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高度癌治療を指向した生体吸収性セラミックス微小球の創製と薬物送達システムの構築

 癌は常に我が国における死亡率の上位を占め、総死亡の約30%となっています。近年、担癌患者のQuality of Life (QOL)の観点から、低侵襲な外科的手技が要求される時代となってきました。そこで、本研究では、医工連携による新しいがん治療法を構築することを目的として、以下の研究を進めています。まず、超音波噴霧熱分解法により生体吸収性をもつセラミックス中空球状粒子を合成し、その中空球状粒子をキャリアーとするドラックデリバリーシステム(DDS)を構築し、実際の臨床応用に則した実験動物モデルによる評価を行なっています。これまで、生体吸収性をもつリン酸三カルシウム(TCP)からなる中空のセラミックス微小球の合成に成功し、その微小球を利用した薬剤送達システム(DDS)の確立を目指し、血管新生抑制剤などの薬剤の担持およびその徐放について調べ、この微小球は薬剤の二段階徐放が可能であることを明らかにしています。さらに、微小球の表面にナノスケールの気孔を形成させるプロセスの確立にも成功している。また、国際医療福祉大学の江本教授との共同研究により推進した、腫瘍化させたヌードマウスを用いた抗腫瘍効果を検証する実験では、TCP微小球と薬剤とを組み合わせたものが特に優れた抗腫瘍効果を示すことが分かりました。この微小球と血管新生抑制剤を組み合わせたこの方法は新しい「がん化学塞栓療法」として位置づけられます。

生体吸収性セラミックス中空微小球による癌治療
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Laboratory of Biomaterials Department of Applied Chemistry School of Science and Technology Meiji University