明治大学 非営利・公共経営研究所

研究概要

「ソーシャル・キャピタル(Social Capital:社会関係資本)」の醸成、活性化による地域再生という視点の重要性

※ソーシャル・キャピタルとは…「人々がつくる社会組織の中に存在する社会的ネットワーク、信頼、規範であり、ネットワークに属する人々の協力を促進し、互換の利益の実現に貢献するもの」

ソーシャル・キャピタル活用型地域再生モデルとしてのソーシャル・ビジネスへの注目

近年、ソーシャル・エンタープライズ(Social Enterprise:社会的企業)の台頭が世界的に顕著である。ソーシャル・エンタープライズとは、社会的課題の解決にビジネス手法で取り組む事業体の総称で、多様な組織形態(NPO、株式会社、LLC、協同組合、農業法人等)によって担われている。地域再生や雇用創出・職業訓練などの社会的排除(Social Exclusion)の解消の分野での役割が期待されている。日本では最近、「ソーシャル・ビジネス」という単語が用いられる傾向がある。

ソーシャル・ビジネス振興の課題

ソーシャル・ビジネス(ソーシャル・エンタープライズ)は、市場的資源(収益事業による収入、雇用労働など)のみならず、市民社会から得られる非市場的資源である、ソーシャル・キャピタル的資源(寄付、ボランティア、社会的ネットワーク、官民パートナーシップ、組織間連携)を活用するハイブリット組織であり「社会性」、「事業性」、「革新性」を併せ持つ企業家精神(社会的企業家精神)を特徴とし、その活動を通じて経済的インパクトのみならず社会的関係を再生する社会的インパクトが期待されている。  しかしながら、経済産業省が指摘するように、現状ではソーシャル・ビジネス振興に関して社会的認知度の不足、社会性と事業性を両立させるための経営ノウハウの不足、担い手や支援人材の不足、関係者が集う場が無く、マッチングがなされにくいという課題が指摘されている。

⇒ソーシャル・ビジネスの社会的認知度、知識・ノウハウ移転、相互学習を戦略的に促進していくことが、ソーシャル・ビジネス振興における課題

⇒社会基盤整備としての相互学習の組織間ネットワークの形成

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