音、形、言葉など、人間が創り出す芸術的表現について、理論や技術、歴史を学ぶのが芸術学だ。制作や演奏を中心に学ぶ実技系と、学問として芸術の本質を研究する理論系に分かれる。
実技系では、美術・音楽・デザインなど、分野ごとにいろいろな学科・コースが設置されている。美術分野では、絵画・彫刻などについて理論と表現手法を学び、制作に取り組む。音楽分野では、声楽・器楽などの個人レッスンやアンサンブル練習をメインに、音楽理論の講義などが組み込まれている。デザイン分野では、グラフィック、ファッション、プロダクト、建築、空間などのコースが開設されている。そのほか、文芸・演劇・舞台美術・写真・映像などの表現技術を使って制作する分野もある。
理論系では、美学・美術史、音楽学など、芸術一般として理論を中心に学ぶ。芸術大の理論系学科では、基礎的な実技も学べるところが多い。
2011/05/10 ゴールデンウィークのれんが屋に集結して、おしゃべりをつづける男たちがいます。 ゲスト:伊平容子さん、篠木雅博さん、徳山雅也さん、奥田誠治さん、伊藤綾子さん 長年ジブリ作品のサウンドトラックを手がけるレコード会社、徳間ジャパンコミュニケーションズ代表取締役社長 篠木雅博さん。 風の谷のナウシカ以来、ジブリ作品の宣伝プロデューサーをつとめた徳山雅也さん。 そして三丁目の夕日などで知られる日本テレビの映画プロデューサー奥田誠治さん。 彼らは、それぞれ、鈴木さんの友人たちなんですが、この三人は、実はもっと以前から深く強い運命的な絆で結ばれていたんです。その絆とは・・・? 彼ら三人は、なぜかみんな、明治大学の出身なんです。 ジブリ汗まみれ。 今週も先週に引き続き、ゴールデンウィークスペシャル! 謎の明治大学の集いの模様をお届けしたいと思います。 鈴木さんの周りにはなぜ明治大学出席者ばかりいるのか? このコンプライアンス全盛の時代に、なぜ、野武士のような彼らが、エンターテイメント業界のトップを走りつづけることができたのか? たぶん、その分けのわからない謎を探るには、明治大学という時代のサインを読み解く必要があるみたいです。 (以下略) |
546号(2004年 10月15日発行)特別企画 北野武氏座談会 −知られていなかった明大時代を語る-
「和泉校舎は憧れていたんだけどね。文化系は、女の子もいるし、キャンパスらしいじゃないですか。明大前だし。それがいきなり生田校舎に行かされて、女の人は食堂のオバサンしかいないし、化学にひとり女の子がいるっていう噂を聞いて、教室をのぞきに行ったことがある。」 「よく言うんだけど、数学できない人が文学とか映画は撮ったらだめ、つくったらだめというのは、「映画における因数分解」というような言い方をするわけ。ファクタライゼーション、要するに、Xという殺し屋がいる。Xが、Aという人、Bという人、Cという人を殺すときには、映像的には、A×Xというシーンを撮らなければいけない、同じようにB×X、C×Xというシーンを撮らなければいけない。それでXは、A・B・Cとかかわるわけ。因数分解になると、Xという人が拳銃を持って血を流して歩く。ただ歩くだけ。その歩いている中にAの死体、Bの死体、Cの死体をただ映す。そうすると、Xはこういう人を殺したとなるわけよ。細かくいちいち撃つシーンを何回も使わなくてもいい。それは、X(A+B+C)で、だから因数分解になるわけ。2乗とかルートというような、強引にルート的な映像をつくる。そういうのが無感覚になっている人もいるけど、数学的に解釈すると、そういうふうになるというかね。」 |
547号(2004年 11月1日発行)特別企画 北野武氏座談会(続) −「粋」に生きていこう−
「自分の歳とかを考えて、うまい絵を描こうとすると絶対うまい絵じゃないから、誰も見てないことにして、自分で一生懸命描く絵といったら、たいてい子どもの絵になりますよ。それがパッといいのものができちゃうときがある。恥をかきたくないからいい絵を描こうとする。映画もみんなそうだけど、正直にやっちゃえ、これしかないんだとやったほうが勝ちですね。」 「歴史というものは、急に手を入れるとすごく下品なものになってしまう。明治はやはり、早稲田でもないし慶応でもない。法政でもない。そのへんが明治の何と言うか…。」 「明治は明治らしくと言うんだけど、明治らしくというのは、基本的には人が言ってくれること。自分がその学校の中でいかに明治らしくやろうかということではなくて、自分たちにはいろんな義務も権利もあるけれども、自由な発想の中で一生懸命、自分なりに学んだり遊んだりすることで、結果的に周りから、明治カラーというか、明治の学生らしいなというように言われてほしい。無理しなくていいから。基本的には伝統とか、先輩・後輩、教授の皆さんに相対する礼儀とか言わないけれども、自分がいちばん好きなのは「粋(いき)」。人間関係は粋じゃない人は嫌いで、お酒を飲んでも粋な人がいいし、何でも粋な感じ。「粋さ」というのが、常識をわきまえた形のもうひとつ上のステップの生き方だと思うので、粋に生きてください。」 |
