研究目的・意義

  本研究の目的は、明治大学が10年来継続してきた学際的・国際的視野に立つ日本古代学研究に立脚し、本学所蔵の研究資料群(杉原荘介・岡正雄・井上光貞コレクションなど)を活用するとともに、新たな世界的研究拠点を構築することにある。これまでの日本古代学研究の蓄積に基づくとともに、新たに民族学・法制史学研究も踏まえて、日本古代学研究の拡充を図る。上記の研究資料群を文化資源化するとともに、現在公開中の古代出土文字データベースをさらに充実させて世界に発信し、「もの」(物資・技術・経済)、「こと」(文字・律令・制度・都市)、「こころ」(文芸・心性)の3つの側面から日本古代学の国際的構築をめざす。その際、韓国・中国・ベトナムなどアジアの古代学資料群にも目を向け、その特質を考察し、それらとの比較研究を通して日本古代学の特徴を析出する。文化資源としてのデータベースの構築と、それを基盤とする研究によって、日本古代学研究の世界的研究拠点に育てる。

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研究体制

  上記の研究目的を実現するために、既存の日本古代学研究所(明治大学研究クラスター)を核として、明治大学専任教員および外部研究機関の研究者で、(1)「もの」(物資・技術・経済)の研究、(2)「こと」(文字・律令・制度・都市)の研究、(3)「こころ」(文芸・心性)の研究、の3つの研究部門(テーマ1~3)を構成する(運営会議年3回開催)。3部門協同で、日本古代学研究資料群の文化資源化―研究基礎資料群の収集・整理・保存および活用のためのデータベース化―を推進する。そのために、3テーマの学内専任メンバーとPD・RAからなる文化資源化プロジェクトチームを組織する。一方、各部門ごとに、専任教員と学外メンバーとで構成される複数の研究プロジェクトを立ち上げ、国内外の資料群調査、およびその比較文化的研究を推進する。これまで10年来連携実績のある学外及びアジア・欧米の研究機関・研究者とも連携しつつ、日本古代学研究の世界的拠点を形成する。  研究代表者(石川日出志)が、古代学研究所の代表者(所長)を兼ね、本プロジェクトに組織した3サブテーマの研究総括者(吉村武彦、牧野淳司)とともに、プロジェクト委員会を組織し、共同研究に関係するすべての事項について、協議するとともに、研究所の基本的業務の管理を行なっている。
     日本古代学研究所長    石川日出志

   また、本研究所には、研究推進員及び大学院博士後期課程院生からRAが数名参加し、各テーマの業務に従事する。各RAは、史・資料と作品研究をとともに、国内外にわたるフィールド研究・調査に従事している。そのほか、博士前期課程の院生らがアルバイトのかたちで業務に参加しているので、明治大学における古代学関係の一大研究・教育拠点になっている。
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各テーマの特徴

 研究は、3つのテーマを中心にして、研究する態勢をつくっている。各テーマには、研究分担者がRAとともに研究するが、テーマ別の研究課題は次のようになる。 詳しくは

テーマ①:「もの」(物資・技術・経済)の研究

テーマ②:「こと」(文字・律令・制度・都市)の研究

テーマ③:「こころ」(文芸・心性)の研究


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研究により期待される効果

  上記の研究目的を実現するために、既存の日本古代学研究所(明治大学研究クラスター)を核として、明治大学専任教員および外部研究機関の研究者で、(1)「もの」(物資・技術・経済)の研究、(2)「こと」(文字・律令・制度・都市)の研究、(3)「こころ」(文芸・心性)の研究、の3つの研究部門(テーマ1~3)を構成する(運営会議年3回開催)。3部門協同で、日本古代学研究資料群の文化資源化―研究基礎資料群の収集・整理・保存および活用のためのデータベース化―を推進する。そのために、3テーマの学内専任メンバーとPD・RAからなる文化資源化プロジェクトチームを組織する。一方、各部門ごとに、専任教員と学外メンバーとで構成される複数の研究プロジェクトを立ち上げ、国内外の資料群調査、およびその比較文化的研究を推進する。これまで10年来連携実績のある学外及びアジア・欧米の研究機関・研究者とも連携しつつ、日本古代学研究の世界的拠点を形成する。

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研究分担者

研究者名
所属・職名

研究プロジェクトにおける
研究課題

当該研究課題の成化が研究プロジェクトに果たす役割

石川日出志

明治大学文学部・教授日本列島初期農耕社会の地域性
杉原荘介資料の文化資源化
弥生時代の物資・技術・集団
テーマ①担当
加藤友康 明治大学大学院文学研究科・特任教授 平安時代貴族社会と日記
儀式書史料の文化資源化

平安時代の儀礼・都市
テーマ①②担当
吉村武彦 明治大学文学部名誉教授 奈良時代の文字使用と律令法
令集解・墨書土器のデータベース化

支配・統治と文字の使用
テーマ①②担当
佐々木憲一 明治大学文学部・教授 古墳時代の中央と周縁
日本古代学研究の国際化
都市・国家支配と地方支配
テーマ①②担当
牧野淳司 明治大学文学部・教授 東アジアから見た日本の物語と説話
除秘鈔紙背文書の文化資源化
物語・説話を通した心性の研究
テーマ③担当
井上和人 明治大学文学部・特任教授 中華帝国周縁国家の古代都城の展開過程―出土建築素材論を視野に入れて― 古代都城と出土資料論
テーマ②担当
神野志隆光 明治大学文学部・特任教授 漢字世界としての古代 日本列島における文芸 ―神話・歴史・歌の発見―
古代文芸の生成と変容
テーマ③担当
山﨑健司 明治大学文学部・教授 文学作品の文字使用と表現
萬葉集諸本本文の文化資源化
古代文芸の生成と心性の解明
テーマ③担当
湯淺幸代 明治大学文学部・准教授 王朝物語の構成要素
源氏物語の注釈・講義録の文化資源化
物語と儀礼・心性
テーマ③担当
居駒永幸 明治大学経営学部・教授 日本古代文学と琉球文学の発生
琉球地方旧記類と口承神歌の資料保存
口頭伝承と心性
テーマ③担当
中村大介 埼玉大学教養学部・准教授 ユーラシアにおける交易網の復元と技術移転
金属器及び玉類の分析と文化資源化
東アジアにおける物資と技術の移動
テーマ①担当
山路直充 市立市川考古博物館 製品への記銘からみた生産と負担
記銘製品としての文字瓦の文化資源化
古代の瓦生産と文字
テーマ①②担当
川尻秋生 早稲田大学文学学術院・教授 平安時代仏教の研究
僧伝史料の文化資源化

文芸資料と平安時代論
テーマ②③担当
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研究施設等

 古代学研究所の共同研究室(グローバルフロント8階)は、本プロジェクトの研究推進に関して本部事務室としての役割を持つ。また、外部の共同研究者が利用できる施設でもある。
 古代学研究所は、毎週月曜日~金曜日の10時~17時に常時開室するようにし、毎日、嘱託職員が勤務して会計を含む日常的な業務を担う。そして、RAが数人勤務し業務に従事する。土曜・日曜日も使用することが可能である。
 また、墨書土器データベースの作成をはじめとする各種アルバイト(大学院生)の作業は研究所を使用して行なっている。こうして作成された諸資料や、各地で収集した史・資料の保管庫にもなっている。

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