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KATO Toru's concertina page
コンサーティーナ入門(2)

最初の公開2011-10-23 最新の更新2015-2-25

【コンサーティーナの各部の名前】 parts of concertinas
アングロ・コンサーティーナ
Anglo concertina
anglo concertina,bastari,stagi
写真協力 谷口楽器
イングリッシュ・コンサーティーナ
English concertina
English concertina,bastari,stagi
写真協力 谷口楽器

 コンサーティーナの各部位の呼び方は、決まった名前はなく、演奏者や楽器店によって呼び方はさまざまです。
 アングロにだけある部品(A)、イングリッシュにだけある部品(E)、両方のタイプに共通の部品(A/E)の三種類があります。
(1)【 button(s) 】A/Eボタン ボタン鍵盤
(2)【 air valve button 】Aエアバルブ・ボタン 空気抜きボタン 空気弁
(3)【 grille(s) 】A/Eグリル 有孔板(ゆうこうばん) 「かざり窓のような模様の穴のなある板」
(4)【 palm rest(s) 】Aパームレスト 掌台(しょうだい) 手のひらをのせる台
(5)【 hand strap(s) 】Aハンドストラップ 手バンド 「手のひらをくぐらせるベルト」
(6)【 end frame(s) 】A/Eエンドフレーム 筐体(きょうたい) 端部枠 共鳴枠 「六角形/八角形の箱みたいなところ」
(7)【 bellows frame(s) 】A/Eベローフレーム 蛇腹枠 「蛇腹の両脇の内側の、額縁みたいな木枠」
(8)【 bellows 】A/E蛇腹(じゃばら) ベロー
(9)【 bellows strap(s) 】A蛇腹どめ 蛇腹のバンド 「蛇腹をとめるホックつきのバンド」
(10)【 thumb strap(s) 】E親指どめ 親指ベルト 「親指をさしこむベルト/バンド」
(11)【 finger rest(s) 】Eフィンガーレスト 「小指を置くための、耳のような金具」

