音楽でいう絶対音感は、敵の潜水艦の音を識別するためにも必要だった。 以下、野口藤三郎「われら六稜人【第27回】ある音楽家の生涯」第7楽章「航海術と水測術」 https://www.rikuryo.or.jp/home/people/noguchi7.html 2021年5月23日閲覧 より引用。(引用開始)現代の「ソナー」と呼ばれる最新鋭の兵器はこれら2つの機械を一体化したものですが、いづれにせよ…当時ボクらに課された任務は、目視できない水中の敵潜水艦の存在を聞き分けることだったのです。 ですから、水測術で一番大切なのは聴力、とりわけ音感だったのです。このために上野の東京芸大出身の佐藤吉五郎という有名な「絶対音感」の先生が来て、6ヶ月間みっちりと教育を受けました。ただ、その頃の海軍の兵隊といえば概ね農家の次男坊・三男坊という…ほとんど音感の訓練のしていない人ばかりだったからね。みんな音感は苦手だったようです。 ボクは音感に関しては常に100点満点でしたから、佐藤先生には随分かわいがってもらい、戦後もずっとお付き合いさせて戴きました。「演奏家と音楽教育家という違いはあれ…君と僕は莫逆の友であり、君はわが愛弟子である」なんて手紙も貰いました。佐藤教授の後日談では、ボクのほかに100点満点を取った人に、当時天才二少年と言われたヴァイオリニストの江藤俊哉さんとピアニストの豊田耕二さんが居られたとのことです。 ともかく、飛行機で攻撃されたら別ですが、ボクの乗ってる船は潜水艦には絶対沈められんぞ…という密かな確信さえありました。 ※上記の出典のサイト「われら六稜人」には手塚治虫の手記も掲載してある。「六稜」は大阪府立北野高校の、六角形の星形をした校章。 |
参考 日本古典文学『平家物語』冒頭 YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PL6QLFvIY3e-lBeDeL2ytx6AjhPQ3EHpGp 【classic literature / English translation by Helen Craig McCullough (1918-1998)】 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り。 Gion shōja no kane no koe, shogyōmujō no hibiki ari. The sound of the Gion Shōja bells echoes the impermanence of all things; 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。 Sarasōju no hana no iro, seija hitsui no kotowari o arawasu. the color of the sāla flowers reveals the truth that the prosperous must decline. 驕れる者も久しからず、唯春の夜の夢の如し。 Ogoreru mono mo hisashikara zu, tada haru no yo no yume no gotoshi. The proud do not endure, they are like a dream on a spring night; 猛き者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。 Takeki mono mo tsui ni wa horobi nu, hitoe ni kaze no mae no chiri ni onaji. the mighty fall at last, they are as dust before the wind. |
この言葉、まさしく『観無量寿経』にあるのです。「観音菩薩から放たれる光明は八万四千のいろどりがある。ちょうど紅蓮華のように」という具合です。蓮華は浄土を荘厳する植物で、青蓮華、紅蓮華、黄蓮華、白蓮華の四種類あるとされます。加藤注:大正大蔵経 第37巻 ( 1754 観無量寿仏経義疏巻下 ) p.297下段
仏教経典の「摩訶般若波羅蜜経」には、「白蓮華(びょくれんげ)・紅蓮華(ぐれんげ)・青蓮華(しょうれんげ)・黄蓮華(おうれんげ)」の4種類が記述されています。その中でも特に仏教で重要視されているのが、煩悩に穢されることのない清浄な仏の心をあらわす「白蓮華」と、仏の大悲(だいひ)から生じる救済の働きを意味する「紅蓮華」で、いずれもお釈迦様の故郷に咲いていた「蓮」です。