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コンサーティーナ入門(3)

最初の公開2011-10-23 最新の更新2016-6-21

[歴史] [基本三大奏法] [廉価版vs特注品] [中身] [過去のワークショップ]

【歴史】
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【アングロ・コンサーティーナの基本3大奏法】
基本三大奏法の弾き方の例
(1)バイオリン的奏法(単旋律 monophony)→(2)ピアノ的奏法(対旋律 counterpoint)→(3)アコーディオン的奏法(和音伴奏付き homophony)
Eight Molodies - Mother
死んだ男の残したものは

 おおむね、以下の三種類の弾き方があります。
(1)バイオリン的奏法:両手で主旋律だけを引く。
 →メリハリをつけやすい。細かい装飾音をつけることもできる。アイリッシュ音楽などにも適している。
(2)ピアノ的奏法:右手と左手で同時に別の音を出す。
   右手と左手で一オクターブ違いのユニゾンを弾く。
   右手で主旋律、左手で対旋律を弾く。
(3)アコーディオン的奏法:右手で主旋律、左手で和音伴奏を弾く。
cf.ピアノの練習曲をコンサーティーナで弾いてみると…
いわゆる「バッハのメヌエット」2曲

上記の三大奏法に「ギターのコード弾き的奏法」を追加して「基本4奏法」とする場合もある。
コンサーティーナの基本4奏法
(1)主旋律(メロディー)だけを弾く。
バイオリン的奏法
monophonic; play melody(main melody) only
(2)和音伴奏だけを弾く。
ギターのコード弾き的奏法
chordal accompaniment; play chords only
(3)主旋律と、助奏や対旋律を同時に弾く。
ピアノ的奏法
play melody with some obligato(obbligato) or counter line(counter melody)
(4)主旋律と和音を同時に弾く。
アコーディオン的奏法
homophonic; play melody and chords together
 アングロ・コンサーティーナの場合、おおむね(2)→(1)→(4)→(3)の順番で難しくなります。
【提言】初心者はまず(2)「和音伴奏だけを弾く」からやってみよう。
[左手で基本的な和音を鳴らす練習のための頁]
 和音伴奏のメリットはこんなにある!!
和音を覚えたら、(1)「メロディーだけを弾く」に挑戦してみよう。
和音とメロディーが弾けるようになったら、(4)や(3)の奏法にも挑戦してみよう。


【アングロの和音伴奏】左手の指の形を自分で工夫して、同時に複数のボタンを押す。
 同じ和音でも、押すときと引くときでは、指の形も、出る音高の組み合わせも変わる。
 アコーディオンのベースボタンと違い、いろいろな表情の和音を自分で作れる。
 詳しくは[
左手の和音伴奏の頁]を参照。


【購入時の注意】
 コンサーティーナは全て輸入品。国産品はない(探せばあるのかもしれませんが、日本製は見たことがありません)。
 リードは単音か複音か。機種ごとにリードの音色が全然違うので、要注意。
 自分が引きたい音楽と、機種の「調」は合っているか?(C/Gが多いが、そうでない機種もある)。
 中古品の商品は少ない。
 ネット販売や個人輸入の危険性。修理できる店は限られている。
 売り手は「コンサーティーナ」という楽器をちゃんと理解しているか?(理解不足の売り手だと、ボタンのバネなどの不調があっても気づかすに客に売ってしまう場合も)


【廉価版vs特注品】
 アングロ・コンサーティーナは、量産品と特注品では、音色も価格帯も弾き心地も、全く違う(他の楽器も同様ですが)。
 特注品は、この世界では有名なコンサーティーナ作りの職人が一台一台、作ります。コンサーティーナの世界的な名人は数が限られているため、 注文してから納品まで数年間かかるのはざらです。値段は数十万円以上します。
 量産型は、日本でも、楽器店の店頭とか、インターネットの通販で、作り置きの新品を購入できます。値段は数万円台です。量産型、と言っても、自動車のように工場でロボットが大量生産している訳ではなく、19世紀ながらの「家内制手工業」で無名の職人が手作りで細々と「量産」している、という意味です。
 価格・質の順番に並べると、以下のようになります。
新品の価格相場リード機構呼ばれかたの例
特注品上(40万円以上)コンサーティーナ用の高級品本格的craftsman-made (名工の手製)
中(20万円前後)アコーディオン用を転用本格的hybrid model(ハイブリッド・モデル)
量産型並(10万円未満)アコーディオン用を転用簡易式entry level(入門レベル)、student model(学生用)
 特注品のレベルのコンサーティーナを作っているのは、2012年現在、欧米諸国の工房で、数は限られる。日本では、ネット等で英語を使って注文するしかない。
 量産型のコンサーティーナでも、欧米のメーカーのブランドのものは、それなりに良い物もある。
 中国製の量産型は、一般に、安価な粗悪品である、という認識が広がっている。

別の言い方でまとめると、以下のようになります。
買える場所価格帯特長音色・弾き心地
量産型日本の楽器屋さん等。
アフターサービス(修理、調律等)も可能な、良心的な店がおすすめ。
数万円お手頃 アコーディオンやハーモニカに近い没個性的な音色。そのぶん音色にクセがなく、 日本や外国の様々なジャンルの曲が弾ける。
価格が安すぎる機種(アジアの国の製品など)は、新品でも、ボタンが引っかかるなど、不良品に近いものもあるので要注意。
特注品外国の職人にオーダーメイド。
or 外国語のインターネット・オークションで 骨董のブランド品を入手。
数十万円高級感コンサーティーナ独特のひなびた響きと、 甲虫の羽音のような唸りが魅力。 そのぶんクセが強いので、アイルランドの伝統音楽など、エスニック音楽に向いている。
職人の手作りなので、ボタンのタッチは軽く敏感で、極上の弾き心地の機種も多い。そのぶん、購入にあたっては、 時間や手間、外国語の壁、アフターサービスの不備、トラブルなどのリスクを伴う。
 筆者が弾いてるのは、東京の谷口楽器で購入した量産品(バスターリ、アングロ・コンサーティーナ、40ボタン、C/G調)です。 値段は「数万円台」の範囲でした(^^;;
 2011年度現在、量産型アングロ・コンサーティーナの大体の相場(税込み価格)。20ボタン(3万円〜5万円台。この価格以下はすぐ壊れる粗悪品が多い)、 30ボタン(7万円台)、40ボタン(8万円台)。多少の値引き交渉や、セール期間中の特価などもある。「量産品」といえども庶民感覚では高いが、アコーディオン等にくらべれば割安。
 

【コンサーティーナの中身】inside of the concertina
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【過去のワークショップ】workshops at Taniguchi Gakki
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