 以下、それぞれの部位を解説します。

(1)ボタン
 ドレミファ・・・などの音を出すための「ボタン鍵盤(button key)」です。左右両面にあります。
(2)エアバルブ・ボタン
 「空気弁」のボタンです。押引異音式(ダイアトニック diatonic / バイソニック bisonic / バイソノリック bisonoric)のコンサーティーナの、片側にだけついてます。親指で操作します。
(3)グリル
 グリル(grille)は英語で「有孔板(穴があいた板)」とか「網状、もしくは格子(こうし)状の窓」の意です。
 自動車の前部のラジエターグリルとか、アコーディオンのグリルカバーの「グリル」と同じ意味です。
 料理用語の「グリル」(grill)と混同しないでくださいね(^^;;
 金属製のグリルと、木製のグリルがあり、前者のほうが音色がやや鋭くなります。
 楽器の内部で鳴る金属リードの音が、楽器の外に出るよう、グリルには模様のような「窓穴」がたくさんあいています。 この窓穴の模様のデザインは機種によってさまざまです。
(4)パームレスト
 手のひら(パーム)を置いて固定するための台です。掌台(しょうだい/てのひらだい)と呼ぶ人もいます。 パームレストは楽器専用の単語ではなく、パソコンのキーボードを打つ時にパソコン用の パームレストを使う人もいます。
 パームレストは、バンドネオンとアングロ・コンサーティーナにありますが、イングリッシュ・コンサーティーナにはありません。
(5)ハンドストラップ
 手をはめこんで固定するためのベルトです。イングリッシュ・コンサーティーナにはありません。
(6)エンドフレーム
 英語の「エンド」は「終わり」とか「末端」の意味があります。日本語「末端」は細く尖ったイメージがありますが、 英語の「エンド」(端部)は広い面や、部分を指すことが多く、必ずしも尖っていません。
 コンサーティーナの両脇の面板(写真の機種は六角形の板)、ないし箱状の部分を、英語ではend(エンド)と言います。
 左の写真は、筆者が愛用している40ボタンのコンサーティーナのエンドをはずし、中身の「からくり」を取り出し、面板を裏側(内部側)から見たものです。
 日本語では、両脇のこの部分を「筐体」(きょうたい)とも言います。筐体とは、機械じかけの「からくり」を収納した箱、という意味の日本語で、楽器以外でも家電製品などで使う用語です。
 また、この部分を「共鳴枠」「ハウジング(収納箱)」などと呼ぶ人もいます。
 コンサーティーナの筐体の中には、時計じかけのような、音を出すための「からくり」が収納されています。(楽器の中身の頁も参照)
 エンドの面板には、金属製のエンドと、木製のエンドがあり、前者の音色は鋭く、後者の音色は柔らかくなります。 普通は穴があいているため「グリル」と呼ばれますが、まれに、わざと面板に穴をあけない機種もあります。
 エンドを含む枠(フレーム)を、エンドフレームと言います。フレームは「額縁(がくぶち)」とか「枠(わく)」という意味です。
(7)蛇腹枠(じゃばらわく)
 蛇腹をエンドフレームにつなげ、空気がもれないようにしっかり固定する部分です。
 右の写真は、筆者が愛用している40ボタンのアングロ・コンサーティーナの、高音部のエンドをはずした状態です。 蛇腹枠の中はからっぽで、そのまま蛇腹とつながっています。(楽器の中身の頁も参照)
(8)蛇腹
 蛇腹(じゃばら)は、「ふいご」のように空気を送るため、蛇の腹部のような折り目の付いた袋の部分です。
 蛇腹の材質は、機種によって、皮革、布、紙など、さまざまです。
 日本語のカタカナ英語では「ベロー」と言いいますが、本場の英語では一個の蛇腹でも(折り目が複数あるため)「ベローズ(bellows)」と複数形で言うのが普通です。
 蛇腹の折り目の数によって「六つ折りの蛇腹(6 fold-bellows)」「八つ折りの蛇腹(8 fold-bellows)」のように言います。
(9)蛇腹どめ
 蛇腹を縮めた状態で固定するためのベルトです。写真の機種では、ベルトの端に、ホック(金属製の留め具)がついています。
 アコーディオンには普通、蛇腹どめがついています。 しかしコンサーティーナでは、蛇腹どめのベルトがついていない機種も多いです。
(10)親指ベルト
 イングリッシュだけにあります。アングロにはありません。親指をベルトの輪の中にくぐらせ、固定します。
(11)小指置き
 イングリッシュだけにあります。アングロにはありません。小指を置くための、耳のように突き出た金具です。


[コンサーティーナの内部構造の写真を見る]

【コンサーティーナの種類】 types of concertinas
ざっくり言うと…
・価格。手軽に楽器で遊びたいなら、店頭品の数万円の楽器でOK。プロになるなら、数十万円以上で数年待ちの楽器が必要。
・遊び感覚で弾くアングロ。芸術家肌のイングリッシュ。珍しいデュエット。
・アングロのボタン数。20ボタンの機種はおもちゃ。30ボタンはアイリッシュ音楽向け。40ボタンならアニメソングも独奏可。
cf.例えば、スーパーマリオブラザーズのテーマを遊び感覚で弾きたいなら、40ボタンのアングロがお勧め。


楽器名蛇腹操作種別YouTube
concertina
コンサーティーナ
双面手風琴
chromatic
クロマチック
押引同音式

unisonic
(unisonoric)

ユニソニック
(ユニソノリック)
一音式
English concertina
イングリッシュ・コンサーティーナ
英式双面手風琴
duet concertina
デュエット・コンサーティーナ
二重奏双面手風琴
diatonic
ディアトニック
押引異音式

bisonic
(bisonoric)

バイソニック
(バイソノリック)
二音式
German concertina
ジャーマン・コンサーティーナ
独式双面手風琴
Anglo concertina
アングロ・コンサーティーナ
英系双面手風琴
※主に、この楽器を紹介します!
Franglo concertina
フラングロ・コンサーティーナ
仏英折衷式双面手風琴


【アングロvsイングリッシュ】 2種類のコンサーティーナの比較
Anglo vs English : which concertina do you chose?
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立奏の例

Anglo concertina, playing standing
アングロは、手のひらをすっぽりと皮ベルトに入れるので、楽器を手で保持しやすい。 アングロなら、立奏や歩奏など、不安定な姿勢でも演奏は簡単である。


立奏用の首かけひもの製作
making Anglo-concertina strap for standing performance
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