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「第2回 反重力斜面」への補足

補足1.錯視の起る道路について

ご紹介した道路は、香川県の屋島ドライブウエイの途中にあります。現地には「ミステリーゾーン」という看板も立っています。左の写真は、屋島(江戸時代は島だったそうですが、今は四国から陸続きの小山です)へ上る方向へ走ったときの姿で、実際には上り坂なのに下りに見えます。この場所を逆方向に走るときには、実際には下りなのに上りに見えます。

補足2.雪の大型すべり台について

この雪の大型すべり台を作ったのは、新潟県南魚沼市の八海山麓スキー場です。毎年3月にこのスキー場ではホワイトカーニバルと呼ばれるお祭りが行われますが、その一環として同市の池田記念美術館が企画し、地元のボランティアの方々の協力を得て作りました。2017年から毎年作っており、この写真は2019年3月のものです。2020年も3月に作る予定でしたが、雪不足のため中止となりました。

補足3.反重力斜面を作ってみたい方へ

 反重力斜面を利用した錯視立体はいろいろ作れます。それを紙工作で作るための展開図が、いくつかの出版社などから出版していただいています。次に紹介する最初の5つは厚紙になどに印刷してミシン目が入れてありますので、簡単に部品を切り取って工作できます。


立体トリックアート工作キットブック (杉原厚吉著、金の星社)
 立体4個を展開図から作る工作キットです。この中には、「反重力ガレージ屋根」、「何でも吸引四方向すべり台」の二つの反重力斜面が含まれています。


立体トリックアート工作キットブック2 (杉原厚吉著、金の星社) 
 立体4個を展開図から作る工作キットです。この中には、「落ちない円管」と「反重力3連一直線すべり台」の二つの反重力斜面が含まれています。


立体トリックアート工作キットブック3 (杉原厚吉著、金の星社) 
 立体4個を展開図から作る工作キットです。この中には、「反重力循環すべり台」、「反重力二十面体」という二つの反重力斜面が含まれています。


トリック立体工作キットBOOK (杉原厚吉著、永岡書店)
 プラスチック立体4個を展開図から作る工作キットです。このなかには、「反重力ジグザグすべり台」、「なんでも吸引三方向すべり台」、「反重力四面屋根」の3種類の反重力斜面が含まれています。


錯覚トリックキット (杉原厚吉著、幻冬舎)
 立体5個を展開図から作る工作キットです。このなかには「さかさましゃめん」がふくまれています。これは、雪の大型すべり台と同じ形です。


 次のものは、通常の書籍のページに展開図を印刷したものです。コピーをとって厚紙に転写すれば紙工作ができます。


まさかのへんな立体 (杉原厚吉著、誠文堂新光社)
 立体20個の展開図が載っています。そのうち14個は反重力斜面のバリエーションです。本講座の最初に紹介した「2方向すべり台」も含まれています。


トリック工作BOOK (杉原厚吉著、主婦と生活社)
 立体の工作用展開図集です。「なんでも吸引4方向すべり台」が含まれています。


だまし絵の不思議な世界 (杉原厚吉著、誠文堂新光社)
 立体の展開図が5種類含まれています。その中には、「なんでも吸引4方向すべり台」と「落ちないかまぼこ屋根」の2種類の反重力斜面が含まれています。

補足4.「反重力斜面」に関連する参考文献

K. Sugihara: A characterization of a class of anomalous solids. Interdisciplinary Information Sciences, vol. 11, no. 2 (2005), pp. 149--156.
K. Sugihara: Design of solids for antigravity motion illusion. Computational Geometry: Theory and Applications, vol. 47 (2014), pp. 675-682.