作者に挑戦!
クイズのコーナー


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以下の問題は、小説「倭の風」(PHP研究所刊)の物語の中からプロットをいくつか選び、クイズ用にアレンジしたものです。


目次


第一問 小麦粉で、五百騎の敵騎兵の目をくらませる方法

 あなたがある宿場に泊まったとき、運わるく、五百騎の騎兵に宿場が占領されてしまいました。あなたは辛うじて、騎兵たちの目を盗んで物影に隠れることができました。
 なんとか、夜が明けて敵に見つかる前に宿場を脱出しなければなりません。そのためには、宿場を守る騎兵たちの目を、一瞬でもくらます必要があります。
 あなたの手元にあるのは、小麦粉の入った袋が一つだけです。それ以外の「武器」は、短剣すらありません。もちろん、この時代にはまだ「火薬」などという物騒なものは発明されていません。
 小麦粉一袋を使って五百騎の敵の目をくらませるには、どうしたらよいでしょうか。

本書39ページ参照。ヒントは「炭鉱の中や、港の穀物倉庫の中では、煙草を吸うのが禁止されている」


第二問 外来の植物

 三択問題です。次の植物のうち、もともと日本列島には生えていなかった帰化植物、つまり、外国から伝わった植物はどれでしょう。

アジサイ  モモ  サクラ

本書260ページ参照。


第三問 空中神殿の囚われの姫君を救え

 お姫さまが、高さ百メートルほどの高層建築の宮殿の最上階で軟禁されています。どうにかして、その姫を高い宮殿から救出したいのですが、地上には昼も夜も警備兵たちの目が光っています。どうしたら助け出せるでしょう。
 幸い、姫の部屋の真下は、あまりに建物が高いため警備兵も油断して、警備の盲点になっています。だから、百メートルほどの高さを安全に飛び降りることができれば、なんとか脱出できそうです。
 この時代、もちろんパラシュートなどありませんし、そもそもこの中途半端な高さではパラシュートは使えません。ましてハング・グライダーや気球などは論外です。長い縄をつたって下りようとしても、姫の部屋には縄も、縄の代用になるようなものもありません。
 どうしたら良いでしょう。

本書139ページ参照。


第四問 海賊を溺れさせろ

 あなたは、か弱い少女です。いま、海を泳いでいます。
  あなたの後から、狂暴な海賊の男が一人、あなたを殺そうと海を泳いで追いかけてきます。
 あなたは泳いで振り切ろうとしますが、泳ぎのスピードは向こうの方が上です。海に深くもぐって逃げようとしても、向こうの方がもぐるのも得意です。
 残る手だては、海賊を溺れさせるだけです。でも、あなたは手に武器を持っていません。仮に海中で敵と取っ組み合いになったら、勝ち目はありません。
 手も触れずに海賊を溺れさせるには、どうしたらよいでしょう。

本書214ページ参照。わからない方は、さきに「第六問」をお考えになると、答えがわかるかもしれません。


第五問 「サザレ石」を探せ

 あなたは今、一万年前の古代人が埋めたある秘宝を探しています。秘宝のありかについては、ただ「サザレ石(いし)の下にある」という情報しか、わかっていません。
 「サザレ石」とは、生き物のように成長して大きな岩にまで育つという伝説をもつ、神秘的な小石です。
 あなたが調べた結果、以下の三カ所のうちのどこかに、サザレ石があることがわかりました。
 目指すサザレ石は、どこにあるのでしょう。

海の底   火山の火口    洞窟の中

本書351ページ参照。


第六問 人間の武器

 山の各部族の娘を集めての成人準備合宿の席上。山姥(やまうば)が、古くから伝わる神話を、娘たちに教えはじめました。
 「昔むかし、まだこの世ができたばかりのころ。あるとき、神さまは生き物たちを次々に呼んで、それぞれに自分の命を守る武器をくださった。鹿は角を、狼は牙を、蜂は針を、蜘蛛は糸を、兎は耳を、熊は爪を、フクロウは目を、というように、めいめいの生き物は神さまから武器をもらったが、最後に人間の番になったとき、武器は品切れになってしまったのじゃ」
 そこで神さまは、ある突飛な行動に出て、人間に特別な武器を与えました。
 山姥は続けて言いました。
「それ以来、兎はおびえると耳を立て、狼は怒ると牙をむくが、人間は、その武器を使って、絶望や恐怖を乗り越えることができるのじゃ」
 それは、あらゆる生き物の中で、ただ人間だけが持っている武器であり、また、およそ人間である以上、言葉のしゃべれぬ赤子から老人まで、誰もが平等に持っている武器です。もちろん、あなたも持っているはずです。
 山姥が言う「神さまが人間にくれた武器」とは、一体なんでしょうか。

本書184ページ参照。


第七問 不思議な手の形の意味

 ある朝、高校二年生のA子さんは、通学の電車の中で、不思議な光景を見ました。
 A子さんの目の前の席に、若いサラリーマンが座っていて、本を読んでいました。突然、彼は自分の右手で握りこぶしを作ると、それをじっと見はじめたのです。よく見ると、彼の握りこぶしから、親指と小指だけが上に直立していました。
 サラリーマンは、ひとしきり自分の手の形をながめると、納得したようにうなずいて、再び本を読み始めました。
 そのサラリーマンは次の駅でおりました。そのときA子さんが見ると、彼が読んでいた本は「倭の風」という題名でした。
 その後、A子さんは図書館で偶然「倭の風」を見つけ、借りて読みはじめました。例の頁にいたり、A子さんも、思わずあのサラリーマンと同じ手の形を作り、自分でながめ、うなずいてしまいました。
 さて、サラリーマンやA子さんが作った手の形は、どんな意味のサインなのでしょう。

本書175ページ参照。
 手の形の意味にもいろいろあります。右手と左手のしわとしわを合わせると「シアワセ」というのは有名ですね。また、右手と左手の母指の先端を真正面から何度もぶつけあうと「男女がイチャつく」という意味のようです。ぼくが小学生のころ、テレビアニメ「いなかっぺ大将」の主人公・大左エ門(だいざえもん)が、涙を流しながらよくこの男女の手の形を作ってました。

 


 各問の解答は、「倭の風」をお読みくだされば、すぐわかります。
 これらの「宿題」を考えたうえで本書をお読みくださるのも一興と存じますが、待ち切れないかたは「解答篇」コーナーへどうぞ


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