いんくるんについて

「いんくるん」は、
知的障害や身体障害の子どもたちをミュージアムの学びと楽しみにつなぎ、
ミュージアムをインクルーシブに(だれもが一緒に!)していくことを目指しています。
さらに、インクルーシブなミュージアムに向けたこのプロジェクトは、
先の展望として障害のある人たちだけではなく、
身体的・文化的・経済的などのうえで多様な状況にあるすべての人たちに
ミュージアムをひらくことを見据えています

私たちの取り組み

プロジェクト「いんくるん」は、特別支援学校とミュージアムの間に立ち、支援教育の場にはミュージアムの資料や作品による学びを提供するとともに、 ミュージアムを利用した学びの魅力と方法を伝えます。そしてミュージアムへは、障害のある子どもたちの教育に適った学習プログラムを提案していく活動を進めていきます。 これらを基にして、両者をアクセスコーディネートするつなぎのシステムの実働をねらいとするものです。
当面は、知的障害の特別支援教育とミュージアムのつなぎを主に進めていきます。将来的には、多様な人たちがだれでも一緒に、 ミュージアムで学び楽しむことのできる取り組みを、展開していくことを目指しています。

プロジェクト代表 駒見和夫(明治大学)

インクルーシブなミュージアムの情報

【東京都】

館名 住所/TEL プログラム内容 URL
東京都葛西臨海水族園 〒134-8587 江戸川区臨海町6-2-3 / 03-3869-5152 特別支援学校向けの団体プログラム/ふれて観察:ヒトデやナマコ、ヤドカリなどの磯の生き物やサメ・工イなどに直接ふれて観察し、生き物への親しみを深める 詳細
葛飾区郷土と天文の博物館 〒125-0063 葛飾区白鳥3-25-1 / 03-3838-1101 ・プラネタリウムのろう学校向け学習投映:星空に星座紹介などの字幕を出しながらの投映や、字幕中心の『シンフォニー・オブ・ユニバース』シリーズと組み合わせての投映ができる。
・プラネタリウムの盲学校向け学習投映:通常の学習投映のプログラムをベースに、星空の状況を詳細に解説したり、体を使って天体の位置を把握するなどしながら、投映を行うことができる。弱視の方のために、星を大きく明るくしたり、ポインタ(矢印)の輝度(明るさ)を上げることもできる。
詳細
科学技術館 〒102-0091 千代田区北の丸公園2-1 / 050-5541-8600 聴覚関係:筆談器を用意している。
平日の開館時間帯に、日立グループのろう社員のメンバーが科学技術館を手話でご案内する、小学部高学年向けのサービスを実施している。
平日の開館時間帯に、館内見学と実験・手話スタッフとの交流会などを、ご希望に応じてアレンジできる。
詳細
国立新美術館 〒106-8558 港区六本木7-22-2 / 03-5777-8600 視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ(「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」関連プログラム)共2回。参加者は視覚に障害がある人を含めた7人程度のグループにわかれて、一緒に「サンシャワー展」を鑑賞し、作品や空間についての印象や感想を自由に語り合った。参加した人の年齢や暮らし、物の見え方、考え方などは一人一人違う。違いを持った人同士が作品の前で時間をかけて対話を重ねることで、自分とは違う他者の感じ方を知るとともに、現代美術に対する多様な視点を共有するワークショップとなった。 詳細
東京都美術館 〒110-0007 台東区上野公園8-36 / 03-3823-6921 普段は混雑している特別展を障害のある方が安心して鑑賞できるよう、休室日に開催する鑑賞会である。
事前申込制で年に4回開催。アート・コミュニケータ(とびラー)が受付や移動の手伝いをする。
当日は、展覧会を担当した学芸員による展覧会ワンポイント・トークも手話通訳付きで開催。特別支援学校・学級単位での受入も行っている。
詳細
東京都写真美術館 〒153-0062 目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 / 03-3280-0099 視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ
障害の有無にかかわらず、多様な背景を持つ人が集まり、言葉を交わしながら一緒に展覧会を鑑賞するワークショップである。目の見えない人と見える人が一緒に、見えていることや感じていることを言葉にして伝え合いながら鑑賞する。さまざまな視点を持ち寄ることで、一人では出会えない新しい美術の楽しみ方を発見できる機会をつくる。
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古代オリエント博物館 〒170-8630 豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館7階 / 03-3989-3491 盲学校・聾学校・特別支援学校・特別支援学級などの学校団体が対象となる。学習活動について相談・希望があったら、可能な限り、希望に沿う形で対応が図られている。 詳細
東京都江戸東京博物館 〒130-0015 墨田区横網1-4-1 / 03-3626-9974 手で見る展示:5階案内所横には、展示室にある乗り物や建物の縮小模型など、触って形を確かめられる模型と点字解説がある。また、江戸から伝わる伝統の技などを音で楽しむコーナーもある。点字ガイド:館内の案内を点字でも用意されている。 詳細
森林総合研究所 多摩森林科学園 〒193-0843 八王子市廿里町1833-81 / 042-661-0200 視覚障害のある方のための特別観察会:植物園での観察とお話し、森林散策。 詳細
東京国立博物館 〒110-8712 台東区上野公園13-9 / 03-3822-1111 盲学校のためのスクールプログラム:A.ハンズ・オン アクティビティ トーハク探検 B.ハンズ・オン アクティビティ 日本の模様・貝合せ C.展示室での作品鑑賞プログラム トーハク・トーク・ツアー D.体験型ワークショッププログラム 日本の模様でデザインしよう 詳細
東京都恩賜上野動物園 〒110-8711 台東区上野公園9-83 / 03-3828-5171 子ども動物園すてっぷ(特別支援学校<学級>コース:子ども動物園で飼育している モルモットなどの小動物、ウマ・ニワトリなどの家畜等で行う。年齢、状態にあわせてプログラムの内容や時間が提案されている。 詳細
東京都水道歴史館 〒113-0033 文京区本郷2-7-1 / 03-5802-9040 特別支援学校向けの館内ガイドツアー:参加型(クイズや体験など)/手話通訳向け/様子にあわせた案内の実施。 詳細
日本科学未来館 〒135-0064 江東区青海2-3-6 / 03-3570-9151 特別支援学校向けツール「ウェルカム!ナビ」を貸し出している。「ウェルカム!ナビ」は、特別支援学校・学級団体の生徒(知的障害)向けのタブレット端末です。 親しみやすい説明アニメーションで、5 つの展示への興味を引き出し、見学をサポートする。主体的に 5 つの展示を探して見学し、ゲーム感覚で達成感を味わうことができる。アニメーションによる説明やクイズで、生命や宇宙などについて理解する内容。展示の写真と感想を「記念シート」で持ち帰り、学びの定着につなげる。 詳細
東京都歴史文化財団   東京都歴史文化財団が運営する、美術館・博物館・ホール、アーツカウンシル東京では、児童・生徒と学校関係者の皆様を対象とした、様々なプログラムを行っている。また、来場の際に、鑑賞や見学の手助けとなるサポートも用意されている。ここでご紹介されているプログラムは、参加される方々のオーダーに合わせてアレンジが可能なものもある。 詳細

