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報告:講演会「1920年代の猪俣津南雄──日本資本主義論争批判序説」を開催いたしました。

《内容》

明治大学現代中国研究所は、龍井葉二氏(元連合総研・副所長)をお招きし、講演会「1920年代の猪俣津南雄──日本資本主義論争批判序説」を開催し、さらに福本勝清氏(明治大学商学部名誉教授)にコメントをお願いし、議論を深めた。

●場所 明治大学駿河台校舎アカデミーコモン308E教室(3階)
●日時 6月8日(土)14:00〜17:00(開場13:30)

《講演者略歴》
龍井葉二(たつい・ようじ)氏
1949年東京生れ。東京経済大学卒業。日本労働組合総評議会(総評)本部勤務を経て、1989年より日本労働組合総連合会(連合)にて、総合労働局長、総合政策局長、総合男女平等局長、非正規労働センター長などを歴任。連合総研・副所長(2009~2014年)。主な著作として、共著『「解雇・退職」対策ガイド』(緑風出版)、『日中の非正規労働をめぐる現在』(御茶の水書房、2019年)など。

《講演タイトル》
「1920年代の猪俣津南雄──日本資本主義論争批判序説」

《開催要旨》

戦前の労農派の論客として知られる猪俣津南雄。共産党創設メンバーでありながら再建共産党には賛同せず、その共産党との論争をほとんど一人で引き受けつつ、労働同人を脱退し、その後の日本資本主義論争に対しても独自のスタンスを貫いた。その基本的視座は、日本の運動を中国革命も視野に入れた「闘争の体系」としての帝国主義の一環として捉えるというものであった。また、前衛結成を統一戦線との交互作用として把握するというその運動組織論は、当時の福本・山川の限界を克服しようとする試みであり、現在にもつながる問題提起となっている。いわゆる講座派・労農派の枠組みで語られてきた日本の社会主義運動について、1920年代の猪俣という視点を介在させることで何が見えてくるのか。本報告では、そのための実験的問題提起を行なう。

《コメント》
福本勝清(ふくもと・かつきよ)氏(明治大学商学部名誉教授)

主催:明治大学現代中国研究所