2017年4月7日
論文集「「しなやかな著作権制度に向けて―コンテンツと著作権法の役割」の刊行について
明治大学知的財産法政策研究所では、科学研究費補助金基盤研究(A)(平成23-27年度)による研究プロジェクト「コンテンツの創作・流通・利用主体の利害と著作権法の役割」(研究代表者:中山信弘)を進めてまいりましたが、本プロジェクトによる研究成果のまとめとして、論文集「しなやかな著作権制度に向けて―コンテンツと著作権法の役割」を2017年4月7日に信山社より刊行いたしました。
中山信弘・金子敏哉編
『しなやかな著作権制度に向けて―コンテンツと著作権法の役割』(信山社)
* 信山社のサイト上の本論文集に関するページはこちらとなります。より詳細な目次も記載されています。
本論文集の刊行に合わせて、その概要(収録論文の要旨等)をまとめた「本書について」をPDFファイルにより本ページ上にて掲載いたしました。また、2016年3月に開催された本論文集に関するシンポジウムの議事録の公表も開始していますので、合わせて御覧頂ければ幸いに存じます。
本論文集は当初2016年6月の刊行を予定しておりましたが、諸般の事情により刊行が大変に遅くなりましたことをお詫び申し上げます。刊行の遅延に関連して、2016年11月30日から実施をさせて頂いていた権利制限の一般規定関連論文の先行公表については、5月7日をもって終了させていただきました。
本プロジェクトによる研究活動には、プロジェクトにご参加を頂いた先生方の他、アンケートやインタビュー等の調査、研究会やシンポジウムへのご参加等、大変多くの方にご協力を頂きました。皆様のご協力により、研究成果を本論文集として公表することができましたことを御礼申し上げます。
2017年4月7日
金子敏哉(明治大学法学部准教授)
【論文集の目次】
しなやかな著作権制度に向けて〔中山信弘〕
◇「本書について」〔金子敏哉〕
◆第Ⅰ部◆ 権利の内容・制限と利用許諾
◆第1章◆ぼくのかんがえたさいきょうのちょさくけんせいど――新しい方式主義の構想――〔田中辰雄〕
◆第2章◆著作権法の設計――円滑な取引秩序形成の視点から――〔前田 健〕
◆第3章◆権利制限の一般規定――受け皿規定の意義と課題――〔上野達弘〕
◆第4章◆大量デジタル情報の利活用におけるフェアユース規定の役割の拡大
――著作権法(個別制限規定)の没落と自生的規範の勃興――〔潮海久雄〕
◆第5章◆権利制限の一般規定の導入と運用――韓国の経験から――〔張 睿暎〕
◆第6章◆イギリスにおける公益の抗弁について
――権利制限の一般規定を目指す我が国に与える示唆――〔渕 麻依子〕
◆第7章◆拡大集中許諾制度導入論の是非〔今村哲也〕
◆第8章◆引用規定の解釈のあり方とパロディについて〔横山久芳〕
◆第9章◆同一性保持権侵害の要件としての「著作物の改変」
――改変を認識できれば「改変」にあたらない説――〔金子敏哉〕
◆第10章◆建築作品の保存――所有者による通知の義務・作者による取戻の権利――〔澤田悠紀〕
◆第Ⅱ部◆ 著作権法における実証と理論
◆第11章◆アジアにおける海賊版マンガから正規版への移行過程と残る諸問題――台湾とタイの事例を中心に
◆第12章◆いわゆる「著作権教育」の観察と分析から得られる著作権制度の現状と課題について〔小島 立〕
◆第13章◆フェアユースの是非――クリエイターの意見――〔田中辰雄〕
◆第14章◆マンガ・アニメ・ゲームの人物表現における類似判定に関する調査報告〔白田秀彰 〕
◆第15章◆マンガ・アニメ・ゲームにおけるキャラクターの本質的特徴について〔白田秀彰〕
◆第16章◆模倣の社会的意義を見極める方法を考える〔寺本振透〕
◆第17章◆著作権法におけるルールとスタンダード・再論――フェアユース規定の導入に向けて――〔島並 良〕