【神奈川県】

館名 住所/TEL プログラム内容 URL
伊勢原市子ども科学館 〒259-1142 伊勢原市田中76 / 0463-92-3600 プラネタリウム番組「ユニバース」は手話・字幕付きのバリアフリー対応の全天周映像作品です。 詳細
神奈川県立近代美術館 〒240-0111 葉山町一色2208-1
(鎌倉別館)
〒248-0005 鎌倉市雪ノ下2-8-1
美術周辺の地域を中心に、小中学校・特別支援学校等への出張授業も行っています。 詳細
川崎市民ミュージアム 〒211-0052 川崎市中原区等々力1-2 / 044-754-4500 視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ,2017-2019は年度に一回程度。2017年度「ことばで旅するコレクションー」2018年度「「都市と人間」コレクション展」2019年度「妖怪/ヒト ファンタジーからリアルへ」 詳細1
詳細2
詳細3
茅ヶ崎市美術館 〒253-0053 茅ヶ崎市東海岸北1-4-45 / 0467-88-1177 ◆ 鑑賞会 ◆視覚障害者とつくる「美術鑑賞ワークショップ」
目の見える人と見えない人が一緒に、見えているものや感じていることを言葉にして伝え合いながら、美術作品を鑑賞します。
日時:2016年8月11日(祝・木)13:00~15:00
詳細
平塚市美術館 〒254-0073 平塚市西八幡1-3-3 / 0463-35-2111 特別支援学校の生徒と先生を対象に教育プログラム、アートカードの貸出を用意しています。特別支援学校の教育研究団体研修会への協力も。 詳細
横須賀美術館 〒239-0813 横須賀市鴨居4-1 / 046-845-1211 障害児者向けワークショップが毎月第3土曜日に開催しています。 障害の種類や程度にかかわらず、ご家族と一緒に楽しむことができます。2019年12月は、楽器をつくります。 詳細
横浜美術館 〒220-0012 横浜市西区みなとみらい3-4-1 / 045-221-0300 特別支援学校のための鑑賞プログラム 横浜市内の特別支援学校・養護学校の中高生を対象にした鑑賞プログラムを実施しています(年2校程度)。担当教員と相談をしながら、参加する生徒たちに合わせたプログラムを学校ごとに準備します。生徒たちが普段の学校生活では体験できないようなモノ・コト・ヒトに触れる機会になれます。 詳細

