もし、宇宙物理実験研究室への配属を希望する場合は、研究室訪問してください。配属する前に、どんな事を具体的にやっている研究室なのか、それは自分の興味がある事なのか、また、教員やメンバーとうまくやれそうなのかなど、色々と見極める機会になると思います。もし、研究室の内容に興味が向かなければ、他大学の研究室でやっている研究も伝えることができると思います。
明治大学の物理学科の学部の授業では、宇宙や天文に関わる授業が少ないです。何か少し勉強してみたいなと言う人は、ぜひ気軽に訪ねてください。例えば、いくつか入門書を貸し出す事も可能です。また現在、大学院の授業として「宇宙物理学特論」(春学期, 月曜2限) を開催しています。他大学では学部2~3年生向けでやっている内容も含まれていますので、学部生でも気軽に参加してみてください (学部1-3年生の場合は単位は出ませんので、履修登録しないでください)。
宇宙物理学の分野では大きく分けて「実験・観測・理論」の三つの研究分野に分けられます。本研究室では、「実験・観測」を主軸として、観測装置の開発と宇宙観測から科学的知見を得ようと試みます。まず、研究室に所属した後の最初の約1-2ヶ月の間に、各学生さんの適正や興味を見ながら、主軸となる研究テーマを決めてもらいます。
例えば、実験関連のテーマとしては、
● 衛星搭載機器の性能評価
● 超小型衛星搭載用の望遠鏡開発
● 月面ガンマ線望遠鏡の検討・開発
● 超小型衛星の概念設計
● 光子追跡プログラム(シミュレーション)による望遠鏡の設計や評価
などをテーマとして考えています。本研究室では、特に「X線望遠鏡」に特化した開発を行っています。生田の実験室で設計から作製、シミュレーションや簡単な評価を行い、淵野辺にあるJAXA宇宙科学研究所の装置も使いながら明治大学独自の望遠鏡を作製していきます。
また、観測関連のテーマとしては、
● 超新星爆発の爆発機構の解明に向けた研究
● 超新星残骸における高エネルギー粒子の加速機構の解明に向けた研究
● 超新星残骸を用いた大質量星の進化の議論
● 大質量星の爆発時におけるコンパクト天体(中性子星・ブラックホール)形成
● 超新星爆発の銀河の構造進化や化学(元素)進化への影響
などを考えています。観測研究では、理論研究者や海外研究者を巻き込みながら研究を進めてもらいたいと思っています。
具体的な学生の研究内容に関しては メンバー にまとめられていますので、参考にしてください。週に1, 2回、ミーティングやゼミを行い、進捗を報告してもらっています。
研究の最終目標は相談のうえ決めますが、修士課程までを希望する学生さんには「英語論文を発表する」か「国際会議で発表する」を目標にしてもらいたいです。卒業研究は期間も短いので、とにかく面白さを何かしら感じてもらえることを教員側の目標にします。まずは、国内の学会発表を目指すと良いかもしれません。例えば、
● 卒業研究: 与えられた課題から、専門分野の知識を得ながら、新しいものを自ら作って評価したり、新しい視点から実験(観測)データを解析・解釈するための訓練をする (うまく行けば学会発表)
● 修士課程: 与えられた課題から、世界で誰もやっていない事を成し遂げるための訓練をする (うまく行けば国際会議 & 論文発表)
● 博士課程: 自ら問題設定して、世界で誰もやった事がない事に挑戦し、成し遂げられる
ぐらいのイメージを持ってもらえると良いと思います。