step10 課題レポート:プレゼンテーション実践

各自、テーマを1つ選んでプレゼン資料を作成し、それに用いてプレゼンを実施する。プレゼンに関してまず大切なのは、用意された発表の場に関する情報であるが、以下に示す。


プレゼンの条件

目的
選んだテーマに関して、自分の主張を決め、それを聞き手に理解してもらう。賛同を得られればなおよい。プレゼン資料(PowerPointファイル)も提出してもらう、評価対象はプレゼン全般である(ポイントは後述)。
聞き手
同じクラスの学生さん全員、TA、講師の私。つまり知識水準は発表者と同等かそれ以上。発表テーマについての予備知識はあてにできない。
発表時間
発表8分、質疑2分。6分で1回、8分で2回、10分で3回ベルを鳴らすので、それによって発表の進捗を加減すること。一般に2分で2問程度の質疑応答ができるが、内1回が私、1回が学生からの質問と思えばよい。
設備
この教室の設備一式。プロジェクタやマイクなどについては、これまでの講座の状況から判断してほしい。マウスボタン付きレーザーポインタを用意するので、自分でスライドの送り/戻りが可能である。
発表テーマ
以下の枠内のテーマから1つを選ぶ。自分の主張が盛り込めるテーマであること。選んだテーマは事前に申告してもらった上、この原則からはずれそうな場合は、変更を指示することもある。単なる感想や調査結果の解説ではいけない。くり返すが、レポートとプレゼンは異なるのである。
これらのテーマは、毎年いくつかずつ入れ替えている。長年にわたって生き残っているものもある(1や7)。また、3や5などのテーマに関しては、「賛成」「反対」「中間」どの立場でもよいけれど、賛否だけが問題なのではない。それぞれの立場からの主張に、具体的な材料で説得力を持たせることが重要なのである。
  1. 将来やりたい職業の社会的意義。自分はこうなりたい
  2. 今後の日本における生活や仕事のスタイルはどうあるべきか
  3. 国際情勢の変化に対応できるエネルギー国家施策のあり方とは?
  4. わが国の深刻な人手不足状態をどのように克服すればよいか?
  5. 宗教と政治の関わりはどうあるべきか?
  6. 政治に必要な資金を集めるのに、有権者が納得できる方法はあるか?
  7. 地方を活性化していくために有効な施策はなにか?
  8. グローバル化に対応できる日本の農業のあり方とは?

評価のポイント

私が聴衆の1人としてプレゼンを聞き、つぎの5つのポイントに基づいて評価している(5項目とも同じ配点である)。

  1. プレゼン資料の完成度
  2. 主張やそれを支えるストーリー、データの明確さ
  3. 発表態度
  4. 発表時間を厳守しているか
  5. 質問に適切に答えられたか。他者の発表に質問したか(皆無だと減点)
プレゼン資料またはプレゼン自体の構成例を図10-1に示す。序論・本論・結論とは、資料を3部構成にするべきだということで、資料をこの名前で章立てせよというのではない。たとえばはじめに・○○の経緯・考察など、選んだテーマに即した章名を各自考えること。
図10-1: プレゼンテーション(資料)の構成例
赤丸の数字は、全体に対する時間配分と考えてもよいし、スライドの枚数と考えてもよい。発表時間に対する資料の枚数には、個人差はあるが、1枚で約1分という経験則があるからだ。

プレゼンテーション資料の例

みなさん方の先輩が提出したプレゼン資料の例を、参考までにいくつか挙げておく。