【千葉県】

館名 住所/TEL プログラム内容 URL
千葉市立加曽利貝塚博物館 〒264-0028 千葉市若葉区桜木8-33-1 / 043-231-0129 加曽利貝塚の魅力発信のため、講演会等の講師を派遣しています。桜が丘特別支援学校へ2017年12月19日(火曜日)と2018年11月13日(火曜日)の派遣実績を持っています。 詳細
和洋女子大学文化資料館 〒272-0827 市川市国府台2-3-1 / 047-371-2494 特別支援学校などへの文化資料館出前講座に取り組んでいます。市川市以外の遠隔地域の諸学校、また各種の福祉施設への対応も可能です。プログラムは以下の内容を用意していますが、ご相談のうえ多様なプログラムの提供にも努めています。 古代の実物土器などの考古資料を教材にして、身近な地域の古代史の学習や、歴史学習の導入的位置づけとなるプログラム。近代の女子裁縫教育で作成された服飾ひな形を教材にして、手作業やものづくりの価値について学習するプログラム。 各種の博物館資料を教材にして、地域の歴史や暮らしの様子を調べるための博物館の存在と、その活用方法を知り、博物館リテラシーの萌芽を育むプログラム。 詳細

【埼玉県】

館名 住所/TEL プログラム内容 URL
塙保己一記念館 〒367-0217 本庄市児玉町八幡368 アスピアこだま内 / 0495-72-6032 高齢者や障害者、特に視覚障害者に配慮し、触って読める触知案内板や音声ガイド等を採用。コーナーガイド板は、版木が原稿用紙のものとなったことにちなみ 400字詰め原稿用紙風に作成し、触って読めるように配慮。 詳細

特別支援教育のニーズ

博物館に対して、特別支援学校の先生やスタッフの皆さんは、どのような対応やシステム・プログラムなどを求めているのでしょう。 また、障害のある子どもたちの日中支援施設などを運営する人たち、さらにご家族の方々は博物館に何を期待されているのでしょう。
このような皆さんの博物館への要望と期待の声を集め、ここから発信していきたいと考えています。博物館の学芸員やスタッフの方々にとって、活動の一指針となるはずです

