2025年4月5日土曜日 10:30〜12:00
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中国史と鳥 シリーズ「花鳥風月」 加藤 徹/明治大学教授
中国では古くから、鳥の意匠は、政治や宗教、社会的ステイタスの象徴としても使われてきました。
龍とセットとなる鳳凰。
神仙思想と結びついた鶴、仏教の妙音鳥。
習性を神秘化され説話にいろどられたホトトギスやカラス、雁、等々。
文芸界の鳥は神秘的で奥深いイメージですが、民間の俗語では「鳥」は男性器と結びついた罵語でした。
鳥から見る中国史と中国人について、豊富な画像を使いながら、予備知識のないかたにもわかりやすく解説します。(講師・記)
中国の歴史は龍と鳳(おおとり)≠フ交代劇にほかならない――。おだやかな農耕の民と猛き狩猟部族をそれぞれ龍と鳳になぞらえ、中国古代王朝の興亡に迫った150枚の長編「よみがえる龍」は、著者の代表作『中国の歴史』シリーズの冒頭を飾るべく執筆されたが、全体の構想が変更されたため長く未発表となっていた。この幻の作品に加え、滋味あふれる歴史エッセイを多数収録した貴重な一冊。
北方攻略の業はここにまず完成を見た。
次いで、曹操の胸に秘められているものは、いうまでもなく、南方討伐であろう。
が、彼は、冀州城の地がよほど気に入ったとみえて、ここに逗留していること久しかった。
一年余の工を積んで、漳河の畔に銅雀台を築いた。 その宏大な建物を中心に、楼台高閣をめぐらして、一座の閣を玉龍と名づけ、一座の楼を金鳳ととなえ、それらの勾欄から勾欄へ架するに虹のように七つの反橋(そりばし)をもってした。
上野の東京文化会館で「朱鷺」を観劇しました。美しくて、切なくて、心あたたまる舞台に、感動しました?? https://t.co/XSPIAmZW6g pic.twitter.com/uGDp5OLXub
— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) March 12, 2025
黄鶴楼 崔 昔人已乗黄鶴去 此地空餘黄鶴楼 黄鶴一去不復返 白雲千載空悠悠 晴川歴歴漢陽樹 芳草萋萋鸚鵡洲 日暮郷関何處是 煙波江上使人愁 黄鶴楼(こうかくろう) 崔(さいこう) 昔人(せきじん) 已(すで)に黄鶴(こうかく)に乗りて去り 此(こ)の地 空(むな)しく余(あま)す 黄鶴楼(こうかくろう) 黄鶴(こうかく) 一(ひと)たび去(さ)りて復(ま)た返(かえ)らず 白雲(はくうん) 千載(せんざい) 空(むな)しく悠悠(ゆうゆう) 晴川 歴歴れきれき)たり 漢陽(かんよう)の樹(じゅ) 芳草 萋萋(ほうそうせいせい)たり 鸚鵡洲(おうむしゅう) 日暮(じつぼ) 郷関(きょうかん) 何(いず)れの処(ところ)か是(ぜ)なる 煙波(えんぱ) 江上(こうじょう) 人(ひと)をして愁(うれ)えしむ 昔の人はすでに黄鶴に乗って飛び去り、この地にはただ黄鶴楼が残るのみ。 黄鶴は一度去ったあと、二度と戻らぬ。 白雲は千年、むなしく湧き上がる。 晴れた川面にはっきりと映るのは漢陽の木々。 青々とした草が生い茂っているのは鸚鵡洲。 日が暮れる。私の故郷はどこにあるのか。 霞む波、長江のほとりで、旅愁にしずんでいる。 |
杜鵑,始陽相推而鳴,先鳴者吐血死。嘗有人出行,見一群寂然,聊學其聲,即死。初鳴,先聽者主離別。廁上聽其聲,不祥。厭之之法,當為犬聲應之。出《酉陽雜俎》杜鵑(ホトトギス)は、互いに鳴くことを譲り合う。最初に鳴いた個体は血を吐いて死ぬ。かつて、ある人が旅の途中で、一群のホトトギスが沈黙しているのを見かけた。ホトトギスの鳴きまねをしてみると、自分が即死した。