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ビークルダイナミクス研究室

A. 車両の運動解析とヒューマンファクタ

6自由度モーション装置を利用したタイヤ‐サスペンション系の特性評価

タイヤは自動車において唯一路面に接触している部分である。またサスペンション特性は、ホイールアライメントや接地荷重などタイヤの状態に大きな影響を及ぼす。このため車両運動においては、サスペンション特性を含めたタイヤ-サスペンション系としての評価が重要である。本研究では、6自由度モーション装置を利用して任意のタイヤ接地状態を実現することにより、様々な条件でタイヤ-サスペンション系を評価できるシステムを開発した。また、計測されたタイヤ力に基づき、リアルタイムで車両運動解析を行う Hardware-in-the-loop simulation (HILS) を実現している。

車両特性の変化に対するドライバの適応操作

自動車を運転する際、ドライバは車両の運動性能に応じて適応的に操作を行っていることが知られている。本研究では、実車走行試験やドライビングシミュレータなどを通して人間-自動車系としての評価を行うことにより、ドライバの適応のプロセスの解明と、運転しやすい自動車を実現する技術の確立を目指している。

車体剛性を考慮した車両運動特性の評価

ねじり剛性や曲げ剛性などの車体剛性が不足すると、自動車の操縦安定性が低下するといわれている。車体剛性は車両重量や耐久性にも大きく影響するため、軽量、高剛性かつ耐久性の高い車体を実現することは容易ではない。本研究室では、有限要素解析やフレキシブルマルチボディダイナミクスなどの手法を利用して、車体剛性と車両運動特性の関係を評価することを試みている。

走行試験に基づいた車両運動シミュレーションの妥当性評価

車両運動シミュレーションは、実際の車両の挙動を忠実に再現している必要がある。しかしながら、タイヤやダンパ、ラバーブッシュなど非線形特性をもつ要素のモデリングは容易ではなく、またこれらの幾何学的な配置についても考慮する必要がある。本研究室ではレーシングカートや独自に製作した電気自動車を利用した走行試験を通して、解析結果の妥当性の評価と車両運動シミュレーションの精度向上を検討している。