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清楽「金銭花」「売脚魚」「尼姑思還」「耍歌」
「四季」「万寿寺宴」「月宮殿」「剪剪花」「漫波流水」
「富貴双聯」

最初の公開2011-6-11 最新の更新2011-7-17
金銭花」「売脚魚」「尼姑思還」「耍歌
四季」「万寿寺宴」「月宮殿」「剪剪花」「漫波流水」  [富貴双聯]

金銭花 きんせんか
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 満月の庭で椅子にすわり月琴を弾く女性の絵。
 金銭花は別名「金盞花」「長春花」「ポットマリーゴールド」、学名はCalendula officinalis。
 歌詞の「潘必正(はんひっせい)」と「陳姑」の恋愛物語については、弊サイト内の「秋江・あらすじ紹介」 や、「京劇実況中継・逼[人至]赴科」を御覧ください。
 曲の中盤ののんびりした旋律は、1979年の京劇来日公演『孫悟空 大閙天宮』(中国京劇院三団、主演・李光)の終盤、孫悟空と天将との戦いのシーンでも 使われており、同公演のビデオ(以前NHKで放送)や録音(LPレコード。廃盤)で聴くことができる。

売脚魚 ばいきゃくぎょ (別名「平和調」)
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 食用のスッポンを売り歩く婦人と、客の絵。
 「脚魚」はスッポンの意味。サンショウウオを指す場合もある。スッポン売りの婦人と、客のセリフのかけあいの、寸劇風の歌である。歌のあいだに長いセリフの会話が入る。


尼姑思還 にこしかん/にこしげん
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 満月を望む書斎。いわゆる「明窓浄机(めいそうじょうき)」の絵。
若い尼僧が、禁断の恋に身を焦がして嘆く、長篇の歌。僧侶や尼僧が、普通の俗人の生活に戻ることを 「還俗(げんぞく)」と言う。歌のタイトルは「若い尼が還俗したいと思う」という意味。

耍歌 さか
[作成中] 
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑

四季 しき
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 中国の琵琶(日本の琵琶より薄く華奢なつくり)を弾く女性の絵。
女性の恋心を、春夏秋冬の四季それぞれの推移にからめた歌ったもの。

万寿寺宴 まんじゅじえん
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 寺の敷地内でくつろぐネコの絵。
 万寿寺という名前の寺は、中国にも日本にも、それぞれ複数ある。
 昔の寺には、ネズミが経典をかじるのを防ぐため、ネコを飼っていた。この寺のネコはものぐさだったが、 和尚はユーモアをこめて「うちのネコは、仁義礼智信の五徳をわきまえている。ネズミを見てもつかまえないのは、仁だ。 飢えたネズミが食べ物をかすめても見逃してやるのは、義だ。 …」云々と、ネコの無能ぶりを、強引に五徳に結びつけた。それを聴いた客(たち)は大笑いした。
※この曲のMIDIの作成にあたり、 CHARLIE ZHANG氏の[月の琴・清楽庫]の「『声光詞譜』明治11年 平井連山 撰」版に基づく復元 を参考にさせていただきました。

月宮殿 げっきゅうでん
(簡)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑
 長篇の器楽曲。後半で、白楽天の漢詩「長恨歌」の中の一節が、 歌詞として挿入され、歌われる。「驪宮高き処青雲に入り、仙楽風に飄えりて処処に聞こゆ。 緩歌慢舞糸竹を凝らし、尽日君王看れども足らず。 漁陽の鼙鼓地を動して来たり、驚破す霓裳羽衣の曲。」の部分である。

剪剪花 せんせんか
(簡) (和)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 花瓶や鉢に入れられた季節の花の絵。
 「剪剪花」は「花にちょっとハサミを入れる」ないし「何度も繰り返しハサミを入れる」の意。
 正月(一月)から十月まで、各月を代表する花と男女の恋の様子を「数え歌」ふうに歌う。写真の歌詞でも見える「張生」云々は『西廂記』の故事。

漫波流水 まんはりゅうすい
(簡)
月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑ 月の大河に舟を浮かべ、月琴や笛の合奏を楽しんでいる絵。
「流水」は本来、歌詞の無い純器楽曲を指すが、この曲は短い歌詞(恋愛に関するもの)が挿入されている。

富貴双聯 ふうきそうれん
(簡)
月琴楽譜,清楽 月琴楽譜,清楽
『月琴楽譜』1877年↑
清楽曲譜,富貴双聯
『清楽曲譜』1893年↑

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