知的障害の支援 博物館への要望・期待など
小学部教員 見るだけでなく、体験型のもの(クイズ形式、実際にさわれるなど)を多くしてほしいです。
小学部教員 人との直接的な対話が苦手な児童もいるので、音声ガイドが多く用意されているとありがたいです。
小学部教員 他のお客さんと一緒に見学することが困難な子どももいるので(パニックになる児童もいます)、難しいとは思いますが、短時間でも貸し切りの状態にしてもらえると嬉しいです。
小学部教員 学習場面でより利用しやい博物館であるためには、児童の実態に合わせて「触覚」や「嗅覚」「視覚」「聴覚」などの刺激を体験できるものを増やしてほしいと思います。
小学部教員 基本的に、静かに説明を聞く、展示を見るだけの活動は困難な場合が多いので、気軽に体験できる活動を設けてもらいたいと思います。
小学部教員 最重度の子どもたちは日常的に生活をおくるので精一杯な方も多いです。その点を心に留めていただいたうえで、博物館の利用を申請した際に、配慮できる事がらとできない事がらを明示してもらえるとありがたいです。
小学部教員 ベンチなど休憩スペースの確保と、バリアフリートイレを充実させてほしいです。
小学部保護者 子どもの状態から博物館に連れていくことが難しいので、出前のイベントを設けてほしいです。その際に、親子での参加も可能としてほしいです。
中学部教員 体験コーナーや実験コーナーで、実際にさわれたり見たりできる場所を多く設置してほしいです。
中学部教員 車いすの児童生徒が利用しやすいように、きれいなトイレや休憩室、エレベーター、余裕をもって通れる幅の通路があるとありがたいです。
中学部教員 フリースペースのような、少し広くて座る場所を提供してもらえることを希望しています。
中学部教員 お弁当を持参する場合や、体調管理などで食事や休憩ができる場を貸し出してほしいです。
高等部教員 さわれるものなど体験的な展示が多いと、生徒と一緒に利用しやすくなるので嬉しいです。
高等部教員 それぞれの博物館でどんな展示やイベントがおこなわれているか、特別支援学校へも情報を伝えてほしいです。
高等部教員 生徒の特性に応じた内容のパンフレット等を用意してもらえるとありがたいです。
高等部教員 出前の講座をしてくれる博物館が増えてほしいと思います。
高等部教員 博物館を利用した時に、生徒の実態に対応できるインストラクターによる、分かりやすい解説ツアーをして頂くことを希望しています。
高等部教員 理解度からみると、小学校や中学校の児童生徒が学べる体験プログラムの内容が適していることもあるため、特別支援学校の高等部の生徒が、小・中学生と一緒に参加できるイベントを設けてほしいです。
高等部教員 利用のマナーも大切な学習です。経験を積むことで、卒業後の余暇活動にもつなげることができます。博物館でのマナーを守って利用しますが、温かく見守って頂けるとありがたいです。
視覚障害の支援 博物館への要望・期待など
小学部教員 全盲や弱視の児童が触ったり、間近で見たりできる展示を増やしてほしい。
小学部教員 美術館や博物館で、鑑賞教室などの積極的な開催を望みます。また、その情報が特別支援学校に伝わるようにしてほしいです。
中学部教員 他校での博物館の利用例などを紹介いただけると、利用意欲も起こり、とても参考になります。
中学部教員 博物館を利用する際に、福祉バスの停車位置や利用時間の調整をしてもらえると助かります。
中学部教員 さわってわかる展示物を多く設定してほしい。または、展示物の内容が把握できるように、見ることができない生徒にもわかるような、音声による説明がほしいです。
中学部教員 さわることができて、さらに音や匂いなどでも展示が確認できるものが増えることを希望します。
高等部教員 実物の展示品にさわることができない場合、その背景がよくわかるような資料があると嬉しいです。
聴覚・言語障害の支援 博物館への要望・期待など
幼稚部教員 聴覚に障害のある子供には、暗い環境だと話をしたりする分の負担が大きく、音響等が大きい館も児童の負担が大きいです。その点を配慮してほしいと思います。
児童保護者 大きな声をだしたり、突然走り出すこともあるので、他のお客様に迷惑をかけるのではと心配で、博物館には行きにくい。保護者が安心して障害のある子を連れて行けるよう工夫していただけるとありがたいです。幼い子にも「本物」の素晴らしさに触れる機会をつくってあげたいです。
小学部教員 展示物について内容をかみくだいた説明書きや、文字テロップを入れた映像などを充実させてほしいです。
小学部教員 漢字のルビ(簡単なことばの説明もふくめて)、アクティブラーニング様式のワークシート、見学者をその気にさせるような(今もたくさんあるはず)ワークシートなどが豊富にあると助かります。
中学部教員 「本物」を、見て、さわって、感じる体験がたくさんあってほしいです。
中学部教員 展示の音声解説について、これに代わる方法も設けてほしい。例えば、スマホやタブレットに無料で解説を送る方法(神戸のUCCコーヒー博物館のように)など。
中学部教員 映像等に字幕をつけてほしい。
高等部教員 音声解説装置は、聴覚障害者にとって意味をなしません。音声解説を進めるなら、その視覚化も当然という風潮になってほしいです。
高等部教員 限られた授業時間の中で、博物館を利用した活動は取り掛かりにくく、参考になるモデルなどが各博物館のホームページなどで示されていれば、始めやすくなって助かります。
高等部教員 映像を使った展示は情報保障が少なく活用しにくい。一人でも自由に観覧できるように、字幕サポートがあるとよいです。
高等部教員 情報保障の面での配慮が充実していると、博物館を利用しやすくなると感じています。音声解説が、聴覚障害の生徒にはわかりません。文字情報が必要です。音声認識ソフトの活用や、解説などをスタッフが手話できるとありがたいです。
肢体不自由・内部障害の支援 博物館への要望・期待など
小学部教員 博物館に行けばどんな役立つことや楽しいことがあるのか、児童生徒の興味関心をかき立てるわかりやすい映像発信があると嬉しいです。
小学部教員 子供が自由に触察できる展示物が増えるとありがたいです。
中学部教員 実際に見て、さわって、かぎ、なめ、そういった感覚を通した体験により、生徒たちの学びをより深めることができると思うので、そのような機会がほしいです。
高等部教員 昼食の場所をさがすのが大変です。会議室などを借りることができれば嬉しい。
中学部教員 体験型のイベントなどを増やしてほしいです。
高等部教員 車椅子への配慮はできないという博物館が今でもあります。修学旅行などで生徒に見せたいと思ってもできないので、困ってしまいます。

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  • 明治大学博物館
  • 和洋女子大学文化資料館
  • めいじだいがくはくぶつかん
  • わようじょしだいがくぶんかしりょうかん