news20090805 of AMSL Racing

高精度位置決めと自律移動機能テスト

つくばチャレンジ第1回試走会 2009.08.01

8月1日のつくばチャレンジ第1回合同走行テスト(試走会)では, Team AMSL Racing(明治大学理工学部機械工学科黒田研究室)は,Infant Proロボットをリモートコントロールで走らせながら幾つかのデータ計測を行い,その後自律モードでの走行テストを行いました.

今回のコースでは,木が覆い被さる様に生い茂っている場所が多くあり,Team AMSL Racingの持つGPSでは座標計測できない場所が頻出しました.ただし,コンクリートで出来た背の高い建物などは近くに無いため,マルチパスの影響は見られませんでした.この点では,つくばチャレンジ2009のコースは,我々の大学校内の環境に比べれば遙かに良い環境であると言えます.

Trajectory.jpg

Fig.1 Infant Proの自己位置推定結果.細かく見ると不具合も見て取れるが,コース全域に亘って切れ目無く位置決めが出来ている.

Fig.1はInfant Proをリモコンで走行させながら,自己位置推定を行った結果をプロットしたものです.細かく見れば,なめらかではない部分も見受けられますが,GPS自体はデータが取れない場所が沢山あるにも関わらず,このプロットでは切れ目無く位置決めが出来ていることがわかります.

その後...

さて,140mの自律走行に成功した後,気をよくして「コースの裏手」でもロボットを走らせてみました.今回は障害物回避機能をOFFにした最小システム構成でのトライアルでした.また「走行領域は道の左側半分」という取り決めを無視して道の中央を走らせたので,途中,中央に置かれていた緑のコーンに突入することになってしまいましたが,それ以外は安定した走行ができています(Fig. 2).

問題だったのは,コースのかなり長い部分にわたって視力障害者向けの立体タイルが敷かれていて,「走行領域は道の左側半分」に従うとちょうどその上を走らなければならない区域があったことです.ロボットとしては何らかの対策が必要そうです.

ただ,それにしてもこのコース取りは,視覚障害者のための歩行領域をチャレンジ開催中塞いでしまうことになってしまいます.これはロボットが通りやすい/通りにくいなどということよりも問題かも知れません.

Fig.2 コースの「裏手」を自律走行する Infant Pro.

(News20090805)