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中野 直人
明治大学 
総合数理学部 現象数理学科 専任准教授

専門分野:応用数学,データ駆動型力学系モデリング,
     遅延座標系,reservoir computing,
     時系列解析,機械学習の数理,
     気象データ解析,画像解析
     
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データに語らせる

遅延座標系機械学習のモデルを用いて,データ駆動的にモデルする手法について研究しています.

実問題では現象に関わる全ての変数を観測できるとは限りません.部分的な観測変数の情報から全体の力学の推定が必要です.ここではモデルを用いずに推定を行うデータ駆動的な手法を中心に取り扱います.モデルを用いる手法もありますが,解析結果はその設定に引きづられますし,扱う現象によっては解析に有効なモデルを立てられるとは限りません.

また,データ駆動的モデリングでは対象のデータによって適宜モデルを取り替える必要がないこともメリットです.モデルを取り替える代わりに教師データからの学習を行うことで有効なモデルを構成するのです.

部分的な変数から全体の力学の推定はしばしば「埋め込み」と表現される手法を用います.私が研究している遅延座標系は一番素朴な時系列埋め込みの手法です.また,再帰的ニューラルネットワークの学習法の一つである Reservoir Computing もデータ駆動的にモデルする手法です.これも力学系をエミュレートするための手法として着目されています.いわば「時系列データにその現象を語らせる」ことがデータ駆動型力学系モデリングの目的です.

私の主な研究上の興味は,なぜこれらの学習方法がうまくいくか,です.これを数理科学的に研究しています.

また,モデリング手法の研究だけでなく,実問題への応用にも取り組んでいます.主な対象は博士研究員時代から関わっている気象データ解析です.さらに液晶,流体,制御などの研究者と共同研究をしています.

お知らせ

2025年4月1日
着任
明治大学総合数理学部現象数理学科に専任准教授として着任しました.大学院の特任教員から学部の専任教員へと変わり,学部生の教育にも従事します.
2025年3月7日
科研費
学術変革領域研究(A)「学習物理」領域の公募研究に採択されました. 研究課題名は「入出力の寄与を解像したまま統合する拡大ランダムネットワークの統計物理的アプローチ」, 期間は2025, 2026年度の2ヵ年です.
2025年3月3日
研究発表
The 6th International Symposium on Neuromorphic AI Hardware で口頭発表してきました.タイトルは「Designing Random Networks Towards System Control Based on Perspectives of Phase Transitions in Dynamics of Reservoir Computers」です.
2025年2月12日
修論発表
本研究室M2の橋浦亮太が修士論文の発表を行いました.論文題名は「実世界データを用いた予測モデルの出力に対する入力の寄与のSHAPによる検証」です.
2025年2月12日
修論発表
本研究室M2の大森淳寛が修士論文の発表を行いました.論文題名は「不確実性を考慮した動的予測統合モデルによる時系列予測の改善に関する研究」です.
2025年1月4日
研究発表
Dynamics Days US 2025 でポスター発表してきました.タイトルは「Path integral approach to universal dynamics of reservoir computers」です.
2024年12月21日
学生発表
本研究室M2の橋浦亮太が第55回情報論的学習理論と機械学習(IBISML)研究会にて口頭発表を行いました.タイトルは「SHAP値を用いた特徴量選択における予測精度とモデルの解釈可能性の検証」です.
2024年12月21日
学生発表
本研究室M2の大森淳寛が第55回情報論的学習理論と機械学習(IBISML)研究会にて口頭発表を行いました.タイトルは「非定常時系列に対する分位点回帰を用いた指数重み付け平均アルゴリズムの評価」です.
2024年12月13日
学生発表
本研究室M2の橋浦亮太が The 56th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications (SSS '24) にて口頭発表を行いました.タイトルは「Somei-Yoshino Flowering Date Prediction and Interpretation Considering Uncertainty through SHAP Value Distribution」です.
2024年12月13日
学生発表
本研究室M2の大森淳寛が The 56th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications (SSS '24) にて口頭発表を行いました.タイトルは「Uncertainty Quantification and Its Improvement in Machine Learning Using GARCH and DBPS for Time Series Forecasting」です.
2024年9月15日
学生発表
本研究室M2の橋浦亮太が日本応用数理学会2024年度年会にてポスター発表を行いました.タイトルは「東京都の熱中症患者数の1日先予測モデルの精度比較とモデルの解釈」です.
2024年9月15日
学生発表
本研究室M2の大森淳寛が日本応用数理学会2024年度年会にてポスター発表を行いました.タイトルは「東京都の熱中症搬送者数の予測統合モデルの解析とその動的な解釈」です.
2024年5月31日
研究発表
九州工業大学 Neumorph センターのランチョンセミナーで発表してきました.タイトルは「ランダムネットワークの普遍性とそれに基づく時系列タスクの予測性能」です.
2024年5月3日
講演会
8月6日に開催される「高校生のための先端数理科学見学会」で講演します.タイトルは「データを見る:『埋め込み』で探る規則と構造」です.
2024年4月11日
学生募集
現象数理学専攻の大学院博士前期課程の学生を募集します.
・データを数理科学したい人
・機械学習の数理に興味がある人
・データ駆動的に現象を研究したい人
・データ科学に興味がある人
本研究室は現象数理学専攻に所属していますので,微積分,線形代数,確率・統計,プログラミングの基礎的な知識・技術が必要です.

