注 by加藤先生
>戯曲学院の生徒である王さん
四年生の王紅涛(ワン ホンタオ)さんです。専門は武浄(顔にくまどりを塗って立ち回りを演ずる役柄)で、石山雄太(いしやまゆうた)さんと戯曲学院付属中学校で同期生だった人です(中国語で「中学」はハイスクールの意。高校も含む)。
王さんは前日の学内公演では「鐘馗嫁妹(しょうきかめい)」の鐘馗を演じたのですが、残念ながら珠市口(チューシーコウ)の劇装店の商店街にツアーの皆さんをお連れするため、王さんが舞台に出る前に学校をあとにしてしまいました。当初の私の心づもりでは、まず20日の学内公演で鐘馗を演ずる王さんをツアーの皆さんに見ていただき、翌21日、平服姿の王さんに故宮で鐘馗のフリを教わったりして盛り上がるつもりだったのですが、学内公演の演目の上演時間が変わったため、王さんの晴れ姿をみなさんにお見せすることができませんでした。王さんごめんネ!
王紅涛(ワン ホンタオ)さんは16歳のとき、レスリー・チャン主演の映画「さらば、わが愛」にも、京劇の師匠に科班(かはん)(京劇俳優養成塾兼児童劇団)でしごかれる生徒の一人として出演しました。師匠が死ぬ前後の場面で、後ろのほうに出てます。ビデオをお持ちの方はチェックしてみてくださいね。といっても、王さんの顔をしらない人はチェックのしようがないですけど。
故宮から老舎茶館(ろうしゃちゃかん)へと移動するバスのなかで、王さんはあの映画の撮影のときの思い出とか、京劇若手俳優としての本音トークなどを語ってくださいました。
>中腰になるような苦しいポーズに耐えながら、皆さん笑顔で写っていました。
このほか、雪のなかで、王さんに京劇のチョコチョコ歩き「円場(ユアンチャン)」とか京劇の手の動かし方「雲手(ユンショウ)」も教えていただきました。はたから見たら、あやしげな新興宗教の団体みたいに見えてしまってたかも(^^;;;
>今回は京劇の舞台「暢音閣(ちょうおんかく)」も見学し
劉暁慶とレオン・カーフェイが主演した映画「西太后(せいたいごう)」で、皇帝が熱河(ねっか)に蒙塵(もうじん)し、避暑山荘で「安天会」(孫悟空)を見る場面がありますが、あの劇場の場面は熱河(ねっか)ではなく実はこの「暢音閣(ちょうおんかく)」で撮影したものでした。「あそこにレオン・カーフェイが、あそこに劉暁慶がすわってたんですよ」と指さしたら、ツアー参加者の一人でレオン・カーフェイのファンが興奮しておられました。
>もしかして遠い遠い遠〜い親戚?
おお、猫耳さんのノーブルなご容貌からそれとなく察してはおりましたが、やはり猫耳さんは高貴な血筋をお引きだったのですね。
>でも、お土産もの屋の客引きをやっているのを見ると
チベットのラサに行くと、新中国になってポタラ宮から追われたチベットの高僧や貴族の子孫が、管理人や掃除夫としてポタラ宮で働いてるらしいです。故宮を追われた満州人の皇族の子孫が故宮のおみやげ屋さんにつとめているのも、父祖ゆかりの場所で働きたいという気持ちがあるのかもしれませんね。
>日本語をあやつる女性がお茶を入れてくれて
彼女は、私たちと同行してくれた王紅涛(ワン ホンタオ)さんも日本人だと思いこんでいました。彼女が日本語で王さんに「湯飲みはこう持ってください」話しかけても、王さんは日本語がわからずポカンとしてました。横で見ていて面白かったです。
>午後は湖広会館(ここうかいかん)へ
以前NHKで放送されたドキュメンタリー番組「京劇最後の女形(おんながた)・虞美人(ぐびじん)よ永遠に舞え」でも出てきた有名な劇場です。夜は外人観光客向けの演目が多いのですが、昼間は中国人向けの演目を上演してます。この日は風雷京劇団による「上天台(じょうてんだい)」「紅娘(こうじょう)」「嘉興府(かこうふ)」の三本でした。
この劇場は緞帳や幕のない純中国式舞台なので、検場人が机や椅子を出し入れするのが丸見えで面白いです。また「嘉興府(かこうふ)」の立ち回りも、純中国式舞台で見ると客席に近いせいで非常な迫力がありました。
>そうそう、城主様。清朝(しんちょう)皇女の衣装セットは最初300元(約4500円)だったのに、城主様が値切って下さったから260元になったのでは?
すみません、たぶん猫耳さんがお書きになった金額のほうが正しいです。 私が値切った、というより、私は購入したお二人に「こういうところでは値切るものなんですよ」とアドバイスしました。もっとも彼女たちは二人とも最初から目が「買うっきゃない!」モードになっていたため、お店の人も260元までしか負けてくれませんでした。もちろん、それでも日本で買うよりもずっと安いですけど。
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