トップページ > 理工シーズ一覧 > 計算科学を導入したバイオマテリアルの機能設計
〇相澤守・矢崎成俊・金子弘昌・坂元孝志・深澤倫子・本田みちよ・榊原潤
本シーズでは、バイオマテリアルのなかで「人工骨」などとして臨床応用されている「バイオセラミックス」をベースとし、生命現象に積極的に働きかける「生命機能マテリアル」を実験と計算科学の融合により開発しています。ここでは、生体骨に直接結合する「水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2; HAp)」および生体内で吸収置換される「β-リン酸三カルシウム(β-Ca3(PO4)2; β-TCP)」を対象としています。より具体的には、実験系研究者からの良質な実験データおよび機械学習などにより収集した情報をもとに「生命機能推定モデル」を構築します。そのモデルを逆解析することにより創り出される「設計図」をもとに生命機能を自在に制御した「革新的バイオマテリアル」を創出します。本研究で対象とする「生命機能」は、骨形成能・生体吸収性・耐感染性(抗菌性)・血管形成能の4つであり、細胞や高額な成長因子などを使用せずに、材料単独での高いパフォーマンスを発揮しうる「テーラード型人工骨」を開発し、我が国の「健康寿命の延伸」に貢献します。
次のページ:>異方性と物性・機能制御