アルミボディで先行するのは欧米勢です。「アルミ・メジャー」 の一角であるカナダのアルキャン・アルミニウム社は,アルミ製のモノコック・ボディを推進しています。モノコックは卵の殻のようにパネル構造で強度や鋼性を保つ車体構造。現在の一般的な乗用車は,鉄製パネルのモノコックが大半だが,その材料をそのままアルミに置きかえる構想です。 この方式だとプレスなど既存の鉄鋼向け設備の大半を流用できるため,自動車メーカーにとつては特別な設備は不要なのが利点。米フォード自動車はコンセプトカーP2000で採用,現行車より4割軽くしたとされります。 一方世界最大のアルミメーカー,アルコア (米アルミニウム・カンパニィ・オブ・アメリカ社) は, パイプ状の部材で骨格を形成,その上に外板パネルを張る「スペースフレーム構造」 を提言する。 アルミの特徴である押し出し加工を生かし複雑な計上を作ることで,部品点数を従来の3分の1の100点まで削減,その分コストと重量を軽減しています。 アルコア社はすでにドイツで専用工場を持ち,アウディに供給。 アウディは99年末までにアルミ車の生産規模3年5万台に拡大する計画です。 日本はどうか。すでに日産自動車や三菱自動車がアルミのコンセプトカーを開発,アルミ圧延各社も自動車向けの取組みを強化しています。ただ95年に自動車ボディに使用されたアルミの量は米国3万5,000トン,欧州1万5,000トンに対し日本はわすか2,000トン