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研究室を志望する学生へ

本研究室では,コンピュータシミュレーション(またはComputer Aided Engineering, CAE)を活用した機械の線形・非線形動力学解析,および加振器やセンサ,システム同定技術を駆使した実験モード解析に関する技術,そしてダイナミクスを活用した新規機械システムの創出に関する研究を行なっています.この研究分野は,時に「構造動力学(Structural dynamics)」と呼ばれる,様々な機械の動的特性(動的な変形,運動・振動)に関する研究分野です.この分野は現代においても盛んに基礎研究がなされている古典力学の一分野であるとともに,適用可能範囲が広く,産業界からのニーズがとても高い応用技術です.

例えば,身近な機械を例に挙げれば,自動車や鉄道などの機械,またはその構成要素(モータ,タイヤ,ギヤ,など)の多くは動的な荷重を受け,微小な弾性変形をともなった運動をします.機械の動的な変形,そして運動・振動は,機械自体の特性と,機械に加わる動的な力の釣り合いで決定されます.機械自体の特性は,密度,形状,そして質量や慣性テンソルなどの慣性特性,ヤング率,ポアソン比,そしてばね係数などの弾性特性,それから空気抵抗や内部摩擦などの減衰特性などに分けられます.また,機械に加わる動的な力は,ジェットエンジンのタービン翼に加わる流体力学的な表面力や,自動車のタイヤのブレーキに発生する接触力,電気モータの駆動力である電磁力など,様々なものがあります.

このような現象は,機械の騒音や振動をもたらすことがあるため,その予測・予防・抑制方法に対してのニーズがあり,古くから活発に研究がなされています.他方,運動・振動現象を人に役立つエネルギーに変換すること(例えば発電)や,機械の状態推定(「普段元気な人が今日はおとなしい.今日は具合が悪いのでは?」みたいな事)など,有効に活用するための研究も多くなされています.

本研究室では,このような動力学的現象に関し,それを(1)予測すること,そして(2)活用することを大きな目標とします.
その際には,数理的モデリングに基づいたコンピュータシミュレーション,または理論解析的アプローチ,そして実験解析技術を駆使し,解析技術や測定技術の開発を行っています.

本研究室で学ぶ皆さんには,このように様々な機械・物体を対象として動力学的現象に関する実験解析を行って頂くとともに,数理モデルに基づいた理論解析,またはコンピュータを用いた数値解析を通じて,動力学的現象の難しさ,楽しさを経験して頂きたいと考えています.

 

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