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「第21回 立ち上がる絵」への補足

補足1.問題の回答


 影と立体が離れているために、立体が浮き上がっているという錯覚が生じていますが、立体は机の上に置かれています。普通は立体の本当の影が机の上に落ちるために、机の上に置かれていることが分かります。浮いて見えるという錯覚が生じるためには、本当の影が落ちないように工夫することが必要です。そのための簡単な方法は、影ができにくい形を選ぶことです。ピラミッドのような錐体がその例です。納豆容器を伏せた形も、上が小さくなっていて、影が机に落ちにくいわけです。

補足2.納豆容器を浮遊させるための影の絵について

 ここで使った影の絵は、正面から見ると左のように正方形をぼかしたものになっています。一般の長方形や平行四辺形ではないことに注意してください。これは、正方形の納豆容器が机に平行な姿勢で浮いていたら、その影もやはり正方形になるという物理的性質に忠実に影を作りたかったからです。長方形や平行四辺形をぼかした絵を影に使うと、うまく浮遊させることができたとしても、納豆容器が傾いているという印象を与えることになるでしょう。
 講座で使った影の絵のpdfファイルを ここに置きました。ご興味のある方は、プリントして浮遊錯視を作ってみてください。