■ 研究室の沿革・概要

 通信技術研究室は、12年間に渡る国立試験研究機関での衛星通信に関する研究開発経験をもつ専任教授の井家上により、ワイヤレス通信に関する研究を行う研究室として1997年4月に開設されました。 ワイヤレス(無線)通信とは、線で結ぶことなく、伝えたいメッセージや欲しい画像などの情報を、離れた場所に送ったり離れた場所から受け取ったりする技術です。 身近なワイヤレス通信の例としては、携帯電話や衛星放送などが挙げられます。情報を遠くへ伝えるためには、電波や光といった波の力を借りる必要があります。 情報の伝送は、このような波の振幅・位相・周波数などを情報で変化させる「変調」と、変化した波から情報を取り出す「復調」によって行われます。
通信技術研究室では、人と人との通信に限らず、携帯端末・ノートパソコンによる高速ワイヤレスインターネットや、車と車、ICカード、RF-IDタグとリーダ間、 環境センサなど、いろいろなものの間のワイヤレス通信が、いつでもどこでも、好きなだけできる「ワイヤレス・ユビキタス・ネットワーク」の実現を目指し、 限られた周波数資源を有効に利用して高品質高速大容量の通信を行うために必要な変調・復調方式や通信手順の研究、新しい通信方式の研究を行っています。研究キーワードとしては無線分散ネットワーク、コグニティブ無線、UWB、QoS、高信頼性、MIMOなどが挙げられます。ここ数年は超広帯域無線を用いた通信、測位方式、 および体の回りを無線でネットワーク化し医療やヘルスケアに応用するためのBAN(Body Area Network)などの研究に注力しています。


■ 研究テーマ例

● 無線区間を設けた制御システムに関する研究
● UAV間の通信性能に関する研究
● 海中無線通信に関する研究
● ボディエリアネットワーク・センサネットワークのための超広帯域無線通信・測位方式に関する研究
● 次世代無線ネットワークのための周波数利用法に関する研究
● 医療情報支援のための無線通信システムに関する研究
● 高信頼・制御のための無線通信に関する研究
● 次世代衛星通信・高度交通システム(ITS)・ネットワークロボット等のためのネットワークの研究
● 時変動チャネルにおけるMIMO無線通信システムに関する研究


■ 研究手法

● ハードウェア・通信・伝播実験
● 理論解析・コンピュータシミュレーション
● 実験データ処理・解析