高齢者のQOL向上には、多くのアプローチがあるが、その一つが再生医療や高度先進医療を支える学問:「生命医工学」であろう。これまでの生命医工学は材料工学・生命科学・医学などの各学問が主体となり、他の学問分野と一定の連携を取りつつ発展してきた。しかしながら、真の意味で、「生命機能の本質を理解し、QOL向上を果たすには、生命医工学を構築する学問群を「深化」させると同時に、これらを川上から川下に流れる大河のように(図1)、「材料工学・材料化学」⇒「生命科学・生化学」⇒「医学・再生医学」の順に垂直統合的に融合させて生命医工学を「進化」させることが我が国の学術水準の強化に必要である。
本クラスターでは、「材料工学・材料化学」、「生命科学・生化学」、「医学・再生医学」の各分野で、第一線で活躍している異分野の研究者が有機的に連携し(図1)、「人工材料に如何に生命を吹き込むか?」を命題として、「生命機能マテリアル」、すなわち、材料自身が細胞や生体に積極的に働きかけて、組織再生の促進や細胞分化・免疫系の亢進などの生命機能を引き出す性質を備えた材料の創製とそれに伴う新しい学術基盤の構築を目指す。
本クラスターでは、上記の命題を実現するため、「材料工学・材料化学」、「生命科学・生化学」、「医学・再生医学」の各分野で、第一線で活躍している異分野の研究者が有機的に連携した体制(図1)で研究を推進している。
氏 名 | 所属・職位 | 役割分担 | |
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研究代表者 | 相澤 守 | 理工学部・教授 | 研究総括 生命機能マテリアルの創製と機能評価 |
研究分担者 | 吉村英恭 | 理工学部・教授 | 生命機能マテリアルの超微細構造解析 |
渡邉友亮 | 理工学部・教授 | 生命機能マテリアルの微細構造制御 および材料特性評価 |
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神澤信行 | 上智大学・理工学部・教授 | 生命機能検証技術の新規構築と実践 | |
松浦知和 | 東京慈恵会医科大学・教授 | ハイブリッド人工臓器の創生と医学応用 |