度数分布再訪
関数 FREQUENCY を使って、指定したデータ範囲と区間配列を使い度数分布を求める。
関数 DCOUNT を工夫すると累積度数分布から度数分布が得られるが、関数 FREQUENCY は直接的に度数分布を与える。
ポイント
- 範囲内でのデータの頻度分布を、縦方向の数値の配列として返す関数
FREQUENCYを利用。 - 関数
FREQUENCYは値を配列として返すため、データの入出力には注意が必要。
FREQUENCY を使わずに
- 関数
COUNTIFを使う - Excelなら、[分析ツール] [ヒストグラム] ウィザードを使う
利用する関数
| 関数名 | 記述 | 意味 |
|---|---|---|
| FREQUENCY | FREQUENCY(データ配列, 区間配列) | データ配列として頻度調査の対象となるデータを含むセル範囲、区間配列として区切り値の間隔をセル範囲として指定する。 |
FREQUENCY を使った式を入力して Enter (Return) した後に、改めて度数を表示するためのセル範囲を選択してから、
- Windowsでは
Ctrl + Shift + Enter- Macintoshでは
Ctrl + uに続いて⌘ + z + Enter
*注意2) データ配列がたとえばstep_6_7_8.xlsの場合。
数学データがE列にあり、新たに区間配列を縦にセットする。区間配列として上から下に向かうセル値には、「〜以下」となる数値 k1, k2, k3, ...., kn をセットする。このとき、関数 FREQUENCY(データ配列, 区間配列) は、E列のデータ配列要素 x に対し、この区間配列をつかって
x ≦ k1, k1 < x ≦ k2, k2 < x ≦ k3, .... , kn-1 < x ≦ kn, kn < xというように、『xが「k(i-1)より大きく、ki以下」』という条件であるとみなして、それらの条件に合致するデータ配列中の件数を求める。
課題(承前)
- step_6_7_8.xlsの度数分布を関数
FREQUENCYを使って求めて見なさい。 同じ結果を得るために、上の *注意2) により、区間配列の値を(縦に) 9, 19, 29, 39, 49, 59, 69, 79, 89, 100 と並べればよい。 - seiseki_sample.xlsを使って度数分布を求め、そのグラフを描いて見なさい。
- 指定した得点範囲の度数分布を累積度数分布から求める。
研究
- 関数
FREQUENCYは配列関数で、その入出力操作に面倒さがある(キーバインドを知らないと思うような結果を出力できない)。 IF関数を使い、値に応じたラベルをつけるで利用した関数COUNTIFを使って度数分布を求めることが可能である。たとえば、「80点以上 90 点未満」(80 ≦ x < 90) の度数というのは、「80 点以上」の度数から「90 点以上」の度数を引く、つまり、
=COUNTIF(データ範囲, ">=80") - COUNTIF(データ範囲, ">=90")によって計算できることに注意すれば、区切りデータ表が与えられていれば、「計算式をコピーして」度数分布表を完成することが可能である。これを実際に試してみなさい。
- Excelでは、実はこのような度数分布を求めるウィーザード(アドイン)が用意されている。 Windowsでは [ツール][分析ツール] から、Macintoshでは [ツール][アドイン..] で「分析ツール」にチェックを入れると [ツール] メニューに現れる [分析ツール] から [ヒストグラム] を起動する。 出力先のセル範囲を指定する。 グラフを作成にチェックを入れると、ヒストグラム(縦棒度数分布グラフ)も描いてくれる。
Mizutani Masahiro(水谷 正大)