ライフスタイル・マネジメント研究室

明治大学 経営学部 鈴井正敏 

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2. 急性(一過性)運動の影響 

(1)急性運動における白血球・リンパ球分画の変化

(2)オープンウインドウ仮説

(3)漸増負荷運動における白血球・リンパ球分画の変化

(4)漸増負荷運動と運動強度,カテコールアミン濃度との関係

NK cells and CA during incremental exercise

 漸増負荷運動中の末梢血NK細胞濃度の変化を運動強度とカテコールアミン濃度との関係で示しました。%VO2max(最大酸素摂取量)との関係では中等度の強度より、増加の程度が大きくなることが分かります。運動強度の指標を%VT(換気閾値:ほぼ無酸素性作業閾値と同じ意味)に変えてみると、運動強度との関係は明確になり、100%VT以降に急激に増加します。したがって、NK細胞は無酸素性作業閾値以上の強度で強く動員が起こることが分かります。カテコールアミン濃度との関係では、アドレナリン濃度、ノルアドレナリン濃度ともに有意な相関を示しますが、ノルアドレナリン濃度との強い関係が示されています。NK細胞はアドレナリンによって選択的に末梢血に誘導されることが静脈内投与実験(Shedlowski M, J Immunol, 1996, Dimitrov S, J Immunol, 2010)によって確認されていますが、運動時にはアドレナリンよりもノルアドレナリンとの関係が強く示されます。

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