私は学部の4年間、理工学部教授の7年間のみが明治の中の生活でありました。しかし、母校明治を思う心は向殿前会長に勝るとも劣らないという自負はあります。ちなみにわが弟の北野武は明治大学の理工学部機械工学科、当方の息子は商学部商学科の卒業です。弟の8年、息子の4年間を併せても向殿先生の明治の中の生活の期間には到底及びません。
「法学部を選んだのは、将来のことを考えたときに一番つぶしが利くと思ったから。ただ興味は映画や演劇などのサブカルの方向にあり、法律の授業は必修以外は取っていませんでした。それよりも倫理学や社会学など、人間の探求と呼ぶべき授業のほうが熱心でした。映画も結局は人間を撮るわけで、つながるところがあるんですよね。」 「大学3年のときに、日本シナリオ作家協会が主催している夜間講座に通ったんです。そこで映画の助監督をしている人に 出会い、大学に通いながら映画制作の現場を経験するチャンスをいただいたんです。4年生のときにはもう1作品、見習い助監督として現場に携わることができて、心に決めたんです、「この世界で生きていこう」と。だから就職活動はしていません。できるだけ映画に浸る時間を多く取りたいと考え、論文も極私的映画論というテーマでまとめました。今考えると、よく単位を取れたものだと感心しますね。」 「もし学校で専門的に映画を学んでいたら、映画サークルに入っていたら、別の形で映画の世界に辿り着いたかもしれないけど、監督という立場ではなかったかもしれない。そう考えると、映画とは無縁に思われる法学部を選んだからこそ、今の自分があるとしか思えなくなってくる。/本当、人生って不思議なものですよね。」 「映画は机上で学ぶものではなく、自分で掴んでいくものだと思うんですよね。その点、大学とよく似ていて、“自由”の中に自分の触手に引っかかるものがいっぱいある。しかし常に自分を開いていないと何も掴むことはできない。まずできることは、自分から動くこと。それが大学時代に何か掴むために唯一できることだと思います。」 |
特別対談の第一回にご登場いただくのは、国民的アニメとして愛される『タッチ』で声優として共演した三ツ矢雄二さんと日のり子さん。明治大学文学部ご出身の三ツ矢さんと、お子様が明治大学卒業生というお立場の日さんは、これまでお仕事での共演はもちろん、明治大学という絆でも交流を続けているそうです。明治大学の印象や『タッチ』収録秘話までお話を伺いました。
三ツ矢 僕は高校卒業後、映像関係の専門学校に2年間通いました。そこで映画やシナリオについての勉強をする中で、自分には知識と体験が足りないと感じることが多々あり、専門学校卒業後に明治大学に入ることを決意しました。高校卒業時に専門学校に行くか大学に行くかを考えた時にも、大学に行くなら明治大学しか考えていませんでした。 日 息子が在籍した国際日本学部は、当時は創設10年に満たない学部でした。彼は英語が好きなのですが、他大学で英語関係の学部に進んでいたら明治で体験したような素晴らしい先生や授業には出会うことがなかっただろうと思います。授業の合間にはオフィスアワーといって趣味や流行などに関して英語だけで話し合うという自由な場があり、息子はそこに通って学習意欲の高い仲間と出会い、楽しみながら英語力を高めることができたと言っています。 三ツ矢 実は僕も、英米文学のゼミで英語が話せるようになり感謝しています。授業で出された課題の原書を辞書片手に何冊も読み、さらにジャズ研で歌いながら英語の独特の言い回しを覚えることで、理解がどんどん深まっていきました。僕は明治大学で学んだからこそ英語が話せるようになったと思っています。 日 国際日本学部では、英語と同じくらい日本文化についても学ぶのですが、そのジャンルもファッションや映画、ポップカルチャーなど多岐にわたっていて、息子はどの授業も聞き逃したくないという勢いで大学に通っていました。これからも、明治大学は社会のニーズに合った「個」を伸ばす取り組みを先頭に立ってやっていただけるのではないかと大いに期待しています。 |