八時、扶桑館に到る。芥川先生から食事に招かれる。同席者に惺農および日本新聞界の三四人がいた。私が日本式に日本食を食べるのは、これが初めてである。靴を脱いであがり、席にあぐらをかいて坐るという作法は、なかなか奇抜である。
芥川さんは、中国の旧式の舞台は改良する必要がある、と言った。
一、背景幕は色柄が地味なものを用いるべきである。紅や緑の緞帳は不適切である。
二、舞台にしく絨毯も色柄が地味なものにすべきである。
三、伴奏楽隊は幕の中にかくれて坐るべきである。
四、舞台上の助手は、色柄が地味な同じ服を着るべきで、舞台上を駆け回ってはいけない。
私はこれに答えて、中国の旧式の芝居は歌の部分が往々にして長すぎて役者に茶を飲ませる必要があること、机や椅子なども運ぶ必要があること、もし西洋式に場面転換用の幕を採用すれば、助手が茶や椅子を手に駆けずり回らずに済むかもしれないこと、などを言った。
彼はまた、旧式の芝居に背景は必要ない、と言った。私も同意した。
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