7. 超心理事例調査の実際

明治大学情報コミュニケーション学部教授
メタ超心理学研究室 石川 幹人

本章では,超心理学の事例調査研究の実際について解説する。まず,日常生活の場面で発生した偶発的PSI現象の調査について解説する(6-1)。そこでは,偶発事例の信憑性を評価する方法についても触れる。次に,体脱体験の調査と実験,臨死体験の調査,そしてそれらを説明する諸仮説について,議論する(6-2)。その次の,生まれ変わり事例の研究は,最も厳密にかつ徹底して進められている調査研究である(6-3)。続いて,一般に幽霊事件として報告される,ポルターガイストとホーンティングの研究について解説する(6-4)。最後に,フィールドワークの実際的な方法を具体的に示す例として,ゴーストバスターを取り上げた(6-5)。これは,必ずしも研究活動ではないのだが,研究者に必要な行動力と探究心の在り方が学べるだろう。
 本章の中心的トピックは,超心理学の研究対象のうちでも「サバイバル」(1-1)と呼ばれる一群の現象である。こうした超常的現象が実在するとした場合,それを広い意味でのPSIとして解釈するか,それとも我々の死後に「何ものか」が存続して現象を起こしていると解釈するか,超心理学者の間でも意見が分かれるところである。ここでは,体脱体験では前者として捉える見解(7-2)を,生まれ変わり事例では後者として捉える見解(7-3)を,それぞれ代表的見解として示した。加えて,この問題の決着はかなり難しいことを再度議論した(7-4)。

第7章の目次
7-1 偶発的PSI事例の研究
7-2 体脱体験と臨死体験
7-3 生まれ変わり事例の研究
7-4 ポルターガイストの研究
7-5 ゴーストバスター


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