各研究テーマ

①科研費 基盤研究(A)  研究代表者 石井 知章 2020~2023年度

「中国農民工の組織化をめぐるガバナンスの変容 中華全国総工会と労働NGOとの関係性」

農民工の出稼ぎ列車

「非正規」労働者としての農民工は官製労働組合運動とはまったく異なった一連の「非正規」労使紛争を呼び起こしています。これまで官製労組(中華全国総工会)の支配下にあった「個別的」労使関係は、現習近平体制の下で「集団的」労使関係へと大きな変化を遂げています。この二つの労働運動の生起は、中国農民工の組織化をめぐるガバナンス構造の変容にいかなるインパクトを与えるのか。労働NGOは、どう対応し、官製労組はいかなる態度をとっているのか。中華全国総工会(中央)、広東省・深圳市総工会(地方)、労働NGO(基層) の相互関係性の分析を通し、中国のち労働社会における根源的局面を解明します。

研究代表者 石井 知章(明治大学商学部教授)
研究分担者 阿古 智子(東京大学大学院総合文化研究科教授)
梶谷 懐(神戸大学経済学研究科教授)
澤田 ゆかり(東京外語大学大学院総合国際学研究院教授)
山口 真美(独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ研究員)
及川 淳子(中央大学文学部准教授)

②科研費 基盤研究(C)  研究代表者 中嶋 滋 2019~2021年度

「ミャンマーにおけるSDGs推進と労使関係 サプライチェーンに焦点を当てて」

ミャンマー労働者との対話

相互依存関係が深化したグローバル経済下では、SDGs(持続可能な開発目標) 達成に向けた活動は、進出国・受入国双方の共通課題としなければ成り立ちません。近年、日系企業の進出が著しいミャンマーにあって、この課題が具体的な労使間交渉の中でいかに取り組まれているかについて事例調査研究を行います。日本・ミャンマー両国で、SDGs 達成に向けた共通課題は何か、それを取り組む条件は何か、それらはいかにして形成されるか、労使双方並びに両政府にとっての課題は何か、を明らかにします。

研究代表者 中嶋 滋(元ILO労働側理事)
研究分担者 石井 知章(明治大学商学部教授)
山崎 精一(元Labor Now共同代表)

③科研費 基盤研究(C)  研究代表者 柳沢 敏勝  2020~2022年度

「SDGsの担い手と社会的連帯経済との関係に関する文献的・実証的研究」

韓国社会的企業院でのヒアリング

現在世界でひとつのテーマとなっているSDGs(持続可能な開発目標)の担い手に関する文献的、実証的研究を進めることがテーマです。SDGsの主たる担い手と想定されている社会的連帯経済に関する世界の議論を摂取し検討することを第1の課題とし、社会的連帯経済の実際について実態分析することを第2の課題とします。

研究代表者 柳沢 敏勝(明治大学名誉教授)