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「第1回 右しか向かない矢印」への補足
補足1.横に置いた鏡に映った姿について
この立体は、後ろに鏡を置いたときには左を向くという異常な振る舞いをしますが、その理由は立体の上端が起伏のある空間曲線だからでした。空間曲線は、一般に見る方向を変えると見かけの姿が変わります。ただし、右側に鏡を置いてそれを見る場合は、見る方向は元の立体を見るときの方向と変っていません。ですから、正常に鏡に映って左を向くわけです。ただし、横に鏡を置いたと言っても真横からでは見えませんから、少し斜めの方向から見ていることになります。それでも、正常に見えるのは、この立体錯視がとても強い(見る方向を少しぐらい変えても見え方の印象はほとんど変らない)ことを意味しています。
補足2.「右しか向かない矢印」を手に取ってみたい方へ
次の出版物の中に、プラスチックで作った矢印が含まれています。
「鏡で変身!?ふしぎ立体セット」、東京書籍、2017年7月。
こちら もご覧ください。
このセットには、鏡に映すと姿が変わるプラスチック立体4種類と、鏡に映すと一部が消える立体の紙工作用展開図3種類が入っています。
小学館発行の「小学8年生」第6号(2018年2月)に、「錯視工作5」として、右しか向かない矢印を紙で作るための展開図が掲載されました。
ここをご覧ください。
補足3.「右しか向かない矢印」に関連する文献
K. Sugihara: Anomalous Mirror Symmetry Generated by Optical Illusion. Symmetry, vol. 8, no. 4 (2016), p. 21.