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明治大学 理工シーズ

理工シーズ#2

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異方性と物性・機能制御

〇相澤守・田原一邦・小原学・楠瀬博明・小椋厚志

  • 9)産業と技術革新の基盤をつくろう

自然界、特に「生物」の世界は「異方性」にあふれています。例えば、ヒトの骨や歯などの硬組織に着目すると、それらの無機成分は「アパタイト」であり、それは体の部位により異なる配向性(異方性)をもっています。水酸アパタイト(HAp)は六方晶系に属し、a面およびc面という二つ結晶面を等方的に有していますが、ヒトの生体骨中のアパタイトはa面が、歯のエナメル質のそれはc面が多く露出した特異な配向構造をもっています。「なぜ、ヒトは組織部位により異方性の異なるアパタイトを選んだのか?」これが本研究の着想のきっかけです。

理工シーズ#2では、生体骨や歯のエナメル質のモデルとなりうる二種類の「アパタイト単結晶粒子」の合成に功しました!

生体骨モデルの「アパタイトファイバー」から気孔率や細孔構造を 制御した「多孔質セラミックス」を作製できます。これらの多孔質セラミックスは高い骨形成能を備えています。

相澤教授 顔写真

理工学部 応用化学科 教授

相澤守

MAMORU AIZAWA

 自然界、特に「生物」の世界は「異方性」にあふれている。例えば、ヒトの骨や歯などの硬組織に着目すると、それらの無機成分は「アパタイト」ですが、同じアパタイトでありながら、生体骨と歯のエネメル質とでは異なる構造をもち、その性質が異なります。これを「異方性」と呼び、実際、骨のアパタイトは体の中で吸収されやすく、歯のエネメル質は溶けにくいという違いがあります。我々はその異方性に着目して、「異方性と材料物性・機能との関係性」を明らかにして、新しい材料設計指針を提案します。我々の取り組みが社会に新しい価値を創造できればうれしいです!

 自然界、特に「生物」の世界は「異方性」にあふれている。例えば、ヒトの骨や歯などの硬組織に着目すると、それらの無機成分は「アパタイト」ですが、同じアパタイトでありながら、生体骨と歯のエネメル質とでは異なる構造をもち、その性質が異なります。これを「異方性」と呼び、実際、骨のアパタイトは体の中で吸収されやすく、歯のエネメル質は溶けにくいという違いがあります。我々はその異方性に着目して、「異方性と材料物性・機能との関係性」を明らかにして、新しい材料設計指針を提案します。我々の取り組みが社会に新しい価値を創造できればうれしいです!

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