本研究室を希望する人は大学院入試の出願前に必ず私に相談してください.気軽にメールでOKです.
募集要項等,詳しくは「2025年度入試試験」を見てください.
2024年4月8日
院生配属
2024年度前期博士課程1年生の中原涼次が本研究室に配属されました.研究テーマは「投資家行動に基づく為替予測に関する統計的研究」です.
2024年4月8日
院生配属
2024年度前期博士課程1年生の Wang YunPeng が本研究室に配属されました.研究テーマは「火山噴火予測時系列モデルの汎用性研究」です.
2024年4月1日
院生配属
2024年度前期博士課程2年生の大森淳寛が本研究室に異動になりました.研究テーマは「ベイズ予測統合モデルによる予測精度の改善とモデルの解釈」です.
2024年4月1日
科研費
基盤研究(C)に採択されました. 研究課題名は「代数幾何の理論に基づいた力学系の変数間の因果関係についての数理科学的研究」, 期間は2024年度から4ヵ年です.
2024年3月16日
学生発表
本研究室M1の橋浦亮太が情報処理学会第86回全国大会の学生セッションで発表しました.タイトルは「機械学習モデルに対するSHAPに基づく貢献度評価の検証」です.
2023年5月23日
講演会
茨城県立日立第一高等学校の科学講演会を担当しました.講演タイトルは「AIの時代における学問としてのデータ科学」です.
2023年4月25日
副ゼミ
2023年度前期博士課程1年生の小山勝之さん(乾研究室)の副ゼミを担当します.
2023年4月1日
院生配属
2023年度前期博士課程1年生の橋浦亮太が本研究室に配属されました.研究テーマは「機械学習による開花日等生物記録の予測とその応用」です.
2023年4月1日
科研費
学術変革領域研究(A)「学習物理」領域の公募研究に採択されました. 研究課題名は「入出力を統合した拡大ランダムネットワークに対する統計物理的・力学系的アプローチ」, 期間は2023, 2024年度の2ヵ年です.
2022年4月11日
副ゼミ
2022年度前期博士課程1年生の富田隼輔さん(中村研究室),長島暉さん(乾研究室),林良輔さん(乾研究室)の副ゼミを担当します.
2022年4月1日
着任
明治大学大学院先端数理科学研究科に特任准教授として着任しました.

CV

私のCVを載せています.



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