。
今度の本田のアルミボディが同社のボディ製造だけではなく,日本の自動車のボディ加工にどんな影響を及ぼすか注目されます。 日本最大のメーカーであるトヨタ自動車は,未来の構想に向かって大きく舵を切り始めたのではないかといわれます。自動車製造というモノカルチュアの脱皮を目指し, ITS (Integrated Traffic System 高速道路交通システム) によるインフラ構築を頭においています。つまり, 環境と安全を社会のシステムにどう取り込んでいくか。そのためには自動車のインフラを変えていかなければならない, ITSは最初のとつかかりでトヨタにとつて今は過途期だということです。今度トヨタ・モーター・コーポレーションの英文名から「モーター」 の表記を外したのもそのためといわれます。「高品質・低価格の自動車の提供から最高環境システムと移動ツールの開発・提供へ」。 トヨタ自動車は2000年をメドに従来方式とは一線を画した第2ブランド構想でいくことを考えているようです。「カンバン」,ジャスト・イン・タイムを信条とする方式から,フレキシブルという方向に切りかえることで,販売見込みに基づく量産体制から,受注状況に応じて工場の稼働率を動かし,一日のうちに納車できる台数を増やす。例えば,1回ですむ車種と2回必要な車種を同じ日に生産する場合,2度塗りの車種を優先して生産ラインに流す。1車種で2つのエンジンを搭載するモデルがあれば,残業の使い方など工夫してすべてを1日で生産する。この構想は, 若年向きの,消費者の嗜好の変化が激しくなりつつあり,開発や販売の手法の改革が迫られている最近の動向から生まれたものです。