありません.従って,ロボットが独力で計測可能な情報,すなわち,加速度,速度,角速度などの内界情報と,カメラやレーザなどによる局所的かつ相対的な外界情報の組み合わせによって位置を把握することが望まれます.

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Problems of Localization on the Ground

 一方で,内界情報だけで位置を知ろうとすると,それらの情報を積分することになり,どんなに高精度なセンサデータを用いて高度な確率的計算をしたとしても比較的短時間のうちに誤差が蓄積して使い物にならなくなります.高周波ノイズが比較的少ない航空機や,ノイズに比べて運動加速度が圧倒的に大きく,かつ短時間(大気圏外に出るまでわずか2分程度)のロケットなどでは有用ですが,常に強いロードノイズを受け続ける車両などでは殆ど使い物になりません.

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SLAM

 このような状況を打破するために考え出されたのが,相対的な環境地図を作りながらその地図と新しい観測値とをマッチングさせ,確率的に位置計測精度を高める,Simultaneous Localization and Mapping (SLAM:スラム) と呼ばれる手法です.この手法がうまく機能すれば,GPSが無くとも,事前に地図が無くとも,その場その場の局所的な計測値を重ねて地図を拡張していき,それによって自己位置の同定も可能になるのです.このようにSLAMは大きな可能性を持っていますが,実際には屋外環境はノイズが多く,移動障害物も存在するため,SLAMを利用することが難しい側面を持っています.Team AMSL Racingでは,このようなSLAMを屋外で利用可能にするべく,研究に取り組んでいます.


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動的環境下におけるロバストなランドマーク推定 LinkIcon